月別アーカイブ: 12月 2011

過ちを繰り返す人たち

福島第一に限らず、原発は海辺にあります。
海辺であれば、わが国の場合には津波の恐れがあります。しかし、いつ来るかわからない津波のために莫大なコストをかけて防潮堤、防波堤をつくろうとはなかなか思えません。
特に、海辺とは関係のない地域、原発とは関係のない地域に住んでいる人にとっては防潮堤、防波堤に多額のコストをかけることは容認しがたいのかも知れません。
実際に津波が来て、取り返しのつかない被害を出してしまってその考えの誤りに気づいたわけです。
今朝の新聞は一斉に『八ツ場ダム建設 民主会派が反対』と報じました。
八ツ場ダムに反対する人は、「堤防が決壊することは絶対にない」あるいは「水害などあるはずがない」と思っているのでしょう。
この構図は、津波の場合と全く同じです。「マグニチュード9の地震など日本近海ではない」「巨大津波などない」とみな言っていましたし、信じていました。その結果、取り返しのつかない事態になってしまいました。
それでもなお、いまだに「水害など起こらない」と主張しているのを見ると、あれほど痛い目にあっても自然の脅威を甘く見ている人はいるんだなと愕然とします。
百歩譲って、「自然の脅威は認める。でもダムはいらない。」と主張するのなら、せめて、ダムではなくこういう方法で水害を防ぎますという主張をしてほしいものです。
ダム建設反対を主張している人は、おそらく大河川のそばに住んでいないのでしょう。私は、毎年の水防訓練の真剣さをぜひ一度でも見てほしいものだと思います。
巨大津波を見てしまった今、国民や住民の命を守るということをどうか真剣に考えてほしいと思うのです。

手仕舞いの時代

「バブル以前・バブル以後」いわゆる『バ前バ後』ではやはり時代の流れは違っているのだと思います。
バブル以前、行政はその領域をどんどん拡大していきました。
例えば土地開発公社です。
自治体に代わって公共用地の先行取得をするために設立された土地開発公社は、宅地販売にまで仕事の領域を増やし土地取得や造成を行いました。
これら土地が販売不振となってどれほど残っていることか。
もちろん、それらの土地について自治体に買取義務はありません。しかし、そもそも土地開発公社は100%自治体が出資して設立したのですから、公社が金融機関から借りた金は自治体が債務保証しているわけです。
こうした公社事業の見直し、あるいは公社そのものの見直しに手が付けられたのは平成15年前後だったように思います。
千葉県の公社改革も私が県議会に当選したあたりから始まったように思います。
また、バ後の土地区画整理事業もほとんどが惨憺たる有様です。
こちらの方は、どの自治体もなかなか舵が切れないでいます。
それは現実の問題として、多数の地権者がいて、悪い意味ではなく様々な利害が絡み合っていますし、事業の認可に県や国が関与しているという手続きの複雑さがあるからです。
しかし、と私は思います。
株式の世界では『手仕舞い』という言葉があります。本来の意味はよくわかりませんが、言葉のニュアンスとして「敗戦処理」というイメージに思えます。
事業の長期化が予想され、地権者にも見直しに反対がない場合には当然縮小があってもよいと思います。
そのほか、公営競技や各種基金事業など『手仕舞い』に入るべき事業が増えてきているように思えてなりません。
行政の事業縮小はおそらくこれからが本番になるのだろうと思うのです。

今定例県議会の議論について

12月定例会が始まり、一般質問も残すところあと一日となりました。
今期に限らないのですが、どうも県議会の一般質問は面白くないのです。面白くないと言うと語弊がありますが、『身も蓋もない』やり取りが多いような気がするのです。
ただ面白ければいいという話ではありませんが、質問をした答えが大体同じように聞こえてしまうのです。
たとえば、『〇〇市と連携を密にして対処して参ります』
たとえば、『国の動向を注視しつつ、適切に対処してまいります』
こちらが知りたいのは、具体的にはどのように対処するのかであり、適切な対処とはなんなのかなのです。
一方、質問する議員の側としても、そういう決まりきった答弁にさせないような質問技法を磨かなければならないのだと思います。
さて、今議会の一般質問登壇者は25人です。
そのうち『道路問題』を取り上げる人は16名ほどで、6割から7割の人が質問します。やはり道路や橋梁というインフラ整備は地元要望の強い部分です。
先の衆議院選挙で『コンクリートから人へ』というわかりやすキャッチフレーズで政権党となった民主党の議員も道路整備を訴えます。
道路整備も大事なことだと思いますが、「県道何々線を整備せよ」とか「国道何号線の渋滞をどう解消するか」という質問は、議論を深めるにはひとひねりもふたひねりも必要なのでしょう。
質問内容や質問技法等々、多くの人の声を聴きながらますます勉強していかねばならないと決意した次第です。

ひったくり件数はどうなったか?

昨年のひったくり件数ワースト1位だった千葉県が本年は汚名返上となりそうです。
すでにテレビでも取り上げられていますが大幅に件数を減らし、ワースト5位くらいかのようです。もちろんそれでも多いのですが、この減少傾向を今後も維持し続けていきたいものです。
さて、平成18年12月議会の一般質問で「ひったくり問題は実は松戸市の問題」だと取り上げてから5年がたちました。ひったくり件数はどう推移したのでしょうか。
平成18年は、千葉市962件、松戸市456件、船橋市415件、市川市343件で、この4市で千葉県全体3139件の69.3%を占めていました。
一番新しい確定数字は平成22年のものですが、それによれば、千葉市427件、松戸市222件、船橋市301件、市川市258件で千葉県全体2188件の55.2%です。
千葉県全体として69.7%に減少しており、各市は以下、千葉市44.4%、松戸市48.7%、船橋市72.5%、市川市75.2%とうれしいことに松戸市は平均を相当上回って半減以上の成果です。
町会、自治会の皆様の昼夜を分かたぬご努力と市、県そして県警の一体的な取り組みがここまでの成果をもたらしたのだと思います。関係者の方々には本当に頭が下がります。
平成23年は10月末日の数字まで出てをり松戸市は116件です。何とか前年の222件を下回ってほしいと思います。
しかし、冷静に見てみれば116件とはいえ、5日に2件ものひったくり被害者が出ていることになります。この段階で喜ぶのはまだまだ早いのです。
今後も気を緩めずにひったくりゼロを目指して頑張りたいと思います。

深圳(しんせん)の思い出

『思い出』といっても、実は行ったことはありません。
30年前の1980年ごろの話です。
M新聞の記者が来て「今度のお正月の特集紙面で深圳を取り上げようと思う」とのことでした。
当時、私は職場で外交防衛を勉強していたので、記者がそういう話題を出したのでした。
私はなるほどうまいところに目を付けたな、さすがだなと思ったのでした。
そのころの中国の経済特区に対する力の入れ方は、『それほど』のものでした。
あれから30年たって、今日の毎日新聞1面記事です。
『深圳 世界の頭脳1万人勧誘』
「世界の優れた人材を引き寄せるプロジェクト『孔雀計画』を始めた。今年から5年間に、年最高5億元(約60億円)を投じ、1万人を募る。」というのです」
実際すでに、慶応大学電気自動車研究室の高野正さんに「8人の専属スタッフと専用実験室、新品のモーター作動実験室を準備し」「3年間で1億3000万元(約16億円)が得られる見通し。」だとのことです。
現在、千葉県内から、有力メーカーの撤退が相次いでます。その状況下でまた強力なライバルが現れたわけです。
望むと望まざるとにかかわらず経済のグローバル化はどんどん進んでいきます。これは同時に、市場規模の拡大をも意味します。
これをチャンスととらえて行けるかどうかが問われているのだと思います。