月別アーカイブ: 11月 2009

松戸の「プレミアム商品券」(第332回)

財政政策としての景気対策の2本柱は公共事業と減税である。
しかし、公共事業には根強い批判があり、一方の減税にはそもそも低所得などで納税していない人には恩恵がない。
そこで、公明党はすべての人に行き渡る「定額給付金」の実現を推進した。
ただし、定額給付金も万能ではない。
みんなが必要なものを消費すれば市場にお金が回るのだが、何割かは貯蓄へ向かう。
給付金が貯蓄に回りにくくする工夫がほしい。
そこで、公明党流山市議団は15%お得なプレミアム商品券を訴えて実現した。
隣接する松戸市でも何とか実現したいと公明党は議会で幾度も提案した。
そして、この12月1日から10%のプレミアムのついた商品券販売に結びつけたのである。
ようやく地域活性化と家計を結びつける施策が実現したのだ。
このほか現在では、市川市、船橋市、茂原市など20以上の県内自治体で実現しているプレミアム商品券。
公明党は、つねに地域の声を生かすネットワーク政党を目指したい。

2009年11月26日 「天下りのいる事業」=(イコール)「不必要」とは限らない(第331回)

事業仕分けが連日話題である。
テレビや新聞で毎日トップに取り上げられる。
民主党人気の理由の一つに、この事業仕分けがあるとも見える。
しかし、構想日本の「事業仕分け」を初めてマニフェストに掲げたのは公明党であることは記しておきたい。
平成17年に千代田区の構想日本を訪ね、千葉県本部の議員を対象にした研修会の講師を依頼した。
そして同年11月19日、ホテルグリーンタワー千葉で千葉県所属議員は「事業仕分け」を初めて学んだ。
それだけに、これを機に県内自治体でも事業仕分けを実施するところが現れたことはうれしい限りであった。
その後も着実に全国各地の自治体で事業仕分けが展開されたことは、紛れもなく構想日本が優秀な仕分け人を用意してきたことが最大の理由だろう。
これまで出会ったことのない自治体職員同士が出会って、同じ事業について議論するというだけでも極めて有意義なことだが、それを公開で議論する場を設けた手柄は大きい。
しかしその手柄の大きさの割には、当時マスコミは地元紙中心の報道にとどまった。
それが、ここへ来ての変りようである。
構想日本代表の加藤氏が一番驚いているのではないだろうか。
千葉県は、四年前に構想日本による事業仕分けを行った。
その後、県はプロジェクトチームを立ち上げて県庁内部で全庁的に全事業について事業仕分けを行った。
その結果、(私の記憶では)50億円ほどのムダを無くすことができたという。
しかしながら、それはあくまでも公開で行ったものではないので事業仕分けとは似て非なるものである。
したがって、これまで公明党県議団は事業仕分け第2弾を実施すべしと訴えて来た。
県は時期尚早という考えのようだが、事業仕分けにスポットが当たっている今こそ第2段実施のときだと声を大にして訴えたい。
また、このチャンスを逃すと優秀な仕分け人を集めることがきわめて困難になるだろう。

「天下りのいる事業」=(イコール)「不必要」とは限らない(第331回)

自分の誕生日に借金のことを話題にするのは心地良いものではない。
しかし、今朝の「日本の借金時計」を見るとおおよそ864兆9655万8258円75銭の債務残高だという。
これは一人当たり677万3594円54銭だという。
国に借金があること自体は問題ではない。むしろない方が問題とも言える。
問題は、なぜこれほど巨額なのかということである。
ある人は言う。
「自分の金は大事に使うが人の金はいい加減に使う」
「縦割り行政が問題だ」
いちいちもっともなのだが、これらの事情は世界各国どこも同じである。
にもかかわらず日本だけが飛びぬけて借金が多いということには必ず理由があるはずである。
あくまで私見ではあるが、「和以為貴」という話合いの文化というか、誰も損しないようにまとめるという風土があるのかもしれない。
そしてもう一つは、営々と続いてきた天下り慣行ではないか。
この見方が正しいかどうか自信はないが、敵(反対する者)をも包含していこうという根源的文化的な問題もあると思うのである。
その事業が必要か不必要かという議論するとき問題になることがある。
それは必要であれ不必要であれに関係なく、ほとんどの事業に天下りが存在し、また談合が行われている疑いがあるということなのである。
すると必要な事業であれ、天下りがいるから悪という結果になりかねないし、談合があるから中止ということになりかねない。
「不正」と「必要不必要」は切り離して考えないと、わが国においては多くの事業がストップしかねない。
これは実に不幸なことだ。
現在国が行っている事業仕分けでは、科学技術予算の多くが不要とされ批判が高まっている。
この事業仕分けでは「天下りはいますか?」が重要な切り口になっている。
それが単一の判断材料になっては、国の進むべき方向を誤る。
「天下り」禁止は厳正な公務員改革によって何としても断行してもらいたい ことであって、それをそのまま事業の必要不必要の仕分けの論理に使うのは判断を誤る危険性があると思うのである。
※それに、民主党に日本郵政に天下りはいますか?何人いますか?誰が天下りさせたのですか?」 と立て続けに訊いてみたい人はたくさんいるのではないか。

舞台はアメリカ上院へ(第329回)

11月7日23時7分、アメリカ下院において医療保険制度改革法案が可決した。
賛成220、反対215という微妙な賛成多数だった。
国民皆保険は、オバマ大統領の最優先の国内課題だったが、民主党からも39人が反対にまわったと伝えられている。
いずれにせよ今後の舞台は上院に移ることになる。
同法案について、もっぱらわが国としてどういう影響があるかという点で見れば、たとえば個人の保険加入の義務付け、低所得者向けの保険である『メディケイト』の対象拡大、保険会社に対しての既往症を理由にした保険加入拒否の禁止などがあげられる。
これらの施策は、アメリカでの医師不足をますます助長し、ひいてはわが国からの医師流出につながっていくことだろう。
わが国の医師不足をさらにさらに顕在化していくのである。
仮にも同法案が年内成立となれば、振り返ってみたときに2009年が世界的な規模での医師流動化の時代の幕開け だったと言うことになるのかもしれない。
アメリカ上院100人のうち民主党議員は60人、共和党議員は40人である。
数の上ではおそらく成立するのであろう。
成立したからといって、いきなり国民健康保険加入者が83%から96%になるということは現実的にはありえない。
しかしながら、わが国の医師不足対策をさらにスピードアップしなければならないことは言うまでもない。

「天下り」の定義にみる民主党の変貌(第328回)

民主党は、日本郵政の社長に元大蔵省事務次官を、さらには人事院人事官に元厚生労働省事務次官を起用すると言う。
しかも日本郵政にいたっては、副社長にも大蔵省出身の前内閣官房副長官補を就任させた。これほどあからさまな「天下り」・「渡り」人事は無いだろう。
ここでもう一度、民主党のマニフェストを見直してみたい。
最初のアピール文には『官僚任せではなく、国民の皆さんの目線で考えていきたい。』と高らかに掲げてある。
また、鳩山政権構想の根幹となる5原則の第一番目が『官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ』である。
そして何よりも、5原則の下に5策を実行するとして掲げ、その第5策の冒頭には『天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する。』 とそのものズバリが書いてあるのだ。
にもかかわらず事務次官を起用する人事である。
『天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する』とした張本人の民主党自身が斡旋をしているのである。
ここまで国民を馬鹿にするのかと思う。
すると今度は、11月6日の衆議院議院運営委員会に天下りの定義に関する文書を出してきた。
それによれば、天下りとは『府省庁が退職後の職員を企業・団体などに再就職させること』だとし、府省庁のあっせんによらなければ天下りではないのだそうだ。
「渡り」についても『府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることを複数繰り返すこと』と説明した。
民主党自身にも嘘をついたという後ろめたさがあるから今ごろになって天下りの定義などという苦しい言い訳を出してきたのであろう。
しかし、これはやはり国民目線ではおかしいと思う。
第一に、民主党自身がこれまで「あっせんがなくても関係省庁との関係があると疑わしい場合には天下りに当たる」と主張していたのである。
亀井大臣の意向による日本郵政社長人事、副社長人事は決定の経緯がわからず、何か裏がありそうで非常に疑わしい。
第二に、省庁のあっせんによる再就職はだめだが、政権党のあっせんなら良いとすれば、政権党は府省庁にも民間企業側にも強烈な影響力を持つことになる。
官僚は、国民を見るのではなく政権党の顔色を伺いながら仕事をするようになる可能性が高い。
そもそもあっせんが無かったとしても、官僚が民間企業へ再就職すれば、その官僚の出身府省庁がその民間企業に便益を図らないと言う保証が無い。
だからこそ民主党は『全面禁止』を掲げたのではなかったか?
そこに国民は期待を寄せたのである。
しかし、選挙が終ってからまだわずかな期間が過ぎたばかりだと言うのに民主党は国民の期待を大きく裏切ったと思うのである。