こういうことを書き出すときりがないのであるが、一応いくつかの分野については書いておきたい。したがって(その1)となる。
人口ダイヤモンドは私の造語である。
1970年ごろまでは年齢と人口の関係は、まさに人口ピラミッドというように年齢が上るほど人口が少ないと言う二等辺三角形だった。
ところがその形がいびつになり、年齢が低い層と高い層の人口が少ないという、まん中が膨らんだ形になった。これを釣鐘型と言ったりした。
これが2030年くらいになるとまさにダイヤモンドのような縦長の菱形になるのである。
こういう人口ダイヤモンド社会にあっては、人口ピラミッド社会の常識は通用しないことをまず認識しなければならない。
たとえば現在のような世界的な景気後退局面では、経済評論家やマスコミはこぞって『外需主導の経済ではなく内需拡大策を取れ』といった発言をする。
この主張は間違ってはいないが、少子化高齢化が進み人口減少社会となった人口ダイヤモンド社会にあってはその実現は簡単な話ではない。
マーケット自体がしぼんでいく現実を無視した議論は単なる掛け声である。
「内需を拡大せよ」という主張は、あたかも外需主導を推進し内需をないがしろにしてきたであろう政府与党に対する批判といった政治的スローガンに使われている感すらある。
むしろ、1億人と言う少なくない規模のマーケットが存在してきたがゆえに、これまでは国内だけの競争で事足りていたのだが、いよいよ海外市場へ進出せざるを得なくなったのだという共通認識を持つことの方が余程大事である。
つまり、長期的トレンドは外需中心とすら言えるのである。
あまりにも急速で世界的広がりの景気後退に目を奪われて、この至極自然な結論を忘れて何でもかんでも「内需、内需」という大合唱が始まってしまったことに当惑すら覚える。
内需も大事だが外需はさらに大事なのであり、こういうときこそ冷静さを失うことのないようにすべきなのである。
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