月別アーカイブ: 6月 2016

絶対に必要な赤字の「見える化」

20160621日経記事6月20日は、夕張市が財政再建団体入りを表明してから10年とのことで、日経新聞に『街に廃墟、子育て世代半減』とのルポが掲載されました。
『市内には大手企業の拠点もあり、働く場がないわけではない』にもかかわらず『結婚すると、みんな夕張から出て行ってしまう』とのことです。
理由は、小中学校は一校ずつ、総合病院はなく、水道料金は高く、自家用車が必要で買い物も不便なのだそうです。
住民は居住環境が悪化すれば移転するのも自由です。そのような自治体にとって赤字の意味は何でしょうか?
自治体の借金である地方債には建設債と赤字債があります。
建設債は合法ですが、赤字債は実は認められていません。それは住民は移転が自由なので公平性に問題が生じるからでしょう。
にもかかわらず、自治体は国から赤字債の発行を余儀なくされています。
この赤字債も国の赤字であることを明確にすべきと思います。
赤字の「見える化」こそ財政再建の第一歩だと思うからです。

国交省の「踏切安全通行カルテ」

20160418くぬぎ山踏切国土交通省は、これまでの「危ない踏切」に、通学路要対策踏切と事故多発踏切を追加した「踏切安全通行カルテ」を公表しました。
それによると、千葉県では「開かずの踏切」2、「自動車ボトルネック踏切」36、「歩行者ボトルネック踏切」28、「歩道が狭隘な踏切」17、「通学路要対策踏切」4、「事故多発踏切」3であり、重複を除くと77の踏切に対策が必要だといいます。
ちなみに松戸市は、「自動車ボトルネック」が「元山3号」と「野田線第270号」、「歩行者ボトルネック」が「みのり台1号」、「「松戸新田1号」、新松戸2丁目の「第5号の2」の5つとされています。
今回追加された3か所の事故多発踏切は、京成八幡駅のすぐ西側にある「菅野6号」、勝田台駅のすぐ東側にある「勝田台第1号」、京成大久保駅のすぐ東側にある「京成津田沼第2号」でした。
踏切改良の促進に全力を尽くしたいと思いますが、ともかくも踏切通過には細心のご注意を願います。

自治体財政のエッセンス

財政エッセンス財政を監視すると言っても容易ではありません。
公認会計士という会計のプロでも企業財務での見落としがあるのです。ましてや、議員になって財政当局から説明を受けたからと言って自治体財政が理解できるものではありません。そもそも何を勉強してよいのか、どんな知識が必要なのかさえ五里霧中というのが現実です。
そこで、私なりにそのエッセンスは何だろうと考えて作成したのが「千葉県財政のエッセンス」というB4版のペーパーです。
内容は、「1年間の流れ」「国の予算と地財計画」「財政区分と財源」「各種収支」「基準財政収入額・需要額」「健全化指標」の6項目に千葉県決算カードの1部を付けてみました。
全国の議員のなかにはもっと優れたものを作成している方がいらっしゃると思います。ぜひご教示いただきたいと思います。

自治体財政の監視を

犬吠埼縮小銚子市は、財政悪化が懸念される県内自治体の一つです。その銚子市について、6月9日付の日経新聞は『銚子市、5年ぶり黒字』と報じました。2015年度決算で当初700万円の赤字を見込んでいたところ、実質収支が5億3600万円の黒字だったとの記事でした。
しかし、記事によれば14年度には水道事業会計から4億2000万円の借入、15年度は退職手当債の借入をしています。
自治体財政においては借金をすると歳入が増え黒字化するという仕組みであることを知っておかねばなりません。
ただ、銚子市が財政運営に失敗したと単純に捉えるのも間違いです。自治体の財政悪化は生産人口の減少によるものがほとんどなのです。
逆に言えば、人口が増加している自治体は、多少財政運営に失敗しても見過ごされる危険性があるということです。
人口減少時代は、まさに議会のチェック機能が試される時代です。常に財政の監視を肝に命じたいと思います。