自動車免許証の書き換えの際に、小冊子「人にやさしい安全運転」(警察庁交通局監修、全日本交通安全協会発行)を受け取った。
この小冊子は、ページをめくるたびにカラフルな大きなカットが満載で視覚的に非常に分かりやすく作ってある。
小冊子の目的から言って、カットには自動車やバイクのものが多数あるのは当然のことである。
そして、それらカットのなかで男性と女性とが同じ車に乗っているものが13点。そのうち実に11点は男性が運転している。
これはなるほど一般的にそうかとも思う。家族で出かけるときはたいがい男性が運転しているように思える。
私が気になったのは、残り2点の女性が運転しているカットだ。
ひとつは母親と男の子。これはさすがに女性が運転せざるを得ない。ただ、もう一つのカットは運転が下手だと言う表現のためのものなのである。
そういう見方でこの教本を見ていくと、運転中に疲労しているときの状態という説明のカットも女性の絵柄、乱暴な運転の説明も女性の絵柄である。
もちろん、女性がちゃんと運転しているカットも、男性がひどい運転をしているカットもあるのだが、どうにも「運転は男性がするもの」「女性は運転が下手」という類型化された構図が気になって仕方がないのである。
ジェンダーフリーが社会全体で推進されている中にあっては、この教本は早晩改定されねばならないだろう。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか安全運転講習は終わってしまっていた。
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