公明新聞のコラム『経済ウォーキング』は、ジャーナリストの尾林賢治氏の連載ですが、今日のテーマ『日銀の追加緩和策』は、時期と言い内容と言いさすがプロの仕事だと思いました。
数日前の一般紙の1段記事で、日銀の白川総裁が「2014年度まで1%の物価上昇」という目標達成が困難になったという記事を切り抜いていました。しかし、その記事には、達成困難だからこれをやるということは出ていませんでした。
もしかすると記者会見の場ではこういう対策を打つという発言があったのかもしれませんが、少なくとも読者には伝わっていません。しかし、本当に知りたいのはその部分なのです。
その意味でも今日の尾林氏のコラムは貴重でした。
『(国債などの資産買入れ基金の)積み増しなどを軸とする追加金融緩和策を決めると予想されている』
『次の一手として日銀による外債購入案が浮上している』といった内容がコラムに書かれていました。
経済の世界はまだまだ分からないことばかりです。実需に関係なく単純に日銀券を増やせばよいという主張もあります。これが仮に正しいものだとしても、たとえば資産買入れの仕方にしても一気に100兆円にする、あるいは10兆円ずつ10回に分けてじわじわ積み増していくといった手法の違いによっても政策効果はガラッと変わってしまうのだと思います。
さらに、そのとき正しかった手法も常に正しいかどうかは誰にもわからないというのが真実だと思います。
日銀はじわじわ資産買い取り基金を積み増す方向のようですし、外債購入については検討段階のようです。じわじわ手法は、一見穏便な策のように見えますが、意地悪を言えば、効果が出ないうちに積み増しすぎて、一気に潮目が変わるということも考えられます。
どういう結果になるのかは誰にもわからないのですが、「こういう事象に対してこう考えた、だからこういう対策をした結果こうなった」という説明責任だけはしっかりと果していただきたいと思います。
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