Monthly Archives: 10月 2010

どっちもどっちの事業仕分け第3弾(第428回)

今朝の朝日新聞に興味深い記事があった。
事業仕分け第3弾の地方交付税見直しでのやり取りである。
仕分け人が指摘する。 「巨額の赤字について、自治体側は自分たちの負担だと思っていない。」
実は、これは一応正しい意見である。
なぜなら千葉県が県税収入を上げようと努力すればするほど地方交付税が減らされてしまう制度なので努力しようという気が失せてしまうのである。
その一方で、国は県に相談することなく勝手に施策を決めて県に押し付けてくるので、それを自分たちの負担だと思えと言われても無理である。
したがって、仕分け人の指摘は正しいのだが、なぜ国は自分の負担と思わなくてよいのか?というのが自治体側の本音である。

仕分け人の指摘に、今度は財務省が加勢をする。
「交付税総額そのものが自治体が必要な経費よりも3兆円も多い」
この試算に対してすべての自治体は怒るだろう。
一つ一つの事業の補助金など実際にかかる費用よりも必ず少なく計上しているのは誰なのだという怒りである。
できもしない予算計上をしているのは財務省ではないかと言うのが自治体の本音である。

今度は、総務省の政務官が仕分け人や財務省に反論する。
「日本の財政全体の問題であり、交付税だけが悪いという話ではない。現場を知らなすぎる」
全国の自治体が拍手を送る発言である。
そう、まったく現場を知らなすぎる。

では、総務省政務官の言うとおり財務省の役人に現場を知ってもらったらどうだろうか?
具体的には、都道府県や市町村の部長職や課長職に財務省の役人を出向させてはどうだろうか?
もちろん、総務省は猛反対するだろう。
自分たちの出先ポストが奪われてはたまらない。
つまり総務省政務官発言はヤブヘビ発言だった?
実態はどっちもどっちの事業仕分けなのである。

庶民の心(第427回)

昨日、菅内閣各大臣の資産が公開された。
今朝の新聞各紙によると5人の大臣が自分の所管する業界の株式を保有していたことが判明した。
たとえば財務副大臣・五十嵐氏の「りそなホールディングス」株や内閣府政務官・和田氏の三井住友フィナンシャルグループ株などは職務権限の関係で非常に怪しいと言わざるを得ない。
そして、もう一つ小さく報道されていたのが、環境政務官・大谷氏の土地購入である。
大臣らが守るべき『大臣規範』では不動産売買の自粛が定められてる。
つまり、明確な『大臣規範』抵触である。
弁明を求められた大谷氏は「両親介護のため住居が必要になり購入した。やむを得ない理由なので規範に抵触しないと考えている。(趣意)」と答えた。
両親介護のために住居を購入するという行為はある意味で立派なことだ。
しかし、世の中の大半の人は、たとえ両親の介護をしていても土地建物を購入することなど考えられないのが現実だ。
バリアフリーにしたい、トイレを改造したいということすら残念ながらなかなかできないのである。
家を買うなど夢の夢なのだ。
大谷氏の発言から、この人には庶民の心など到底分らないのだろうなというのが私の素直な感想だった。
「それだけの所得があるのだから、介護のための住居を買ったっていいじゃないか」という意見も当然あるだろう。
実は一方で、私もそうした意見も十分理解できる。
両親介護のために住宅が欲しい。
しかし、それはリーダーのあるべき姿として、自分たち自身が決めたリーダーとしての規範を破ってしまうことになる。
このジレンマをどうするか?
私には実に簡単に解決できる話のように思える。
政務官を辞めればよいだけの話である。
おそらくごく普通の人の感覚では両親介護のために住居を買うのだから政務官を辞めようと思うだろう。
大谷と言う議員は、要するに規範は破れても地位は捨てられなかった人だと思えるのである。

『光の道』の行方(第426回)

中学だったか高校だったか金属の電気伝導度(電気の流れやすさ)の授業があった。
最も電気が流れやすいのは銀である。
しかし、電線には銅が使われる。
その理由は何か?
もちろん「銀」だとすぐに盗まれてしまうからである。
ところが最近は「銅」も盗まれる時代になってしまった。
それどころか、道路のグレーチングや鉄の蓋まで盗まれるのだから困ったものである。
さて、ここ数年、NTT関係の会社から光ファイバーにしないかと言う営業の電話が結構かかってくる。
私としては光にしたいのは山々なのだが、ホームページのアドレスが変わってしまうのでは導入できない。
それにはっきり言って「高い」のが気になる。
回線が銅ではなく光ケーブルに置き換われば、相当なメリットがあるだろう。
孫正義氏によれば銅線の維持費は、施設保全費3911億円と減価償却費1773億円との合計5684億円だと言う。
それに対して、光ファイバーは、施設保全費763億円と減価償却費1672億円との合計2435億円なのだと言う。
差し引きで約3250億円コストダウン できるのだと言う。
この理屈は、現時点での銅回線のさまざまなコストよりも光に置き換えた場合のコストが圧倒的に安いので無料で『光の道』が構築できるというのである。
つまり、私が光ファイバーへの切り替えをするとNTTとしては利用料収入が増えるだけではなく、長期的にはコスト減につながるというわけである。
それなら人件費を相当かけたとしても営業攻勢をかけるはずである。
しかし、まあこういう話を聞くと、やはりもう少し光への切り替えを待てば料金が安くなるのかと思ってしまうのである。

保険料統一の難しさ(第425回)

厚生労働省は国民健康保険を市町村単位から都道府県単位に移行しようとしている。
しかし、それはなかなか単純な話ではない。一歩間違えば机上の空論となる。
第一、保険料が市町村ごとにばらばらである。
アバウトな感覚で申し訳ないが、おそらく千葉県内でも一番安い自治体と一番高い自治体で2.5倍程度の差があるだろう。
仮に、千葉県で統一料金にするとしたら、どのレベルに合わせるのだろうか?
一番高い自治体に合わせれば、ほとんどの人が保険料の値上げとなり、そもそも県が運営すること自体に反対するだろう。
一番安い自治体に合わせれば、ほとんどん人は保険料の値下げとなり、今度は市町村や県の財政が危機的状況に追い込まれる。
すると平均値に合わせるのが現実的なのだろうが、これでは理屈の上では半分の県民の保険料が値上げとなる。
はたしてこれが政治的に実現可能だろうか?
やはり、どうしても国費投入をすべきだと思うし、しなければならないと思う。
いずれにせよ都道府県単位で統一すれば、値上げの人には経過措置や激変緩和措置が必要なのである。
そうであるならば、いよいよ抜本的な改革の断行をすべき時なのだろう。
残念ながら、ここではまだ明らかにできないが様々なシミュレーションを行っていきたいと思っている。
そして党内で徹底した議論をしていきたい。

スタート前から危うい民主党の新医療制度(第424回)

今日の朝刊各紙は、後期高齢者医療制度後の『新高齢者医療制度』における保険料試算を一斉に報じた。
毎日新聞は『勤め人負担増』
朝日新聞は『保険料頼み限界論も』『公費増の意見次々』
読売新聞は『負担増試算に反発』『大企業は保険料大幅増』『厚労省「ない袖は振れぬ」』
昨年の衆議院選挙で民主党や共産党は後期高齢者医療制度の即時廃止を公約に掲げた。
しかし、民主党は即時廃止というマニフェストを反古にした。
有権者に対するあまりにもひどい裏切りといってよい。
しかし、本当に後期高齢者医療制度を即時に廃止して元の制度に戻せば多くの人の保険料は値上げとなり医療保険自体が成り立たなくなる恐れがあった。
広域連合は解散となり、市町村財政も危機に陥る。
民主党は、即時廃止などできないことを分かっていて廃止をマニフェストに掲げたと思われる。
これは、裏切りというよりも詐欺と言わざるを得ない。
このたびようやく出してきた対案が今朝の報道にある新高齢者医療制度である。
ところが、この新しい制度で実際に試算してみたらいっそうひどいものになりそうだという報道だ。
後期高齢者医療制度を廃止すればバラ色の医療制度になると主張してきた各政党はどう言い訳をするのだろうか?
新しい制度へ移行するだけでもコンピュータソフトの変更など莫大な費用がかかる。
わざわざコストをかけて制度を改悪されたのでは国民はたまったものではない。
今の制度から新しい制度へ変更して、どういうメリットがあるのか明確に説明してほしいものである。