月別アーカイブ: 1月 2012

時代と価値観

時代によって価値観が変わるのは当然のことだと思います。
戦前、戦後で私たちの価値観は劇的に変化しました。たかだか70年ほど前のことです。
原子力エネルギーの開発を推進しようという政策判断を下したのは、たかだか50~60年前です。
そして、地球温暖化の切り札としてさらに原子力を推進しようという考えは3月11日の直前までほぼ合意を得ていたように思います。
それが、地震と津波と原発事故により一気に転換しました。
極端に言えば、何時間かの電源喪失すなわち何時間かの停電によってエネルギー政策の根幹ががらっと変わってしまいました。
価値観というものは徐々に変わるというよりも、このように一気に変わるものだったことに改めて気づかされました。
原子炉の老朽化が先か核燃料プールが満杯になる方が先なのかはわかりませんが、このどちらか先に訪れた段階で原子力発電は終了となります。
もし従来の化石燃料に戻ることを拒否するのなら、私たちは望むと望まざるとにかかわらず、新しいエネルギーを見出すしか生きるすべがありません。
非常に困難な新エネルギー開発を続けながら、さらに困難な放射性物質の保管・貯蔵・処分を長期間にわたって行っていかねばなりません。それが日本のみならず世界に突き付けられた大きな課題です。
たかだか数十年で相当程度価値観が変わってしまう私たちの社会。
その中で、何が正しい選択なのか、次代が求めるものは何かを私たちは必死になって考えなければなりません。そして、それを実行可能な政策として示せない限り国民の幸せはないのだと思うのです。

一月の議員日程

議員にとっても年の初め、一月は大忙しの月です。
色んな団体が新年会、新春の集いを開きますし、もちろん私たち自身も「新春の集い」を開催します。
そうした『集い』を数えてみますと、元旦が2件、2日に2件、4日に2件と続き、5日には千葉日報社の賀詞交歓会です。
この日は松戸市の商工会議所の賀詞交歓会と重なり、失礼をして本当に申し訳なく思いました。
さらに、6日に2件、7日に3件、8日に2件と続き、11日には私たち自身の新春の集いでした。
この集いが終わると本当にホッとします。ご参加くださった皆様に心から感謝申し上げます。
さらに、その後の2週間に13件ですから、お声をかけていただいてありがたいことだと思います。
さて、私も努力しなければ体型を保てないようになってしまいました。
帰宅すると、毎日のように体重を測ります。理想体重にはなかなか手が届かないものの先ほど測ると67キロ。
連日賀詞交歓会に参列させていただいているなかで、努力?の甲斐あってほぼコントロールできています。
日程的、時間的な忙しさは慣れていますので、特に苦にはなりませんが、こちらの方ははるかに至難です。
衣食住のうちの「衣」にも「住」にもほとんど興味のない私は、どうしても「食」に目がゆきがちです。しかも質よりも量という方ですので。
まだまだ1月は終わりません。
これからも空腹を楽しみながらいろいろな人と会話をさせていただきたいと思います。

沼田元知事を送る県民の会

今日は、幕張メッセ国際会議場で行われた『故 沼田武元知事を送る県民の会』に参列しました。
各界各層の方々のお別れの言葉も心を打つものでしたが、喪主の謝辞も心にしみるものでした。
献花台の左側に、沼田元知事の直筆色紙がありました。
そこには『明朗和楽』と書かれていました。
その『楽』の文字がほかの文字より小さく書かれていました。
「明るく、朗らかに、和やかに、しかし『楽しみ』は少しだけでよいのだ」という意味に受け取れました。
私も、そういう精神で動かねば、と思った次第です。
(写真は幕張メッセへ向かう珍しい2連の路線バスです)

忘れられた地震、忘れられた津波

終戦を挟んだ昭和19年、21年に大地震がありました。
終戦という出来事を挟んだことから忘れられた災害となっています。
その昭和19年12月7日午後1時35分49.8秒、志摩半島の南南西約20キロ地点を震央とする東南海地震は発生しました。
尾鷲測候所の観測値によれば、マグニチュード8.0、震度5、震源の深さは海底0~30キロ、19分10.2秒揺れが続いたと記録されています。
このほど津波タワーを視察した大紀町錦地区では、その際6.5メートルの津波に襲われ、流出家屋447戸、半壊浸水家屋235戸、船舶被害101隻、死者64人の大被害を出しました。
太平洋戦争末期にこのような巨大津波に襲われた人たちはどれほどの辛酸を味わったかと思います。
大紀町の町長は東南海地震の津波被災者でもあり、津波タワーを建てたと伺いました。
町の予算規模から見れば決して小さな金額ではありませんが、町是に「命が一番大切」ということをうたっている由縁だと思いました。

消費税アップは見識か?

野田総理は「消費税増税に不退転の決意」だと言います。「ネバーネバーネバー・・・」だと言います。
そして、総理主催の有識者会議の参加者はこんな話をします。
「2005年9月のドイツ総選挙では、医療保険を将来的にも安定させるために、キリスト教民主同盟党首のメルケル氏は付加価値税の16%から19%への引き上げを公約した。そして、選挙に勝利し公約通り2年後に税率を引き上げた。日本人もそれくらいの見識を示さなくてはならない。」(趣意)

しかし、このようなドイツでは・・・日本では・・・・という論理展開は、私はだいたいが眉唾だと思っています。
そもそも、課税売上高1000万円以下の事業者の納付が免除されます。ドイツではありえないことです。
また、5000万円以下の事業者はみなし仕入れ額などといういい加減な課税方式です。
さらに、大企業や輸出企業に益税が発生しやすい問題もあります。
つまり、基本的にだれが負担するのかがあいまいな制度であり、それもこれもインボイスがないことが原因です。
ヨーロッパの優れた制度を歪めておいて、それに触れずにドイツ人は見識が高く、日本人は・・・というのはやはり無理があります。
私は、今の消費税の欠陥を放置したまま税率を引き上げることこそ見識を疑われると思うのです。
(画像はインボイスです)