東北地方太平洋沖地震」カテゴリーアーカイブ

どこまで落ちているのか?

今朝の各紙は福島第一原発第2号機の溶け落ちた核燃料が圧力容器の底に残っている可能性を報じています。
そこで、ネットで鉄とコンクリートの融点を調べてみると鉄が1538℃とすぐに判明したのに対し、コンクリートの融点がよくわからなかったのが意外でした。
冷却水を失った核燃料は2800℃の高温になりますので、鋼鉄製の容器を溶かしながら落ちていきます。コンクリートの融点が鉄より高いとは思えませんのでコンクリートも溶かして落ちていくでしょう。
その一方で、周囲のものを溶かせばその分密度は低くなりますので、いかに重い酸化ウランとは言え「どこか」で止まるはずです。
この「どこか」というのを、計算すれば簡単に出せるものと私は思っていました。
ところが、各紙ともこの理論上の数値には触れていません。もしかすると、こんなことすら私たちの「科学」はわかっていなかったのでしょうか?
時々報じられる「事故」の一つ一つが驚きばかりというのが私の実感です。

東日本大震災から5年

本年の3月11日で東日本大震災から5年が経過します。私たちも県議会において、かねてより5年の機会をとらえ「風化」させない催しを千葉県に要望してきました。今なお18万2000人の方々が避難生活を強いられています。5年を機に復興への取り組みを再点検し一層の努力をしなければなりません。
さて、本日の日本農業新聞に『15年産の福島米全袋検査 基準超えなし』という囲み記事がありました。
1000万前後の袋があると推測されますので、その全てで放射性セシウムが基準値を下回ったことはうれしい限りです。
12年産米から71袋、28袋、2袋と減じていましたのでそろそろとは思っていました。
お米ではありませんが、千葉県産の農産物にも諸外国から未だ輸出制限がかかっている品目があります。
わが国全体としても風評被害を一日も早く払しょくしたいものです。
『「風評」の一掃、「風化」をストップ』に全力で取り組んでまいります。

安全安心の教訓は福島原発の検証から

今朝の千葉日報は、『(福島第1原発の)2号機放水路で高濃度検出』と報じています。
水素爆発を免れた2号機が、爆発した他の原発よりも、けた違いに大量の放射性物質を放出してしまったことはご存じの通りです。
電源喪失の暗闇の中で、人類が経験したことのない巨大事故に直面した人たちがどう対処したかということは純分に検証されるべきと思います。
また、専門知識の乏しい政治家が、専門家からの助言なしに巨大事故に対処した時にどういうことが起こってしまったかも検証が必要です。
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班は『(官邸主導の)統合本部ができた3月15日午後以降の(放射性物質)放出量が事故発生から3月末までの75%を占める』と指摘しています。
原発事故を2度と起こさないための検証が、実は他の巨大事故のみならず、災害対策にも、さらにはわが国の安全保障にも密接に関わっていることをあらためて思うのです。

阪神淡路大震災から20年

1月17日、阪神淡路大震災からちょうど20年目を迎えました。犠牲になられた方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
近代都市が直下型地震の直撃を受けたことから、都市災害を考えるうえで多くの教訓を残しました。
たとえば、発生時刻の午前5時46分には、すでに公設卸売市場に多くの人が働いていました。その人たちがどういう行動をとったのかも教訓の一つです。
市場は大きな被害は免れました。しかし、市場の周辺地域では倒壊家屋の中に取り残された人たちが大勢いました。
市場の人たちは地震に遭遇して、まず家族の安否確認をします。ところが電話がつながりませんので自宅へ戻ったのです。
災害時に家族の安否確認をするのは当然のことでしょう。もし、このとき家族と連絡が取れていれば市場周辺の救助活動ができていたはずなのです。
災害時には電話不通が当たり前と考えるのではなく、災害時でもつながることが大事なのです。
切迫性の高まっている南海トラフ地震や首都直下地震に対応できる通信インフラの増強整備を強く求めてまいりたいと思います。

感震ブレーカーの設置補助制度を

津波火災今朝の朝日新聞は『大震災出火 3割が電気』と言う見出しで、日本火災学会の調査を1面トップで報じました。そして、内閣府が『感震ブレーカーの普及策などについて今月から本格的に検討する方針だ』としています。
実は、私は本年2月28日に県議会で初めてこの問題を取り上げています。
震災火災を防ぐ大きなポイントですので、少し長い引用ですがご容赦ください。

(藤井弘之)次に、出火原因を調べていきますと、津波により冠水した電力量計内の配線に塩分が付着し、絶縁低下または腐食により発熱し出火というパターンがありました。近代都市における直下型地震だった阪神・淡路大震災においても、地震後に継続的な出火が見られたのは通電火災だったと推定されています。その一方で、昨年12月8日に内閣府が発表した防災に関する世論調査では、揺れを感知すると自動的に電気をとめる感震ブレーカー設置率が6.6%にとどまっていると報道されておりました。
そこで、県として、感震ブレーカーの普及に取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。

(防災危機管理部長)(略)地震発生時に自動的に電流を遮断する装置、いわゆる感震ブレーカーの設置は、災害発生時に火災から生命及び身体を守るため効果が高いものと考えております。(略)住宅への感震ブレーカーの設置には県民一人一人の理解が不可欠であるので、消費者団体、電力会社、県などで構成いたします千葉県住宅防火対策推進協議会と連携して普及促進に積極的に取り組んでまいります。

(藤井弘之)もともと電気器具とか電気配線、配電設備等が原因の出火は3割ありまして、実は残念ながら原因がわからないという出火がかなりあります。それは大体4割あるんですが、そのうちの大半が実は通電火災ではないかというのが専門家の一致した見方です。そこで、車両もありますし、感震ブレーカーもありますし、この電気の問題をぜひ課題として大きく捉えていただきたいと思います。火災が発生いたしますと、仮に津波で大丈夫な避難場所であったとしても、今度は例えば気仙沼のように山火事ということになって、一転してそこが危険な場所になるということもありますので、この点、常に最新の情報を入れていただいて対応をお願いしたいと思います。