民主党が消費税の増税を言い始めた。
新聞やテレビの論調においても消費税増税やむなしという声が強まっているように見える。
しかし、この問題はそれこそ徹底した議論が大前提であることは言うまでもない。
単純に言って消費税論議は2段階に分かれる。
第一段階は、「増税するか、しないか」である。
第二段階は、仮に「増税する」とした場合に、その税率をどうするかという問題である。
第一の段階で、「増税やむなし」と思っている人たちもそれぞれの考えている税率はばらばらのはずだ。
すなわち、「10%以下ならやむなし」と考えている人は「20%なら反対」という人というわけである。
第一段階はクリアできても、この第二段階の意見の収斂は極めて難しい。
現在の税制によって40兆円ほどの税収がある。
消費税が何%あがれば何兆円の税収があがるかは景気に左右されるとはいえ単純な計算である。
そして、プライマリーバランス黒字を念頭に置けばどれだけの税収が必要かという計算も簡単にできてしまう。
それを消費税率に置き換えれば、わが国社会の現実が明瞭になる。
これは途方も無くきつい現実だ。
この現実を回避するためには、いよいよ制度改革ということになるがこれも政治的に非常に難しい。
ユーロ圏では出来たではないかという意見もあるだろう。たとえばイタリアに出来たのだから日本にだって出来るという意見である。
しかし、それは『(他のEU諸国の)外圧があったからできた』のであり、むしろ自らは実現できなかった証左でもある。
民主党閣僚の増税発言が本当にそこまで考えてのものとはとても思えない。
単に財務省に吹き込まれたことを右から左にしゃべっているとしか思えないのである。
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