民主党政権になったものの「政治とカネ」の問題は相変わらずである。
国民の税金をどう使うかを決める政治家(それも総理大臣)が税を納めていなかったというのではあきれてしまう。
昨年夏に民主党に票を投じた大半の人は「こんなはずではなかった」と思っていることだろう。
自民・公明の連立政権は昨年8月30日に残念ながら終止符を打ったが、もちろん私はこの連立の10年間がムダだったとは思っていない。
1999年10月に自公の連立政権が誕生したが、「いの一番」に公明党が自民党を押し切ったのが「政治資金規正法」の改正 だった。
1995年改正で個人(政治資金管理団体)への企業・団体献金は禁止するという条文が盛り込まれていたのだが、それは実は『5年後に禁止する』というものだったのだ。
したがって、自民党としては2000年以前に反古にしてしまえという動きがあり、10月末に企業団体献金の継続という方針を決めたのだった。
この企業団体献金をめぐって様々なやりとりがあったが、公明党が押し切って2000年1月1日から企業・団体献金は禁止となった。
これは連立政権の大きな成果であった。
政治資金規正法の歴史は政治家が問題を起こすたびに改正が行われてきた。
ちなみに2000年以降だけでも
2001年1回、2002年2回、2003年1回、2004年2回、2005年5回、2006年3回、2007年3回となっている。
全てがすべて事件があったからの改正ではないだろうが、これだけ改正してもまだ明白な抜け穴がある。
最近では、民主党の小沢一郎幹事長が後援会で大量の都心部の土地を購入していたという問題があった。
本来、政治資金は政治活動のために使うべきであり、土地購入すべきものではない。したがってこれは先ごろの改正で禁じられた。
また、「秘書がやったこと。私は知らない。」という相変わらずの監督責任放棄発言が繰り返された。
今国会では、この監督責任部分の改正を何としても実現して欲しいものである。
「政治とカネ」の問題を解決するには各政党が本気にならなければならない。
本音の部分で解決したくないと思っている以上、法律をいくら改正しても抜け穴はふさげない。
民主、自民の2大政党には、政治資金規正法を真に実効あるものにする改正競争こそして欲しいのである。
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