月別アーカイブ: 2月 2010

清潔な政治の実現競争を(第349回)

民主党政権になったものの「政治とカネ」の問題は相変わらずである。
国民の税金をどう使うかを決める政治家(それも総理大臣)が税を納めていなかったというのではあきれてしまう。
昨年夏に民主党に票を投じた大半の人は「こんなはずではなかった」と思っていることだろう。
自民・公明の連立政権は昨年8月30日に残念ながら終止符を打ったが、もちろん私はこの連立の10年間がムダだったとは思っていない。
1999年10月に自公の連立政権が誕生したが、「いの一番」に公明党が自民党を押し切ったのが「政治資金規正法」の改正 だった。
1995年改正で個人(政治資金管理団体)への企業・団体献金は禁止するという条文が盛り込まれていたのだが、それは実は『5年後に禁止する』というものだったのだ。
したがって、自民党としては2000年以前に反古にしてしまえという動きがあり、10月末に企業団体献金の継続という方針を決めたのだった。
この企業団体献金をめぐって様々なやりとりがあったが、公明党が押し切って2000年1月1日から企業・団体献金は禁止となった。
これは連立政権の大きな成果であった。
政治資金規正法の歴史は政治家が問題を起こすたびに改正が行われてきた。
ちなみに2000年以降だけでも
2001年1回、2002年2回、2003年1回、2004年2回、2005年5回、2006年3回、2007年3回となっている。
全てがすべて事件があったからの改正ではないだろうが、これだけ改正してもまだ明白な抜け穴がある。
最近では、民主党の小沢一郎幹事長が後援会で大量の都心部の土地を購入していたという問題があった。
本来、政治資金は政治活動のために使うべきであり、土地購入すべきものではない。したがってこれは先ごろの改正で禁じられた。
また、「秘書がやったこと。私は知らない。」という相変わらずの監督責任放棄発言が繰り返された。
今国会では、この監督責任部分の改正を何としても実現して欲しいものである。
「政治とカネ」の問題を解決するには各政党が本気にならなければならない。
本音の部分で解決したくないと思っている以上、法律をいくら改正しても抜け穴はふさげない。
民主、自民の2大政党には、政治資金規正法を真に実効あるものにする改正競争こそして欲しいのである。

市町村負担金の解消へ(第348回)

地方財政法第27条は都道府県の行う建設事業に対する市町村の負担についての規定である。
第27条第1項には『都道府県の行う土木その他の建設事業(高等学校の施設の建設事業を除く。)でその区域内の市町村を利するものについては、都道府県は、当該建設事業による受益限度において、当該市町村に対し、当該建設事業に要する経費の一部を負担させることができる。』とある。
これは受益者負担という考え方が基本となっているのだろうが、ちょっとおかしい。
つまり、ある市町村内にある県道は、はたしてそこに住む市町村民だけが利用するのだろうかという素朴な疑問である。
これが生活道路ならともかく、県道という幹線道路であれば、他の市町村民や他の都道府県民も、場合によってはそれこそ国籍を問わず不特定多数の人が利するものといえる。
したがって、関東各県においても市町村負担金を求めない都県の方が多数派となっていた。
私も市議時代から何としてもこの廃止を勝ち取らねばならないと常に考えていた。
そこで、知事が代わった最初の予算委員会(平成21年6月26日)に満を持してこの問題を取り上げた。
私の「千葉県単独事業における市町村負担金を廃止すべき」という主張に、最終的には知事も理解を示し「見直しをする」と約束してくれた。
このほど道路事業については22年度から、公園事業については23年度以降に廃止となる。
この古くからずっと引き続いていた問題に一応の終止符がようやく打てたのである。

日本一の決算カード(第347回)

このほど千葉県各市町村の決算カード(正式名称は「平成20年度 決算状況」)が千葉県のホームページにて公表された。
間違いなく現時点での日本一の決算カードだと思う。
たとえば「第3セクター等に対する債務保証又は損失補償の状況」 を記載している決算カードはあるだろうか?
「平成20年度大規模事業」 を掲載しているカードは、東京都は掲載しているがほとんどの自治体は記載していないだろう。
これは、私が昨年の12月定例会の一般質問で決算カードの充実を訴えたことに応えてくれたものだが、現時点では大いなる前進だと思う。
これを期に、全国の自治体が決算カードの充実を図って欲しいと思う。
同一レベルであればこそ比較が可能となる。
千葉県内のみの比較から全国的な比較へ拡大できれば住民自治は飛躍的に前進すると確信するものである。
千葉県各市の決算カードは下記。
平成20年度市町村普通会計 決算カード

ローカル紙も勉強になる第346回)

ときどき無作為にローカル紙を読むようにしている。
これが馬鹿に出来ないくらい勉強になるのだ。
たとえば、今日(何と今日は22年2月2日だ!)の中國新聞。
7面(中国経済)に『広島駅 アッセ運営会社合併へ』という記事があった。
「JR広島駅の新幹線名店街などを運営する中国SC開発は4月1日、同駅ビルの専門店街「広島アッセ」を運営する広島ステーションビルを吸収合併する。消費低迷の中で運営を効率化する一方、営業部門の人員を増やし、テナント誘致や販売促進を強化する。」
これまでの常識として、新幹線の停車駅は勝ち組、そうでないところは負け組 というセオリーがあった。
ところがこの記事は、いよいよそのセオリーが崩れてきたというのである。
ここで問題は、ではなぜセオリーが崩れてきたのか?である。
こうしたことを考えることが勉強になるのである。
たとえば、この記事には「JR西日本によると、両者が運営する駅ビルの商業施設は、景気低迷や新幹線の乗客減の影響で土産物や飲食などの売り上げが減少傾向にある。」という分析も書かれている。
調べていないから明確にはいえないが修学旅行が減っているのかもしれない。少子化や海外化の影響もあるかもしれない。
マツダ自動車の影響もあるかもしれない。
もしかしたら広島カープの影響かもしれない。
色々考えられるが、私はズバリ!隣接する府中町に出店したイオングループの影響だと思う。
もう何年も前のことだが、青森県下田町の巨大ショッピングセンターを訪ねたことがある。
全国各地に同様なショッピング施設が誕生し始めた頃のことだ。
郊外に巨大なショッピングセンターが誕生し、いよいよ駅前商店街がシャッター通りになる。
わが国の小売業界は全国規模でこの道を突き進んできた。
広島アッセにも府中町にも行ったことのない者の勝手な想像であるが、私はまったく同じ現象だと思う。
私の住む松戸にしてもそうだ。お隣の三郷市に二つも巨大ショッピングセンターが誕生した。
どちらもものすごい賑わいだという。
この瞬間にも、日本列島のどこかの郊外を虎視眈々と狙う人物がいるのであろう。
そして結局、勝ち組は巨大資本であり、巨大資本に国籍はなく、悲しいかな地場産業は衰退していくのである。