月別アーカイブ: 12月 2013

読書は電車の中で - 今年の3冊

私は、昔から本を読むのは電車の中というのが習い性になってしまっています。逆に机に向かって読むということができないのです。
今年読んだ本は108冊なので、結構電車の中で過ごしたのだなと思います。
さて、今年読んだ本で面白かったのは、内村鑑三の「後世への最大遺物・デンマルク国の話」(岩波新書)です。あの時代の雰囲気が読み取れる興味深い本であると同時に現代のわれわれの心に響く本だと思いました。
2冊目は「東大のディープな日本史」(中経出版)です。学生時代に歴史を勉強しなかった私には特に面白い本でした。また、なるほど東京大学は知識偏重ではなくいわゆる頭脳明晰な子を選ぼうとしているなと感心しました。
お奨めしたい3冊目は「将棋の子」大崎善生(講談社文庫)です。もうずいぶん古い本です。私自身もブックオフで105円で手に入れました。
全国各地から天才と称賛された少年たちが日本将棋連盟奨励会に集い、そこで過酷な闘争を繰り広げるノンフィクションです。
勝ち残った少数の彼らにとって、また敗れ去った大多数の彼らにとって、必然的に勝者と敗者を生む『将棋』とは何だったのか、深く考えさせられる本でした。

液状化調査始まる

本日12月24日から千葉県環境研究センター地質環境研究室による液状化・流動化被害調査が始まりました。
県立千葉西高校の敷地内で矢板状のものを打ち込み、地層をそのまま抜き取る調査です。
写真は、矢板抜き取り方式のものではありませんが、液状化により亀裂が走った部分を掘り抜いたところです。
地盤被害の解明が進むことを期待しています。

『公表』するだけですから

内閣府がまた新しい地震、津波の被害想定を出します。
『首都直下地震の地震モデル、震度分布等及び首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告』です。
報告を見ると、千葉県に関わる新しい項目として、延宝房総沖地震レベルでは銚子に最大18メートルの津波の可能性があるとされています。
これまでの県想定では、最大8.4メートルとしていただけに、この差はかなりの課題となります。
首都直下に限らず南海トラフ型でも、国は「何人亡くなります。幾らの経済被害です」という想定を公表するだけで、「だからこうします」がありません。災害対策は、地方自治体の責任でという意識があるのでしょう。
東日本大震災では、被災市町村は「県は何もしてくれなかった。頑張ってくれたのは国の出先機関だ」という批判をしました。
この批判は的外れとは言いませんが、そもそも出先機関を持っているのは国であって県ではないことは再確認したいものです。
県が国レベルの人員と予算の出先機関を持っていて、なおかつ何もしなかったのなら、この市町村の批判はその通りなのでしょうが、現時点では出先機関は国から移譲されていません。
災害対策は、国も県も市町村もそれぞれの立場でどれだけ連携が取れるか、そして住民の意識と行動にすべてがかかっているのです。

いつの間にか「ポイント社会」

ポイントは苦手です。
どなたかに勧められて、Suicaのポイント会員になりました。
でもダメなのです。ポイントを集めるためにどうするかという発想が出来ないのです。
今は、買い物をするとポイントカードはお持ちですかと聞かれます。ポイントカードは賢く生きるための必須アイテムのようです。
とうとう林野庁までもが『木材利用ポイント』制度というものを始めました。
国産材を使って家などを建てるとポイントが貯まって農産物や金券がもらえるのだそうです。
しかし、補助金と違ってポイント制度にはポイントを管理するシステムや交換に携わる人などが必要ですから、コスト面が心配です。
それに、普通は、ポイントがもらえるからもう一軒家を建てようとは思わないでしょうから需要拡大に結び付くかどうか。
私たちの貴重な税金です。「失敗しました。ごめんなさい」では許されません。

九都県市の曖昧さ


11月29日に九都県市首脳会議が開催され、総理あてに『地方分権改革の実現に向けた要求』が出されました。
九都県市とは、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県と横浜、川崎、千葉、さいたま、相模原の4市のことですが、私には今ひとつその性格が分かりません。
政令市は都市でしょうが、都県は都市部だけではなく地方部も包含した団体です。おのずと性格は異なります。
今回の総理への『要求』にもその矛盾点が出ています。
『地方法人特別税及び特別譲与税の確実な撤廃等』という要求がありますが、その中で『都市部の財源を奪い、その税収を地方間で水平調整』するのはおかしいとしています。
また『財源に応じた権限移譲』という言葉が出てきますが、これは権限よりも財源が多い場合の表現であり、こういうことを言えるのは東京都だけです。ほかの団体はすべて権限に見合った財源を渇望しています。
九都県市という(関西広域連合と異なり)議会もない何となく都市部風な仲間うちの集まりで、総理にこのような要求を出すことは、私は疑問に思います。
千葉県は都市部のみではなく地方部をも代表する団体です。むしろ、都市のことは都市に任せ、地方部の応援団であるべきが県なのではないでしょうか。