月別アーカイブ: 5月 2016

心配なバックビルディング形成

数日後には九州熊本を中心に襲った地震被災地も梅雨入りとなります。
やはり思い出されるのは平成24年7月の九州北部豪雨です。
あの時の土砂崩れの写真も阿蘇市をはじめひどいものでした。
この集中豪雨で見られたのが「バックビルディング形成」と呼ばれる気象現象でした。
発達した雨雲が阿蘇のカルデラ壁に当たり積乱雲が繰り返し発生しました。これにより見かけ上は同じ場所に積乱雲が停滞した形になり集中豪雨となりました。
この時の阿蘇乙姫では1時間当たり108mmという猛烈な降雨となりました。
2003年の福井豪雨の際もバックビルディングにより時間当たり96mの雨となり足羽川堤防が決壊しました。単純なブルーシートの覆いではどうにもなりません。
何としても被災地の支援を加速化させ、降雨に対する対策を強化させねばなりません。

気象庁情報の活用を!

20160529気象庁土砂情報5月28日の日本農業新聞に『地理情報を加え土砂災害危険箇所一目で』という気象白書の紹介記事がありました。
記事には『崖崩れの危険性を伝える地図「土砂災害警戒判定メッシュ情報」に今月から、一目で場所が判断できるように道路や鉄道、河川などの地理情報を加えたことを特集している』とされています。
残念ながら、まだネットには「気象白書2016」はアップされていませんが、メッシュ情報そのものは気象庁HPで見ることができます。
「注意」から「極めて危険」まで、黄色から紫へ色分けされています。
ちなみに20時現在では、秋田県に1か所、熊本県に3か所、「注意」の地域がありました。
「注意」の黄色と道路の黄色が見分けづらい欠点はありますが、このシステムは活用しない手はありません。少しでも多くの人に知ってもらいたい情報です。

6月定例会の議案第1号

20160524県報5月20日付の千葉県報が届き、千葉県知事より「平成二十八年六月定例県議会を平成二十八年五月二十七日午前十時県議会議事堂に招集する。」という通知がありました。
予算執行に必要な議決を得るために知事が招集するので、差出人は秘書課ではなく財政課です。
さて、審議予定の議案第一号は県税条例改正案です。
法人県民税の税率を3.2%から1%に引き下げるなど、県から見れば税収減になる議案です。
その代わりに、来年4月に2%アップされる消費税から補てんすることになっています。
消費税2%を4月に上げるがどうかは、経済状態などにより判断されることになっていますが、仮に延期となると県は歳入減となります。
消費税は社会保障の安定財源として期待されているだけではなく、実は地方財政にも連動しています。

千葉県発表の地震被害想定

20160520被害想定今朝の各紙は一斉に県の地震被害想定を報じました。
県北西部を震源とするM7.3の地震が深さ50キロの地点で起こった場合に2100人の死者、全壊・焼失建物8万1200棟という想定でした。
建物に限って言えば、松戸市は4100棟のうち、揺れ1400棟・焼失2600棟で98%を占めますので施策の方向は明確に耐震と防火対策です。
つまり防火については、電気に対する感震ブレーカーの普及とガスに対するボンベ対策です。
しかし、感震ブレーカーの普及はなかなか進みません。またガスについても今回の熊本で「プロパンガスからシューという音が聞こえた」という被災者の方の証言が気になりました。
ブレーカー普及であれボンベ対策であれ、私は助成措置を設けるなど政策的な誘導が必要不可欠だと思います。

危ない橋、危ないトンネル

20160515平賀橋九州熊本地震でも阿蘇大橋が落橋しましたが、地震とは関係なく修繕が必要とされている橋梁やトンネルが全国には約3500あります。
これら橋梁やトンネルの多さの都道府県別ランキングを作ってみました。
すると、すぐに目につく特徴は余りに数に差がありすぎることです。
トンネルでは最も多い県が56本に対して、全くない都道府県が25。橋梁にいたっては茨城県が0なのに対して最も多い県が419です。
わが千葉県は、これまで危ない橋などのインフラ修繕に力を入れてきました。
その結果、茨城県、沖縄県に次いで第3位の少なさです。
人の移動が当たり前の時代、どこで災害が起こるかわからない時代です。全国あげての対策こそ急務です。