月別アーカイブ: 4月 2012

そのメカニズムが分からない

国土交通省は、高速道路会社6社のうち4社の社長を交代させるのだと言います。
いま、4月27日付の朝日新聞朝刊の『高速4社、社長交代へ』と言う記事をみながらこのブログを書いています。
高速道路会社の国土交通省からの天下り社長が、すべて民間企業出身者に交代したのはわずか2年前の2010年のことです。
民間企業出身の社長も双日ホールディングスや昭和電工といったそうそうたる企業や銀行の方々でした。
ところが、このわずか2年足らずの間に、役員数は倍増し23人に、またその役員報酬も倍増していました。
たとえば東日本高速道路は、民営化の際には「取締役は5人まで」としていたにも関わらず、10人になっていました。
わざわざトップを国土交通省出身者から民間企業出身者に代えて、役員数の取り決めまでして、何故こういうことになるのか、そのメカニズムが分からないのです。
それも1社、2社ではありません。6社のうち4社ですから、よほど抗いがたい理由や抵抗があったのだと思われます。
交代させられる社長たちには、この際、会社内で何が起こっていたのか、どういう議論があって役員数、役員報酬が倍増したのか、その内容を国民の前に明らかにしてほしいのです。
『天下り根絶』をマニフェストに掲げていた民主党が、その国民との約束をいとも簡単に裏切ったことは許しがたい事実です。したがって、天下り問題を民主党に任せるわけにはいきません。
本当の天下り根絶はやはり国民世論の後押しがどうしても必要なのだと思います。
そのために、交代させられる各社長には本当のことを公表してほしい。本音を国民の前に語っていただきたいのです。

AED(自動対外式除細動器)の設置場所検索

一昨年(2010年)の9月6日、県議会代表質問でAED(自動対外式除細動器)の問題を取り上げました。
AEDの重要性が認識され、様々なところに設置されるようになりましたが、千葉市内のある団地の自治会長さんからこう言われました。
「うちは非常に大きな団地なので、自治会として団地内にAEDを3か所設置しました。ところが、設置したものの設置場所をどう住民に知らせるかが意外と難しいんです」
私もなるほどと思いました。そこで、そういう背景を踏まえて質問したのです。

『県内には巨大な団地やマンションが多数ありますが、それらの敷地内のAED設置場所の周知が不十分なら、使用方法を知っている人がいたとしても宝の持ち腐れであります。
 そこで、他県ではどうしているのか調べてみますと、例えば愛知県では2007年4月から携帯電話のGPS機能を利用して、直ちに最寄りのAED設置場所がわかる検索システムを導入しておりました。具体的には、専用のホームページがあり、そのトップ画面で近くのAEDを探すを選択すれば、付近のAED設置場所が表示されるシステムです。これは2005年の愛知万博の際、会場内のAEDにより3人の方の命を救うことができたことから導入したものと伺っております。
 そこでお伺いいたします。
 第1に、AEDの使用法を含め心肺蘇生法の講習等の普及促進にどう取り組んでいるのか。
 第2に、AEDの設置場所の周知徹底に検索システムの導入をしてはどうか。』

それから1年半を経て、この提案のシステムが、本年4月23日から運用になると千葉県健康福祉部医療整備課から連絡がありました。
これでパソコンや携帯電話からAED設置場所の地図、住所、電話番号などが閲覧できることになります。
また一つ、安全・安心の千葉が実現できたことに喜びを感じています。ご尽力された関係者の方々に心から敬意を表します。

放射性物質除染プラン

本日『千葉県放射性物質除染プラン』が発表されました。
『ホットスポット』という思いもよらない問題が発生し、これまで知事に申し入れを行い、また県が調査できない県立都市公園や河川流域、中小の公園などの放射線測定を続けてきました。
終末処理場や浄水場の調査では、その一部が千葉テレビに放映されたりもしました。
さて、このプランによると、まず目標が『空間放射線量が毎時0.23マイクロシーベルト未満』を目指すとなっています。
私たちのこれまでの調査経験からみると、この除染は相当難しいように思います。
その理由は、第一に、0.23を超えるところが相当広範囲であること。
第二に、そこまで落とすとなると撤去する土が相当多くなるだろうということです。
もちろん、目指す目標に異論はありませんので目標の数値をあげるようなことはあってはなりません。
上記の二つをクリアするためには、天地返しの手法を使うか一時保管場所の確保が必要です。天地返しでよいのか私は研究が必要と思いますし、一時保管場所の確保はやはり困難でしょう。
また、民主党政権がどう考えているのか今ひとつわかりませんが、それ相当の費用負担は考えてもらわねばなりません。
地元市長の言うように、まじめに考えているのか疑問符がつけられるような国の予算では困るのです。
今回の県のプランでは、優先度の高い施設46のうち、松戸市内のものは、松戸・つくしの2特別養護学校、松戸・小金・松戸南・松戸馬橋・松戸六実・松戸向陽・松戸国際の7高等学校、胡録台・六高台・金ヶ作の3県営住宅、西部防災センター、西部図書館の合計14施設となっています。
これらの除染期間は平成25年度末までの予定です。これを一日でも早期に終えるようしっかりと働きかけてまいります。

東京湾の水門問題

3・11の反省の一つは、東京湾内の水門閉鎖が遅れた問題でした。24時間、水門に人が配置されていればいいのですが、そうでない水門がほとんどなのです。
3・11の地震では、発生から電話がつながらず水門を閉めるべき人に連絡が取れない、連絡が取れたケースでも交通渋滞などで水門までたどり着けませんでした。
そこで、遠隔操作によって閉めればよいということになります。ところが、言うは易くこれがなかなか難しいのです。
まず、どういう状態のときに閉めればよいのかという問題があります。
人を介さずに水門閉鎖が行われるためには緊急地震速報やJアラートに連動させる考えもあります。しかし、その信頼性は大丈夫でしょうか?
担当者がテレビやラジオで情報を得て閉鎖するという方法もあります。どういう状況の時に閉めるか意外と難しいことが分かります。
高潮でしたら天気予報などであらかじめ予想がつくのですが、地震はそういうわけにはいきません。
次に、どういうメカニズムで閉めるのかと言うのがまた難しい。
東京湾内には29の水門があり、そのうち人の手によって対応できるのが12だと言います。しかし、24時間体制なのは2つの水門だけですから本当はきちんと遠隔操作ができるのならすべてやってしまうべきなのです。
しかし、一つ一つ異なる水門に一つ一つ異なるモーターを設置して・・・と考えただけで頭が痛くなる事業です。
モーターが付いたら終わりではなく、メンテナンスなど維持管理も非常に難しい問題です。普段ほとんど使わない機械を常に万全に作動するように維持管理をするというのは至難です。
さらに、停電になったから閉まりませんでは地震の時に役に立ちません。どういう方法で閉めればよいのでしょうか?
私は、もし遠隔操作以外できちんと閉める方法があるのなら、そちらを選択する方が良い気がします。
3・11は私たちにこれまでなかった困難さを次から次へと突き付けています。そしてそれを乗り越えないと私たちの安全安心はないのです。

わが国の自然エネルギー

私が参議院で秘書として働いていたのは2度の石油ショックを経験した後のころのことでした。
そのころ通産省、資源エネルギー庁は、『サンシャイン計画』などを打ち出して自然エネルギー開発に取り組んでいました。
私たち秘書も科学技術振興対策特別委員会やエネルギー対策特別委員会などで、太陽熱、太陽光、そしてバイオマスなどの新しいエネルギーについて国会質問をつくっていました。
あれから30年以上たって、わが国の自然エネルギーのシェアは全消費量のわずか0.3%だそうです。これまで開発につぎ込んできた予算の膨大さから考えれば、あまりの乏しさに驚くばかりです。
それでもおそらく世界有数の自然エネルギー発電能力は持っているはずです。太陽光では世界第3位なのですから。なおさらのこと、今後の新エネルギー開発の物理的、経済的困難さを思わずにはいられません。
新しいエネルギーの開発には膨大なお金がかかります。そのうえで、さらに原子力発電を止めて既存の火力などの発電所を使うとなればその分の費用がかさむことになります。
政府は、その時のコストはこのくらいだと示す責務があります。それは純粋な金額的な問題もあるでしょうし、停電と言う金額換算の難しいコストもあるでしょう。すべてについて正確に情報を出すべきだと思います。
しかしながら私は、そうした現実のコストと停電と言う外部不経済の問題もさることながら、むしろ新エネルギー開発の困難さの方が遥かにハードルが高い気がしてなりません。心底、私の杞憂であればいいと思いますが。