月別アーカイブ: 8月 2013

国土地理院との協定締結

本日、8月30日、千葉県と国土地理院との間で『地理空間情報の活用促進のための協力に関する協定』を締結しました。
これは、昨年11月28日の12月議会において私が提案したものでした。
次のような質問です。
『東日本大震災においては、石巻市牡鹿基準点で東南東方向に5.3メートル、上下方向では1.2メートルの沈下が観測されました。しかも、地震発生後も東北地方から関東地方にかけて今なお東向きの地殻変動が継続しており、基準点のある本県銚子市でも17センチメートルの移動が確認されています。(略)まさに地殻の変動、地形の変化、変位を伴う巨大災害を想定して災害対策を講じなければならなくなりました。そうであれば、我が国では最も地形・地理情報を所有している国土地理院との情報連携を欠かすことはできません。(略)
 そこで、国土地理院との協定を千葉県としてぜひ進めていただきたいと思いますが、県の御見解をお伺いいたします。』
この質問から9か月。担当者が大変なご苦労をされたことと思います。心から敬意を表します。
今後もさまざまな観点から県民の命と財産を守る政策の推進に頑張ってまいります。

どう自然に立ち向かうか

8月22日の朝日新聞に『八重山・宮古諸島周辺 津波8回』という記事がありました。
東京大、東北大の調査で、『高さ1メートルを超える津波が過去2400年間で少なくとも8回あったことが分かった』というのです。
この調査では、『1万2千人が犠牲となった明和八重山地震津波(1771年)で直径約9メートルの津波石が打ち上げられたことも確認された』と言います。つまり、150年から400年周期で津波が発生していることになります。
計算上は、1921年から2171年の間には次の津波が来ることになり、その大きさは1メートルかも知れませんが、対処する私たちとしては、当然ながら大津波を想定しておかねばなりません。
もちろんいつ来るのかは誰にもわかりません。目安として2046年が津波発生周期のちょうど半分の期間です。そして、それまでにあと30数年しかありません。
八重山諸島と言えば、尖閣諸島から150キロほどでしょうか。仮に琉球海溝が震源地だったとしても海上を走る津波のエネルギーは衰えるものではありません。尖閣にも台湾にも被害が及ぶことが予想されます。
国と国との争いなどとは全く関わりなく、地球は胎動し続けています。

いきなり『廃止』の前に

今朝の朝日新聞は『教委廃止、首長6割反対』という東大教育学部・村上祐介准教授の調査を報じました。
全国の市区町村長の6割が、「教育委員会廃止に反対」、3割が「制度を変更する必要がない」という結果とのことです。
今さら言うまでもないことですが、教育委員会の在り方を議論するには、まず、その教育委員会が機能していたのかどうかが問われます。
いずれの教委も程度の差こそあれ、教育委員長は半ば名誉職的ポストになっており、教育長が実権を握っている傾向があるだろうと想像します。常勤、非常勤の差や報酬の違いからもそうなるのが当たり前の組織体制です。
そのうえで、要は正確で詳細な情報がすべての教育委員にもたらされているか、その情報に基づいてきちんと民主的な議論がなされているかです。
ちきんと議論されているにもかかわらず、機能不全を起こしているなら『廃止』もあるでしょうが、そうでないなら機能するような『改善』が必要です。少なくとも『廃止』すれば解決という話ではありませんし、『改善』についても単純に首長権限を強化すればむしろ弊害もありうる改悪になりかねません。
教育は国家百年の計と言われます。教委の在り方は、もっともっと国民に注目されてよいテーマだと思います。

中期財政計画をめぐる複雑な思い

いま、県は『新千葉県総合計画』を策定中です。そこで、それを読むことを夏期の『宿題』の一つとしました。
総合計画の第2章第1節では、現在の千葉県の置かれた「時代背景と課題」が8分野から取り上げられています。そして、その一つに「地方自治」があり、厳しい財政状況が語られています。
さて、その一方で国は、8月8日に『中期財政計画』を閣議了解しました。それによれば、同計画こそ地方財政計画を具体化するものであり、平成26年度予算は同計画と整合させるのだそうです。
同計画は、国と地方のプライマリーバランスを平成27年度までに半減化するということですので、地方交付税が相当絞り込まれる懸念があります。地方にとっては、地方交付税は歳入の約2割を占めますので、これを勝手に削られてはたまりません。しかも、自主財源ではありませんので、地方の努力でどうなるものでもありません。
こんな重大な政府発表があると、いったい私が今読んでいる千葉県新総合計画はどうなってしまうのか不安になります。ひと夏かかって読み終えたら、「ハイ改訂です」ならまだしも「策定中止です」にならないのでしょうか。
読む気力が非常にそがれたことは確かですが、一度決めたことですから読みとおしたいとは思います。

誤解を与える『公会計改革』の主張

8月17日の公明新聞の主張『公会計制度改革』は、読者に誤解を与える内容でした。
公会計制度が必要なのに全国の自治体に広がらない理由を二つあげています。『公会計制度の重要性に対する認識不足』と『従来方式から新方式への切り替えの手間』です。
これでは「悪いのは全国の首長」ということになってしまいます。
全国の首長は、大人げない批判はしないでしょうが、残念ながら公明新聞の見識は疑問視されたことでしょう。
公会計制度改革が、首長から支持されない理由は地方自治法第233条を見れば一目瞭然です。
法律によって自治体の会計調整方法が決められているのです。しかもご丁寧に、地方自治法施行令166条には『決算の調製の様式及び前項に規定する書類の様式は、総務省令で定める様式を基準としなければならない。』と書類まで雁字搦めなのです。
ほとんどの自治体が地方交付税交付団体であり、住民サービス充実に1円でも惜しいと思っているときに、わざわざ住民の税金を使って法律以外の会計書類を作成するでしょうか。地方自治法が改正されないなかで、従来の調製に加えて新しい調整もやるべしと言うのは、住民サービスを削れということに他なりません。
公会計改革は、あくまで国の責任なのです。地方議会でも住民サービスを犠牲にすることを十分認識したうえで「公会計制度を改革すべし」という主張をすべきでしょう。