日別アーカイブ: 2011年12月19日

『ステップ2』という言い方

ある会場でお話をさせていただいたとき、最後に「何かございましたら、ご遠慮なくおっしゃってください」と言いました。
すると小学3年生のかわいらしいお嬢さんから「『ステップ2』って言いますけど、ステップは幾つまであるのですか?」と訊かれました。
ここでいう『ステップ2』というのは、東京電力福島第一原発の終息への工程表で「ステップ2」を完了したという民主党政府の宣言のことです。
この政府のステップ2終了宣言について、12月16日に国際原子力機関の天野之弥事務局長が「東京電力と日本政府は大いなる進展を果たした」と歓迎する声明を出しました。なにか『出来レース』のように思えてなりませんが・・・。
すると18日に、今度は福島県知事が「収束という言葉を発すること自体、実態を知っているのかという思いだ」と不快感を示したと報じられました。
さらに、この「ステップ2」イコール「収束宣言」については、世界からはそんな簡単に収束するはずがないではないという冷ややかな評価をされています。
そういう世間の流れの中にあって、小学校3年生から「ステップは幾つまであるのか?」と尋ねられたのです。
正直なところ、私は答えられませんでしたので、のちほど工程表を届ける約束をして、そのうえでステップ2以降に何ステップあったとしても収束までには何十年もかかるという話をしたのでした。
さて、調べてみますとステップは2までで、その後は中長期的対応とあるだけなのです。
つまり、ステップ1が3か月程度でできるもので、ステップ2が6か月くらいできるもので、そのほかの実現出来そうもない事柄はすべて十把一絡げに『中長期的対応』としているだけなのです。
それでもって「ステップ2を終了しました」と高らかに宣言する、その神経はまったく理解できません。
受験のテスト用紙を前にして、「名前が書けました」と喜んでいるようです。
「ステップは2までしかないんだね」という回答を、私は実に情けない気持ちで小学生に届けるのでした。