日別アーカイブ: 2011年12月2日

少しわかった原子炉内部

11月29日の朝刊各紙が一斉に報じた福島第一原発の炉心状況はここ数か月で一番知りたい情報の一つでした。
新聞では当然のように大変な事態という報じられ方ですが、正直なところ私はもう少し悪い状態を想像していました。
まず圧力容器に穴があいている、もっと率直言えば圧力容器の底は突き抜けているという点は誰しも認識していたと思います。
そして、私はその先の格納容器まで穴が開いていて、その先のコンクリートのところに燃料が溜まったていると想像していました。
ところが今回の新聞に掲載されているイメージ図を見ると、格納容器の底に1.2メートルほどのコンクリートがあり、コンクリートを65センチメートル浸食した位置にメルトダウンした燃料が溜まっているというのです。
もちろん、これも間違いなく大変な事態であることは言うまでもありませんが。
さて記事によれば、さらに1号機については、68トンの燃料のほとんど全量が格納容器の底に落下している可能性もあるいいます。
これが事実だとすると、1号機の燃料はほとんど水中にあることになり、今度はこれまで公表されていた水位計のデータはいったいなんだったのか?という新たな疑問が生じます。
これまで私は燃料棒の露出度をモニターしていましたが、そのデータの信用度は大きく揺らぎました。
今回の解析では、2号機、3号機はそれぞれ最大で57%、63%の燃料が落下した可能性があるとされました。これなども、燃料棒露出度で、2号機、3号機が1号機よりも常に高い数値がでていたのが落下量の少なさだとしたら何とも皮肉なものです。
いずれにしても、相当数の燃料が格納容器の底へ落下したことが事実であると確認されましたので、その回収方法はいよいよわからなくなりました。
今回の解析結果は、福島の事故がスリーマイルの事故とは比べものにならない最悪の「レベル7」という事故だったことをいまさらのように示しているのです。