月別アーカイブ: 2月 2012

被ばくの何が分かっているのか?

中川恵一先生の『放射線医が語る被曝と発がんの真実』(ベスト新書)を読みました。
被ばくについて、何が分かっていて何が分かっていないかがよくわかりました。
中川先生には、福島原発事故のはるか以前、今から10年近く前に私の時局講演会においでいただいたことがあります。
知人のNさんが呼んでくださったのです。正確には呼んでくださったから時局講演会を開催したという順序でした。
さて、この新書の特筆すべきところは、昨年公表されたロシア政府の報告書『チェルノブイリ事故25年 ロシアにおけるその影響と後遺症の克服についての総括及び展望1986~2011』の最終章「結論」部分が紹介されている点です。
私たちが知りたいのは、やはり広島、長崎、チェルノブイリ、スリーマイルの情報であり、何を恐れ何を恐れなくてよいのか科学者や医師が良心的に語ってくださる『真実』なのです。
私の体内にも約4000ベクレル、量にして0.012グラムの放射性カリウムがあることやマウスによる低線量被ばくの実験など初めて知りました。
そして、『100ミリシーベルト以下だと発がんリスクはきわめて低い』と言われるとやはり安心します。
100ミリシーベルトと言えば100歳まで生きるとすると年間1ミリシーベルトすなわち1000マイクロシーベルトです。
すると、毎時1000÷365÷24=0.114マイクロシーベルトとなります。
長崎大学の実験では空間線量の大体10分の1が被曝線量だといいますので、とりあえず1.1マイクロシーベルトくらいまでは大丈夫と言うことになります。
スポット的に高い線量の場所もありますが、1日を通してみれば屋内にもかなりの時間滞在します。したがって、空間線量が毎時1マイクロシーベルトのところにずっといることはまず考えられません。
本当に自信のある人だからこそ「〇〇の真実」と言うシリーズをかけるのだなと思います。情報は背景を含めないとなかなか信用できないものだとつくづく思いました。

鳩山マニフェスト

今日は、四街道市議選の告示日ですので朝7時半に自宅を出ました。
国が本当に心もとないので、その分も含めて地方が頑張らねばなりません。
民主党が、その名もズバリ、『政権交代。』と題したマニフェストをつくったのは3年前の2009年7月27日でした。それから、まだ2年半しかたっていません。そして、確かに鳩山→菅→野田と『政権?』が交代してきました。
この鳩山マニフェストは、読めば読むほど複雑な思いにかられます。
『私は、コンクリートではなく、人間を大事にする政治にしたい。(中略)その新しい優先順位に基づいて、すべての予算を組み替え、子育て・教育、年金・医療、地域主権、雇用・経済に税金を集中的に使います』とまで言い切っています。
マニフェストの1、「ムダづかい」のページでは
『今の仕組みを改め、新しい財源を生み出します。』として、説明付きで16兆8000億円を生み出しますという表まで提示していました。
しかし、実際には16兆円どころか8000億円も財源を生み出せませんでした。
マニフェストの2、「子育て・教育」のページでは
『中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。』という公約は、最初から反故にされ、扶養控除廃止など増税だけは押し付けられました。
マニフェストの3、「年金・医療」のページでは
「年金通帳」の写真まで掲載して、「納めた保険料と受け取る年金額が一目でわかります。手元に置いて、いつでも自分の年金記録をチェックできるようになります」としていましたが、結局これも全くの嘘だったことを最近になってようやく認めました。
マニフェストの4、「地域主権」のページでは
『ガソリン税などの暫定税率は廃止し、生活コストを引き下げます。地域を活性化することで、国全体が元気になります。』は、いったいいつになったら廃止してくれるのでしょうか。これではいつまでたっても地方も国も元気になりません。
マニフェストの5、「雇用・経済」のページでは
『中小企業いじめ防止法を制定します』も『時給1000円の最低保障賃金を目指します』も絵空事でした。
四街道市へ向かって車を運転しながら、市民の方々に何を話そうかと思いを巡らせます。
しかし、世情言われている高速道路や八ツ場ダム建設以外にもあまりにも突っ込みどころが多すぎて、なかなかまとまりません。
鳩山さんはこのマニフェストを全部廃棄してしまいたいと思っていることでしょう。それとも何とも思っていない?

一体改革大綱 - 出揃った各紙の論調

今朝の各紙の社説はそろって一体改革大綱がテーマとなりました。
朝日新聞は、政府・与党の大綱決定を当然のこととしています。
民主党内にある反対論について「菅総理以来、3年ごしの議論を経て」「党内の大勢はとうに決しているはず」「先の党代表選で消費税増税を明言した野田首相を選んだのは民主党自身ではないか」と朝日新聞は憤っています。
そして結論として、「最後まで増税に反対する勢力がいるのならば、たもとを分かつしかない。首相にはその覚悟を強く求める」としています。
読売新聞は、「目指す方向は妥当である」と大綱について一定の評価しながらも、「最大の問題は、民主党が2009年衆院選の政権公約に掲げた「新年金制度」の実現に取り組む、と大綱に盛り込んだことだ」と大綱の中身には批判的です。
そして、小沢元代表のグループが「消費税引き上げ関連法案の提出を阻止する構えだ」しかし「法案提出の前提条件にすべきではない」
と民主党内の反対派を批判しています。
毎日新聞は、大綱の中身に詳細触れて疑問点を掲げています。そして「民主党議員のほとんどが新年金制度の実像を初めて知ったはずである」「財源の根拠を示さない項目がどさくさ紛れに盛り込まれた」とします。
そして、結論的には「現実的な論戦を重ねて妥協点を見出してほしい」と、やはり大綱の非現実的な面を指摘しています
さて、民主党マニフェストを見ると、菅総理のきりっとした顔写真が印象的です。うまいデザインだと思います。
しかし、内容の項目を一つ一つ見ていくと、どれもこれも大盤振る舞いでできないことだらけでした。
年金の項目を見ると、最初に書かれた「納めた保険料、受け取る年金が分かる年金通帳などの仕組みを作ります」は結局できませんでした。年金通帳は、当初は「すべての加入者に交付します」としていたのを、これはあまりに眉唾だということでその部分はカットしましたが、結局、誰にも交付できませんでした。
「年金の一元化」もできず、「後期高齢者医療制度は廃止し、2013年から新しい高齢者医療制度をスタートさせます」もできませんでした。
結局のところ、「年金制度の一元化、月額7万円の最低保障年金を実現するためにも、税制の抜本改革を実施します」という項目だけが生き残っています。
この生き残った項目をよくよく見ると、決して「一元化をやります」とは書いていません。「最低保障年金を実現します」とも書いていないのです。
「実現するためにも、税制の抜本改革を実施します」と書かれているのです。
もしかしたら、このことも民主党議員のほとんどが初めて知ったのではないでしょうか?

先行者のいる分野、いない分野

今朝の新聞によると『家電、国内市場1割減』(日経新聞)なのだといいます。昨年のエコポイント制度による特需がなくなったことが原因だと分析しています。
その一方で『ハイアール 日本で攻勢』(千葉日報)なのだといいます。ハイアール集団と言えば、冷蔵庫や洗濯機といったいわゆる白物家電では世界トップの販売台数を誇る中国の家電大手です。そのハイアール集団が、パナソニック傘下の三洋電機から買収した「アクア」の製品をいよいよ投入するという記事です。
すでに衝撃的に報じられましたように、テレビの分野では日本のメーカーが膨大な損失を出しています。
パナソニックの最終損益は7800億円の赤字、ソニーは2200億円の赤字、シャープは2900億円の赤字です。
液晶パネルの製造は、「収益構造の悪化」などと言う生易しい段階ではありません。まさに緊急事態です。
しかも、その緊急事態に陥るスピードがあまりにも早い。急転直下とはこのための言葉かという感じです。
大震災、巨大津波による原発事故により、わが国の重電メーカーに大変な危機が訪れたかと思えば、今度は家電です。
先行するアメリカを追い上げ、追い抜いてきた我が国が、いま当時のアメリカの苦しみを味わっています。
すると、当時のアメリカがたどった同じ道は容易に推測がつきます。
どういう成長分野に、人とモノ、頭脳と労力をつぎ込んでいかねばならないかは明確です。
それは大変な努力を必要とする作業でしょう。しかし、それでも先行者はいたのです。
その一方で私たちは、当時のアメリカのような先人のない分野にも同時に挑まねばなりません。
超高齢社会への対応です。
全人口の中で65歳以上人口が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会だそうです。
わが国は現在すでに23.1%。2030年には28%(超超高齢社会?)だとされています。
逃げるわけにはいきません。一所懸命に進むのみです。
考えて考えて考え抜いて、努力して努力して努力しぬいて、立ち塞がる課題を一つ一つ乗り越えていくのみです。

上富士川の放射線測定

今日は、あいにくの雨天でやや風もありましたが、予定通り公明党会派の県議団で上富士川の水源から坂川の大金平大橋までの放射線測定を行いました。
測定箇所は11か所。水源地、酒井根西小、西山第四公園、根木内東小、根木内橋、霜田橋、不二公園、仲田橋、葉ノ木橋、八木乃橋、大金平大橋としました。
地表から5㎝、50㎝、100㎝の平均値がそれぞれ毎時0.419、0.304、0.269マイクロシーベルトであり、除染基準とされる0.23を上回っています。除染基準以下だった地点の方が少なく、水源地、酒井根西小の西側の小橋、霜田橋の3か所だけでした。今回はHORIBAのPA-1000に統一して3機種使用しました。
川は地形的に低いところを流れるものですからどうしても高い数値になるのでしょう。その一方で、川の土手は絶好のウォーキングコースになっていることが多いのが気になることろです。
国や県基準の0.23という値が除染対象地域となると、いったいその費用はどれほどのものになるのでしょうか?
東葛の市が10億円を考えているときに国の予算はあまりにも少ないことが指摘されています。除染基準値と予算がどう連動するものなのか明確な説明をしてほしいものです。