中川恵一先生の『放射線医が語る被曝と発がんの真実』(ベスト新書)を読みました。
被ばくについて、何が分かっていて何が分かっていないかがよくわかりました。
中川先生には、福島原発事故のはるか以前、今から10年近く前に私の時局講演会においでいただいたことがあります。
知人のNさんが呼んでくださったのです。正確には呼んでくださったから時局講演会を開催したという順序でした。
さて、この新書の特筆すべきところは、昨年公表されたロシア政府の報告書『チェルノブイリ事故25年 ロシアにおけるその影響と後遺症の克服についての総括及び展望1986~2011』の最終章「結論」部分が紹介されている点です。
私たちが知りたいのは、やはり広島、長崎、チェルノブイリ、スリーマイルの情報であり、何を恐れ何を恐れなくてよいのか科学者や医師が良心的に語ってくださる『真実』なのです。
私の体内にも約4000ベクレル、量にして0.012グラムの放射性カリウムがあることやマウスによる低線量被ばくの実験など初めて知りました。
そして、『100ミリシーベルト以下だと発がんリスクはきわめて低い』と言われるとやはり安心します。
100ミリシーベルトと言えば100歳まで生きるとすると年間1ミリシーベルトすなわち1000マイクロシーベルトです。
すると、毎時1000÷365÷24=0.114マイクロシーベルトとなります。
長崎大学の実験では空間線量の大体10分の1が被曝線量だといいますので、とりあえず1.1マイクロシーベルトくらいまでは大丈夫と言うことになります。
スポット的に高い線量の場所もありますが、1日を通してみれば屋内にもかなりの時間滞在します。したがって、空間線量が毎時1マイクロシーベルトのところにずっといることはまず考えられません。
本当に自信のある人だからこそ「〇〇の真実」と言うシリーズをかけるのだなと思います。情報は背景を含めないとなかなか信用できないものだとつくづく思いました。
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