月別アーカイブ: 7月 2015

真価問われるインフレターゲット

今朝の日経新聞の『日銀強気 消えぬリスク』は興味深い記事でした。
その理由は『日銀は15日開いた金融政策決定会合で(略)物価上昇率の見通しを小幅に下方修正した』との点です。
日銀は2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入し、消費者物価を前年比上昇率2%にすることを目標にして、マネタリーベースが、年間60兆から70兆円に相当するペースで増加するように金融市場調節を行うとしました。
これによって、流通するお金は2012年末の138兆円から、2014年末には270兆円へと約2倍になります。しかも、昨年10月にはそれをさらに上乗せして、年間80兆円ペースで増加させるとしました。
一方、7月11日付の日経新聞のコラム大機小機では「魔笛」氏が、『日銀がインフレ目標を掲げても、企業は簡単に値上げなどしない。物が売れないときに他社より先に値上げすれば、シェアを失うからだ』と私が学んできた従来理論通りの指摘をしています。
インフレターゲット理論が正しいのか、従来理論が正しいのか、徹底検証をしなければならないと思います。

県がんセンター改善策、道半ば

今日の朝刊各紙は、県立がんセンターの第三者検証委員会による改善策を報じました。
その内容は、『高度な手術の導入について協議する「未実証医療審査委員会」を全国で初めて立ち上げる』『腹腔鏡下手術は、すべての映像を3カ月間保管』(千葉日報)などとされています。
昨日も触れましたが、すでに9年前から予算委員会で、私は公立病院においてはすべての手術のビデオ撮影が必要と訴えていました。
しかし、「全例を記録する体制とするためには設備の整備も必要」という答弁で「検討する」にとどまっていました。
今回の改善策では、腹腔鏡下手術に限って映像を記録保管をするとのことですので、私の主張がようやく半歩実現したことになります。
しかし、すでに当時とは違い記録媒体もビデオですらなく、安価な大容量メモリがあるのですから改めてすべての手術の映像記録の保管を求めたいと思います。
私は、中途半端な改善策であってはならないと思うのです。

名医を疑え

市立病院今朝の日経新聞「医出づる国」は『名医を疑え』でした。
千葉県がんセンターの死亡事故について取り上げ『検証委員会による報告書からは、本人の過信や周囲がモノを言えない雰囲気が浮かぶ。元同僚は「名声が高く、病院も止めることができなかったのではないか」と話す』とされています。
平成18年3月17日の予算委で、私は東京医科大学附属病院の医療過誤を事例に、仮に同様の事態が県立病院で起こったときの対処を質しました。
医科大では、院長への報告がありませんでした。それは当事者に医療過誤だという認識がなかったからです。
そこで、私は「医療過誤に関係なく死亡例は検証されるべき」「手術が予定より長引いた場合、輸血量が予定よりかなり多かった場合は報告されるべき」と主張しました。
病院局長は、がんセンターではすべての死亡例を検証しているのではないことを認めましたが、手術時間や輸血量は報告されているとの答弁でした。
この時点では何か問題があったわけではないので、私もこの程度の質問で終えてしまいましたが、今になってみれば、すべての死亡例の検証や、手術時間や輸血量についても問題意識を持った確認をもっと強く要望すべきだったと思います。
ただ、医師を責めるだけで問題の解決はなく、すべての医療スタッフが力を発揮できるような環境づくりもさらに必要だと思います。

6月定例県議会の課題

環境研7月3日に6月定例県議会が閉会しました。
一般質問については翌4日の千葉日報の7面に掲載されましたので、議会ではなく千葉県としての課題について考えてみました。
私が一番注目しているのは、企業庁の進めてきた幕張新都心若葉住宅地区の開発です。17.6ヘクタールの分譲は、今年3月に三井不動産レジデンシャル株式会社を中心としたグループの事業となりました。
アメリカのポートランド開発局と連携し、総事業費1800億円、4390戸、実に1万人規模の街をつくるのです。入居は平成31年からの予定です。
残念ながら湾岸地域の液状化は県のイメージを下げてしまいました。それを払しょくするのがこの事業の成功であり、そして、この事業の成功によってさらに県の価値が高まるという好循環を生みたいものです。
その意味からも、県の地質研究部門は千葉市の湾岸地域にあって、地質に目を光らしていてほしいと思うのです。

共産党が警察官増員反対。理由は??

6月26日の千葉県議会環境生活警察常任委員会に『警察官の増員に関する意見書』が議員発議されました。
当然、「全員賛成!」と思いきや、共産党委員が反対したのです。
その直前までの議論で、人口の面でも刑法犯認知件数でも110番受理件数でも、千葉県は全国平均から見てかなり警察官が少ないというデータが明らかにされていました。
しかも、私のところにも交番の設置要望が幾つも寄せられていますが、一つの交番に警察官が6人から15人必要なのです。したがって、当然、警察官増員は合意ができているものと思いました。
ところが、「反対」でしたので、皆、びっくりして一瞬時間が止まってしまいました。
当然、反対理由を述べるのだろうと思っていましたが、何も語りませんでしたので反対理由はわかりません。
しかしながら、その後の委員会では「交通安全に(警官を配置するなど)万全を期せ」(趣意)というような発言をされていましたので、まったく意味不明です。