夕張以前と以後で自治体に対する見方は変わったのだろうか?
もちろん夕張の財政再建団体への転落以前から自治体も破産することは分かっていた。
しかし、自治体の破産とは民間企業のそれとは大きく異なり、自治体そのものがなくなってしまうわけではない。
仮に吸収に近い合併であったとしても、その自治体の債務は引き継がれる。
すると、やはり地方債と言うのは社債などよりよほど安全性が高い。
シンジケート団による地方債引き受けであるなら、「破綻した自治体の債務は必ず引き継がれる」で違和感はなかったが、たとえば公募債についても同じことが言えるだろうか?
これはやはり公募に応じた側の責任は問われるべきだろう。
都道府県が破綻するということはまずないだろうからこの問題は表面化しにくい。
しかし、住民参加型ミニ公募債が認められ群馬県が県立病院の設備整備に公募債を発行してからすでに6年経つのである。
われわれはそろそろ二つのことを強く意識すべきだ。
一つは何らかの事情により、その自治体が財政的に苦境に陥ったときにはミニ公募債とは言え相応のリスクを負うと言うこと。
もう一つは、ミニ公募債を発行する以上、現状よりも遥かに進んだ形の情報公開をしなければならないこと、そして夕張のような粉飾決算が発覚した場合、長は相応の法律的責任を負うこと。
この二つが満たされなければミニ公募債を発行する資格はないというべきである。
ミニ公募債を買う側の意識は、果たして夕張以前と以後で変わったのだろうか?
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