月別アーカイブ: 12月 2011

天下りはどうなったのか?

経済産業省を退職された古賀茂明さんが「時の人」になっています。
本をたくさんお出しになり、テレビでもよくお見かけするようになりました。
古賀さんの話題というとやはり『天下り問題』ということになろうかと思います。
民主党政権は、マニフェストに「天下り根絶」を掲げました。
私は、たとえば規制すべき官庁の職員が、規制対象の業界に再就職するなどもってのほかだと思いますし、それは何年たったら再就職を認めますというものではないと思っています。
規制する側が規制される側に雇われるというのは、仮にそういう体制にあるのなら、それは間違いなく体制のほうがおかしいのだと思います。
さて、では実際に天下りがどれだけ減ったのか、なかなか厳密につかめるものではありません。
そこで国会の会議録を見てみると、2月23日の衆議院予算委員会において、2009年9月の政権交代から翌年10月1日までの期間に4240人が天下りしているということが判明しています。
これらは天下りではないのかという指摘に対して、民主党政権側は「省庁の『あっせん』がなかったので天下りではない」という、まるで駄々っ子のよう理屈を平然と述べています。
恥も外聞もあったものではありません。むしろ省庁の『あっせん』がなかったのに、ポストを得ているということは、自動的に天下る仕組みが出来上がっていることを意味します。
それこそを根絶すべきなのであり、民主党マニフェストを見た国民の側はそれを『根絶』だと思っているのです。
こうした民主党のやり方を見ていると、やはり民主党では公務員改革はできないのだなと思わざるを得ません。

千葉県と石油商業組合との協定

今朝の千葉日報、読売、東京の各新聞は『災害時に優先供給』との見出しで、千葉県と千葉県石油商業組合の協定締結を報じました。
実は、これは6月22日の定例会代表質問のなかで私が訴えたことなのです。
『今回の大震災では、県内石油精製所の火災や物流の滞りなどでガソリン不足、燃料不足が大きな問題となりました。その際、県は業界団体に燃料放出などを要請いたしましたが、そもそも石油販売団体等と災害協定を結ぶ中で優先的な提供を受けるような協定の締結をすべきと思うがどうか』
これに対して、石渡副知事は『早期の協定締結に向けて努力をしてまいります』と答弁しています。
千葉県は、4つの石油精製事業所を擁しています。コスモ石油、極東石油工業、出光興産、富士石油です。
これら4事業所の精製能力は、日産82.7万バーレルです。我が国全体が480万バーレルですから千葉県は6分の1以上の精製能力があるのです。
にもかかわらず、その千葉県で緊急自動車の運行にも苦労していたというのはやはり問題です。
今回は、石油商業組合との協定でしたが、これで終わりにするのではなく、今度は石油精製企業との災害協定締結へもう一段の努力を要請していこうとと思っています。

子ども手当は子どものための手当ではなかった?

今朝の新聞によると、民主党は『子ども手当』を『子どものための手当』に名称変更したいと提案するのだと言います。
これは『子ども手当』の内容について、自民党、公明党が反対しているので提案したいのだそうです。
中身について反対しているのを、名称でごまかすというのは、いかにも民主党らしい発想です。
民主党議員は、高学歴が多く官僚出身者もかなりいます。
高学歴ですから頭がよく、官僚出身者が多いのですから政策についても現実的に考える、とみて間違いありません。
したがって、あの民主党マニフェストを出した時に、ほとんど100%の民主党議員が実現不可能と思っていたと思われます。
国民年金・厚生年金・共済年金の『年金一元化』にしても、子ども一人につき月額2万6000円支給するという『子ども手当』にしても、できっこないと思っていたと思います。
できっこないから、「どこかでうまい言い訳を考えねばならないな」と思っていたのだと私は思います。
その証拠に年金一元化法案は、何年待っても未だに出してきていませんし、子ども手当についてもとうとう恒久的な法案を出しませんでした。
おそらく多分、予算の組み替えで財源はいくらでも出せるとマニフェストに掲げていたことも、本音では「無理だろうな」と思っていたのだと思います。
今回、『子ども手当』を『子どものための手当』と言い換えるというのも実に狡猾な言いつくろいです。
頭の良さをそんなくだらないことに使わないで、まともな政策を打ち出すことに使ってほしいと思うのです。

松戸市立病院への補助金は?

松戸市立病院は東葛北部医療圏の基幹病院です。
第3次救急を行う救命救急センターであり、特に小児救急の分野で県立病院に勝るとも劣らない仕事をしています。
その一方で、その責務の重さの割には県からの補助金が少ないという指摘があります。
本来県が行うべき医療を松戸市民の負担で行っているのはおかしいのでは?という疑問が根底にあります。
もちろん千葉県には千葉県の言い分があります。
松戸市立病院への補助金は本来国が出すべきものであり、また実際問題として国から出ているのは?というものです。
では、本当のところ松戸市立病院はどのくらいの補助金を受け入れているのでしょうか?
まず補助金の中身ですが、例えば市立病院は『がん診療連携拠点病院』ですから『がん診療連携拠点病院強化事業補助金』を受けています。これは国・県が折半で900万円ずつ出しています。
そのほか、『臨床研修費等補助金』『新人看護職員研修事業補助金』『感染症指定医療機関運営事業補助金』『新型インフルエンザ患者入院医療機関設備整備事業補助金』などがあります。
これらの金額を合計してみますと以下の通りです。
平成20年度、国3248万8500円、県1261万8500円、合計4510万7000円
平成21年度、国2999万3000円、県1169万8000円、合計4169万1000円
平成22年度、国3242万6500円、県1336万7500円、合計4579万4000円
財政の余裕がない折ではありますが、議会開会中に知事へ松戸市としての予算要望を行います。精一杯また頑張りたいと思います。

千葉県の土砂災害

少し前の話ですが、11月11日の日経新聞に『土砂災害の危険 52万か所』という記事がありました。
記事のもう一つの見出しは『「警戒区域」指定 半数満たず』でした。
土砂災害防止法という法律により、都道府県は危険個所を警戒区域に指定します。そして、その指定に従って今度は市町村がハザードマップを作ったり、避難指示の発令基準を決めたりするのです。
その警戒区域の指定が43%しかなされていないという記事でした。
さて、千葉県は他県と比べれば土砂災害の少ない県です。
そこで、実際のところ千葉県ではどうなっているのか現況を調べてみました。
すると47都道府県でもっとも土砂災害警戒区域が多かった島根県の30877か所に対して、わが千葉県は少ない方から7番目です。
一番少なかったのは沖縄県で338か所、以下佐賀県553か所、三重県627か所、宮城県769か所、北海道771か所、秋田県968か所、そして千葉県は1155か所です。北海道が少ないのは、人の住んでいる地域が少ないことが理由でしょう。
千葉県の1155か所をさらに細かく見ていくと、『土石流』と『地滑り』の警戒区域はゼロです。したがって、1155はすべて『急傾斜地の崩壊』についてのものということになります。
そして、急傾斜地に限って全国を比較すると全国34番目になりますので、全体での41番目からは7つ危険度がランクアップします。
松戸市にも急傾斜地が幾つもあります。過去に崩壊したところもあり、当時あわてて現地へ急行したことも今でも昨日のことのように覚えています。
「災害は忘れたころにやってくる」という寺田寅彦の有名な言葉は、やはり常に真実だと思うのです。