月別アーカイブ: 12月 2010

「行方不明の高齢者」問題に思う(第452回)

今年の夏は、足立区が発端となり、高齢者の所在不明問題が大きくクローズアップされました。
かねてより民生児童委員さんの間では、「なかなか会えない高齢者がいる。なかなか高齢者に会わせてくれない家族がいる」と言われておりましたが、民生委員のなり手が不足していることに加え、民生委員の高齢化という問題もあり、手が届かないという現実がありました。
9月10日に、法務省は、電子化された戸籍を中心に全国4743万のケースを調べたところ、現住所が把握できなかった100歳以上の高齢者が23万4354人いたと発表しました。
この23万4354人の戸籍には転入先が書かれる付票がついておらず、このうち120歳以上が7118人、150歳以上が884人もいたとのことでありました。
私が、インターネットで調べたところでは、千葉県内で年金受給者の生活実態を調べているという方の発言として
「以前、3か月前に伺ったときにかなり衰弱していた90代後半の男性がいて、再び伺ったら不在。家族に聞いたら『突然、行き先も告げずに旅に出てしまった』と言われた」というものがありました。
事実確認はできませんでしたので、本当かどうかはわかりませんが、厚労省も110歳以上について年金受給者の本人確認を強化するとしたところです。
さて、この高齢者の所在不明問題を受けて、8月13日に厚生労働省 社会・援護局地域福祉課長名で「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画の策定及び見直しについて」という技術的助言が出されました。
その中に『市町村地域福祉計画については、平成22年3月31日現在で約51%の市町村が策定を終えていない状況にある』
『都道府県地域福祉支援計画については、平成22年3月31日現在で10の都道府県が策定を終えていない状況にある』という記述があります。
では千葉県はどうなっているのでしょうか?
千葉県自体は地域福祉支援計画は策定済みですが、市町村の策定状況は全国平均を下回り40%の策定率です。
策定済みが、わが松戸市はじめ21市1町、今後の策定が予定されているのが8市2町です。
市においても策定のめどが立っていないのが7市あります。
まず身近な行政である市が本腰入れて、地域福祉に取り組めるよう県も最大限の努力をしなければなりません。

危ない橋を渡っている(第451回)

藤井聡著「公共事業が日本を救う」文春新書を読んでいたら怖い話が次々と出てくる。
たとえば
1982年に刊行された「荒廃するアメリカ」に、道路予算を削られたアメリカのひどい道路事情が報告されている。
特に橋梁の老朽化が問題で、事実1973年のウェストサイドハイウェイの部分崩落、1981年のブルックリン橋のケーブル破断、1983年のマイアナス橋の崩落が起こっている。
たとえば
わが国にも、緊急対応しなければならない橋が全国で4000、一つの都道府県について平均85橋もあるというのだ。
実は、12月定例県議会において、自民党議員が千葉県内に危ない橋はどのくらいあるのか?という質問をした。
県の答弁によると「損傷が顕在化している橋」が458あるのだという。
この458橋のうち、特に損傷が著しい橋が68あるのだという。
そこで、本会議終了後にその危ない橋のリストを提出してもらったのである。
松戸市内で損傷の著しい橋は2つあった。
平賀橋。
これは、北小金駅の北側の橋で常磐線の跨線橋である。
もう一つは新浜跨線橋。
これは、根本にある県道松戸・柏線の常磐線の跨線橋である。
いずれも私がいつも利用している橋である。
恐ろしいことに、知らないこととは言え、まさに危ない橋を渡っていたのである。
ちなみに、松戸市内にある『損傷が顕在化している』緊急対応しなければならない橋は、大橋にある国分川橋、小山の葛飾橋、古ヶ崎の松戸高架橋、上葛飾橋、高塚新田の高塚高架橋、主水新田の主水大橋、横須賀の新横須賀橋の7つある。
何のことはない。要するに危ない橋に囲まれているのである。
※追記 公明党の主張により、千葉県においては今後3年間で補強することになっています。