日別アーカイブ: 2010年12月19日

共産党と軍との関係(第461回)

今朝の読売新聞は、韓国の於青島(オチョンド)沖の排他的経済水域における韓国海洋警察庁と中国漁船の激しい攻防を報じている。
『海洋警察官4人が中国漁船に停船命令を出し、小型ボートで漁船に乗り込もうとしたところ、漁船員から突然、鉄パイプで殴られるなどの暴行を受け負傷した。漁船は警備艦に突っ込んだ後、沈没した。』
読売新聞は7面にも関連記事を掲載している。
『これまでも中国漁船の取り締まりに手を焼いてきた。2008年9月には、取り締まり中の海洋警察官が船員から殴られ死亡するなど悪質なケースもあった。』
過日、海上保安庁艦船に漁船が突っ込んだ事件があったが、実は中国漁船にとっては珍しい行為ではないのかもしれない。
漁船船長が中国では英雄視されているのがその証左とも見える。
こうした事件を未然に防ぐには、韓国との協力体制も必要となろうが、やはり海上保安庁の位置づけを見直す必要があると思う。
財政負担なく抑止力を高めることが期待できる『見直し』 があると思うのだ。
一番の問題は、中国政府がこうした暴力的状況をコントロールできているのかという点である。
もし漁船に対するコントロールすらできないとなれば、それこそ中国共産党による軍の掌握は極めて脆弱という懸念が生じる。
わが国における文民統制(シビリアン・コントロール)は中国においてはどのような形態になっているのか?
党が軍をどれだけグリップしているのかという、より根源的な不安要素がまた頭をもたげてくるのである。