「やってみなはれ」
サントリーの二代目・佐治敬三氏がビール製造に踏み出す時に創業者・鳥井信治郎氏に言われた言葉だという。
今朝の読売新聞に『アクアライン値下げ 民主党が地方負担案』という記事が出ていたのをみて、この言葉を思い出した。
12月11日に同じく読売新聞は『アクア値下げに暗雲 割引には地元負担 民主党議員が反発』という報道があり、アクアラインの値下げにはすでに重苦しい雰囲気があった。
アクアライン利用料金は現在社会実験を行っており、ETC搭載の普通車は800円である。
その社会実験が来年3月をもって終了する。
すると、通常料金の普通車3000円(ETC搭載は2320円)に戻ってしまう。
これについて、民主党政府はもし値下げをするなら地元負担でやれ、というスタンスだった。
一方、民主党議員たちは「昨夏の衆院選で高速道路無料化を掲げ、政権交替した。到底、受け入れられない。」と反発していた。
マニフェストが国民との約束である以上、この主張は当然のことだ。
ところが、今朝の新聞によると、当の民主党が「料金は元に戻す。値下げするなら地元負担だ」と決めたというのである。
一体何がどうなってしまったのか、さっぱり分からない。お手上げである。
民主党政権は、マニフェストに掲げた国民との約束を常に裏切ってきた。
そして、さらに政権交代後も「総理を辞めたら議員も辞める」「普天間は県外」「消費税を10%に」「TPPに加入」など様々な方針を打ち出しては、何か言われると「いや、それは・・・」と発言を後退させ、何も言われなくとも態度をあいまいにしてきた。
千葉県におけるアクアライン利用料金もまた、同じパターンが繰り返されたわけである。
さて、それではアクアラインの料金値下げをどう考えたらいいのだろう。
私には単純に「やってみなはれ」とは言えない。
財源が乏しい中で、いま地方の時代を迎えている。
「非常に重要な施策ですからあなたはおカネを出しなさい。私は出しませんが。」では通用しないだろう。
「非常に重要な施策ですから私もおカネを出します。あなたも出しなさい。」ならまだ理解できる。
しかし、本当の判断基準は「非常に重要な施策ですから、たとえあなたが出さなくても私はやります。」と言えるかどうかだと思う。
この判別基準をもとに、国から「やってみなはれ」と言われたときに、その事業が本当に必要なものかどうかが判別されるのではないだろうか。
財政難の時代かつ地方の時代とは、つねに自らがやるという覚悟を求められる時代とも言えるのである。
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