12月21日、読売新聞は『「後期高齢者」13年に廃止』と見出しを打った。
厚労相が主宰する「高齢者医療制度改革会議」が最終案をまとめたというのである。
この案によれば、後期高齢者医療制度を13年2月末に廃止し、年齢区分のない新制度を3月から導入するのだという。
ところが、同じ日の日経新聞の見出しは『高齢者医療法案 先送りも』なのである。
日経の記事を読むと、高齢者医療制度改革会議の最終案は実は孤立無援なのだという。
連合や日本経団連などの関係団体は「現役世代の保険料はすでに限界に近い」
民主党ワーキングチームは「統一選を前に高齢者に負担を求めるのは難しい」
全国知事会は「高齢者医療の運営を引き受けられない。反対の方向」
民主党のマニフェストに『後期高齢者医療制度を廃止する』とあるから、改革会議は無理やり最終案をまとめたのだ。
それを各界各層が反対するのはともかくとして、当の民主党が反対するのはあんまりというものだ。
改革会議の立つ瀬がないし、天に唾する行為に見える。
結局のところ、後期高齢者医療制度はどうなってしまうのか、皆目見当がつかない。
読売の記事と日経の記事との180度異なるニュアンスの違いがまさに後期高齢者医療制度の民主党内の混迷を象徴していると言える。
しかし、そんななかでもひとつだけ見えてきたことがある。
それは、民主党の後期高齢者医療制度改革ワーキングチームの主張「統一地方選前に高齢者に負担を求めるのは難しい」である。
これは『統一選後には高齢者に負担を求める』と言っているに等しい。
後期高齢者制度の導入により、ほとんどの高齢者の保険料は安くなったのだが、統一選の終わるのを待って民主党は値上げを狙っているわけである。
つまり、制度がどうなるかはまるで分からないのに、保険料の値上げだけはやるということである。
マニフェストには『制度の廃止』は記されていたが、『値上げ』などどこにも記されていなかった はずなのに。
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