現在、ハウステンボスは経営再建中であるが、その将来構想は野心的ですらある。
環境都市を創ろうとしたそもそもの「まちづくり」構想を見ると、正直なところ非常に難しい気がする。
日常生活と切り離された場所で定住促進策を行うのは少なくとも一企業の仕事ではない。
しかし、観光という面に焦点を当ててみると学ぶところは多い。
中国からの観光客をどう呼び込むか、という一点に絞ってみても、たとえば上海との間に船舶による格安航路を開く。
航空機ではなく船というのがいい。
輸送人数が格段に違う。1000人単位の人を乗せることができる。
船の中に様々な仕掛けをつくれる。公海上であればカジノが開ける。
カジノから得られる利益は、船中での様々なイベントによって可能な限り乗客に還元する。
1000人オーダーの観光客を呼び込めるなら船中カジノで無理に儲ける必要がなく、むしろ儲けない方が良い気がする。
さらにもう一つの仕掛けとして、中国でのテレビドラマのロケ場所としてハウステンボスを使ってもらうのだと言う。
また、生涯教育は最高の娯楽産業だという発想に立てば、日本語の使用できない環境をつくり国内留学生を呼び込むこともできるかもしれない。
いずれにせよ、これら野心的構想を実らせるのはやはり資金である。
ハウステンボスは10年間の固定資産税免除を受けている。
年間9億円ほどだと言う。
この9億円のうちどれだけの金額が魅力あるイベントや新規投資に使えるかがポイントとなる。
ほとんどが維持管理費に消えてしまうのであればそれまでだ。
今後、ハウステンボスがどういうテーマパークに変貌しているのか興味はつきない。
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