庶民の心(第427回)

昨日、菅内閣各大臣の資産が公開された。
今朝の新聞各紙によると5人の大臣が自分の所管する業界の株式を保有していたことが判明した。
たとえば財務副大臣・五十嵐氏の「りそなホールディングス」株や内閣府政務官・和田氏の三井住友フィナンシャルグループ株などは職務権限の関係で非常に怪しいと言わざるを得ない。
そして、もう一つ小さく報道されていたのが、環境政務官・大谷氏の土地購入である。
大臣らが守るべき『大臣規範』では不動産売買の自粛が定められてる。
つまり、明確な『大臣規範』抵触である。
弁明を求められた大谷氏は「両親介護のため住居が必要になり購入した。やむを得ない理由なので規範に抵触しないと考えている。(趣意)」と答えた。
両親介護のために住居を購入するという行為はある意味で立派なことだ。
しかし、世の中の大半の人は、たとえ両親の介護をしていても土地建物を購入することなど考えられないのが現実だ。
バリアフリーにしたい、トイレを改造したいということすら残念ながらなかなかできないのである。
家を買うなど夢の夢なのだ。
大谷氏の発言から、この人には庶民の心など到底分らないのだろうなというのが私の素直な感想だった。
「それだけの所得があるのだから、介護のための住居を買ったっていいじゃないか」という意見も当然あるだろう。
実は一方で、私もそうした意見も十分理解できる。
両親介護のために住宅が欲しい。
しかし、それはリーダーのあるべき姿として、自分たち自身が決めたリーダーとしての規範を破ってしまうことになる。
このジレンマをどうするか?
私には実に簡単に解決できる話のように思える。
政務官を辞めればよいだけの話である。
おそらくごく普通の人の感覚では両親介護のために住居を買うのだから政務官を辞めようと思うだろう。
大谷と言う議員は、要するに規範は破れても地位は捨てられなかった人だと思えるのである。


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