日別アーカイブ: 2010年10月8日

決算カードの限界は?(第417回)

日本一の決算カードを!と主張し、一般の方々がご覧になる分には相当進化したと思う。
しかし、もちろん限られたスペースの中ですべてを記載するのは不可能である。
それを承知の上で、何が足りないかを述べてみたい。
決算カードの改良で解決できる問題ではないかもしれないが・・・
経常経費では以下2点である。
?財産収入の内訳が知りたい。
?地方債現在高の元利償還額の内訳が知りたい。
投資的経費についてはたくさんある。
とりわけ基金についてはかなりお粗末なのが残念だ。
?普通建設事業費の内訳
?投資・出資金・貸付金のそれぞれの内訳
?積立金の内訳
?積立金の取崩しの内訳。
?むしろ基金については定期運用基金の歳出決算額などもっともっと詳細が知りたい。
?公営企業等に対する繰出しについても詳細が知りたい。
自治体財務についてはたとえば歳計現金の状況など現金関係の詳細が知りたい。
知りたいことはたくさんあるが、知って行くとさらに知りたい事項は増えていのだろうが。

行政データは誰のものか?(第416回)

財務省が行政キャッシュフローという自治体財政の目安をつくった。
財務省のことだからおそらくすべての自治体について行政キャッシュフローを計算しているのだろう。
せっかく作ったのだから、計算したものを公表すればよいものをと思う。
この辺にお役所独特のメンタリティーが見える。
自治体に気配りをする一方で、決して国民の便宜を考えないのである。
役所のデータはすべて国民のものという当然の発想がない。
決算統計から計算できるのであれば、公表しても何も問題がないはずだ。
しかも公表すれば、住民にとってはその自治体についての貴重な情報だろうに。
そもそも自治体が決算統計データを出していないこと自体が問題なのだ。
たとえば平成20年度の財政状況調査表をインターネットで公表している自治体があるだろうか?
私は見たことも聞いたこともない。
2000近い自治体があって、一つもないということが実に異様である。
すべての自治体が財政運営に何か後ろめたいものを持っているのだろうか。
決してそんなことはあるまい。
要するに、住民に自治体データを知らせていこうという発想がないのだ。
自治体データを公表していこうという発想がある首長は、今度は自治体がどんなデータを持っているかを知らない。
今ではインターネットで100ページほどのデータをアップしたとしてもどれほどのコストもかからない。
すべての自治体が調査表そのものを公表すべきだし、財務省も財務省でもったいぶらずにキャッシュフロー計算書を公表すべきなのである。