日別アーカイブ: 2010年10月26日

保険料統一の難しさ(第425回)

厚生労働省は国民健康保険を市町村単位から都道府県単位に移行しようとしている。
しかし、それはなかなか単純な話ではない。一歩間違えば机上の空論となる。
第一、保険料が市町村ごとにばらばらである。
アバウトな感覚で申し訳ないが、おそらく千葉県内でも一番安い自治体と一番高い自治体で2.5倍程度の差があるだろう。
仮に、千葉県で統一料金にするとしたら、どのレベルに合わせるのだろうか?
一番高い自治体に合わせれば、ほとんどの人が保険料の値上げとなり、そもそも県が運営すること自体に反対するだろう。
一番安い自治体に合わせれば、ほとんどん人は保険料の値下げとなり、今度は市町村や県の財政が危機的状況に追い込まれる。
すると平均値に合わせるのが現実的なのだろうが、これでは理屈の上では半分の県民の保険料が値上げとなる。
はたしてこれが政治的に実現可能だろうか?
やはり、どうしても国費投入をすべきだと思うし、しなければならないと思う。
いずれにせよ都道府県単位で統一すれば、値上げの人には経過措置や激変緩和措置が必要なのである。
そうであるならば、いよいよ抜本的な改革の断行をすべき時なのだろう。
残念ながら、ここではまだ明らかにできないが様々なシミュレーションを行っていきたいと思っている。
そして党内で徹底した議論をしていきたい。

スタート前から危うい民主党の新医療制度(第424回)

今日の朝刊各紙は、後期高齢者医療制度後の『新高齢者医療制度』における保険料試算を一斉に報じた。
毎日新聞は『勤め人負担増』
朝日新聞は『保険料頼み限界論も』『公費増の意見次々』
読売新聞は『負担増試算に反発』『大企業は保険料大幅増』『厚労省「ない袖は振れぬ」』
昨年の衆議院選挙で民主党や共産党は後期高齢者医療制度の即時廃止を公約に掲げた。
しかし、民主党は即時廃止というマニフェストを反古にした。
有権者に対するあまりにもひどい裏切りといってよい。
しかし、本当に後期高齢者医療制度を即時に廃止して元の制度に戻せば多くの人の保険料は値上げとなり医療保険自体が成り立たなくなる恐れがあった。
広域連合は解散となり、市町村財政も危機に陥る。
民主党は、即時廃止などできないことを分かっていて廃止をマニフェストに掲げたと思われる。
これは、裏切りというよりも詐欺と言わざるを得ない。
このたびようやく出してきた対案が今朝の報道にある新高齢者医療制度である。
ところが、この新しい制度で実際に試算してみたらいっそうひどいものになりそうだという報道だ。
後期高齢者医療制度を廃止すればバラ色の医療制度になると主張してきた各政党はどう言い訳をするのだろうか?
新しい制度へ移行するだけでもコンピュータソフトの変更など莫大な費用がかかる。
わざわざコストをかけて制度を改悪されたのでは国民はたまったものではない。
今の制度から新しい制度へ変更して、どういうメリットがあるのか明確に説明してほしいものである。