日別アーカイブ: 2010年10月6日

検証!羽田空港着陸ルート(第415回)

『ちば県民だより』10月号の『10月21日から羽田空港の飛行ルートが変わります』は注目記事である。
羽田空港の4本目の滑走路であるD滑走路の供用開始により、同空港の利便性向上がテレビCMでも流されている。
羽田の発着回数の増加は、松戸市へどのような影響があるのだろうか?
羽田空港への着陸ルートはすべて千葉県上空を通過する。
このうち松戸市の上空を通るのは、基本的には南風・悪天時である。
飛行機は風に向かって離陸や着陸をするので、北風の時は南側から来た便は松戸市と関係なく南側から空港へアプローチする。
北側から来た便も八千代市の東端付近を通過していくので松戸市への影響はない。
ところが、南風の時は北側から空港へアプローチすることになる。
『ちば県民だより』の図を見ると南風・好天時は我孫子市と柏市の市境から南東方向へ白井市の真ん中を通過していく。
そして船橋の北東端をかすめて千葉市と市原市との市境上空で真西へ進路を変えて羽田空港へ向かう。
このケースも松戸市に影響はない。
問題は南風・悪天時 である。
この場合の南側からの便は、我孫子市の手前で南東から北西へ進路を変え、松戸市の六高台から高塚新田を通過する。
八柱霊園の上空を通過するときの高度が5000フィート(約1500メートル) だという。
素人の私には5000フィート上空を通過する飛行機の騒音がどの程度のものか一度確認してみたいと思う。
このくらいの高度であればまず騒音問題は発生しないのだろう。
しかし、千葉県としては横田空域がある以上騒音問題については真正面から取り組まねばならない。
飛行機のルートはあくまで目安である。
ルートも高度も守られねば意味がない。
国土交通省の飛行コース公開システムにおいても随時確認作業をしていきたいと思う。

住民投票は難しい(第414回)

松戸市内のある場所で『住民投票条例の制定を』といった内容の幟を見かけた。
幟の所有者は誰だか分からないが、住民投票が好きなのかもしれない。
実は、住民投票には公職選挙法の適用は無い。
したがって、ルールがない。
どういう運動をしてもよいし、買収も供応も別に罪に問われることはない。
罪に問われないので取り締まる機関もない。
住民投票で最も大きな課題は、可否判断を下す『住民』にどうやって正確な情報を提示するかである。
もっというと、そもそも正確な情報とは何ぞや?という問いも生じてくる。
たとえば、A案として「病院を移転して同一規模で建て替える」のが良いか、B案として「150床減らしても現地で建て替えする」のが良いか、の判断をする住民投票だったとしよう。
どちらの案がどう優れているのか、どういう問題点があるのか、どうやって住民に提示したらよいのだろうか?
選挙公報のように、文書にして新聞折り込みや全世帯に郵送するか?
その文書は誰が作成するのか?
A案賛成派、B案賛成派が書くとして、誰がどうそれぞれの派を代表するのだろう?
第三者が客観的に書くとすると、その第三者とはどなたなのだろう?
町会ごとに説明会を開くとしても、誰がA案派、B案派を代表して説明するのだろう?
考えれば考えるほど分からなくなってくる。
住民投票はまったくもって難しい。
住民に正しい情報を提示しなければ正しい判断は下せない。
こうしたことをたとえば直接民主主義の国だと言われるスイスはどう克服しているのだろう。
そして、住民投票にかかるコストはどのくらいの金額になるのだろう。
この金額も大事な要素の一つであって、その金額によっては議会という間接民主主義で良いという選択肢もあるだろうと思うのである。
幟の所有者に一度説明を伺いたいものである。