日別アーカイブ: 2012年7月20日

他人事ではない救急医療

昨日(7月19日)の毎日新聞の『国保旭中央病院が来月導入』『「日本一」の救急集中抑制へ』という見出しが目につきました。
8月1日から、旭中央病院では『時間外の救急外来患者のうち軽症の場合は一律5250円を自己負担する「時間外選定療養費」を来月1日から導入する。』という記事です。
重症患者を受け入れるためにはやむを得ない措置であり、導入は時間の問題と思っていました。
さて、この記事を東葛地域なかんずく松戸の人たちはどう考えるでしょうか?
私は松戸の売りは、かねてより医療だと主張してきました。しかし、市立病院の建て替え問題で医療行政は揺れに揺れています。
たとえ第3次救急ではなくとも、仮にも市立病院クラスの病院が一つなくなったら大変なことになります。
実際、市川・浦安市民病院がなくなるに際して、私は浦安の順天堂に外来患者が押し掛け、順天堂がギブアップし、それが葛南地域の病院群に伝播し、その影響は東松戸病院含め松戸にも間違いなく及ぶと警鐘を鳴らしました。
まさに、旭中央病院の措置は、この東葛地域でも他人事ではありません。
病院は、10年後どころか20年後までのその地域の医療水準を決定づける重要施設です。
しかも、医師はじめ医療スタッフの確保がこれほど難しい時代はありません。
ますます進む高齢化の進展とともに、救急医療をめぐる問題は今後も伝播拡大することを覚悟しなければなりません。

民主党を離党する人たち

民主党を離党する人が後を絶ちません。
しかし、それは驚くことでもなく、水が低きに流れるような自然の現象です。
衆議院選挙が小選挙区制になって、最も変わったことは世代交代がうまくいかなくなったことです。
今さら言うまでもない話ですが、たとえば自民党現職のベテラン議員がいた場合、同じ自民党の中から若手が候補者になることができません。中選挙区と異なり一人しか当選できない小選挙区ですから。
すると、その若手は別の政党すなわち民主党から立候補するというだけの話です。
与党と争う第2党の存在意義は、極端に言えば政策などどうでもいいのです。ともかく当選したいと思う候補者が当選できそうな政党であればよいのです。
また、「自分の政策はこういうもので、それを実現するためにはこの政党だ」というように立候補する政党を決めるような人は当選がおぼつかないということもできます。
身も蓋もない話になってしまいますが、民主党には綱領も政策も実はないほうが都合がいいという見方さえできます。
こういう政党は、政権を奪える可能性がある、ないしは自分が当選する可能性が高いという条件が無くなれば存在意義はありませんので、当然のことながら離党したほうがマシということになります。
ひどいことを書いてしまいましたが、こういうひどい状態になってしまったのもやはり小選挙区という選挙制度が原因です。
国内に決定的な対立がないわが国においては、小選挙区制度そのものに無理があったように思えてなりません。

財政を語る難しさ

立場上、私は県下の議員からいろいろな問い合わせを受けます。
それは、「こういう質問をされたのだが、どうなっているのか?」「どう答えていいのか?」というものがほとんどです。
県下の議員がこまめに歩いている証左でもあり、頼もしい半面、理解してもらうための説明が非常に難しいというジレンマに陥ります。
たとえばこういう質問です。
「防災、減災でニューディール債を発行するというが、もし買い手がいなければどうなるのか?」
こういう財政がらみの問題は、付焼刃が利かない分野ですので、理解してもらえるかどうかが大きな問題となります。
私は、財政を専攻しませんでしたので、大学1年か2年での一般教養の講義を受けただけです。
当時は、国債といえば引き受けシンジケート団がいて、問題なく買われていました。
その後、そういう制度は無くなっていて、入札制度になっています。(この入札にしても基本的手順があります)
したがって、理屈の上では当然買い手がつかない事例もあり得ます。
ところが、このシンジケート団が全くなくなってしまったのかというとそういうことでもありません。
制度がこうだから現実もこう、ということになっていないのが世の中です。ましてや国の仕組みですから奇々怪々です。
・・・という具合に国債引き受けの手順について生の知識があるかどうかがポイントで、もしなければ、最初の質問に対する説得力ある回答は難しいでしょう。
そのうえで、たとえば県議会議員なら千葉県債は売り出してどのくらいの時間で売り切れになるかという話を知っているともう一段階説得力が増します。
こうした知識というのは、こまめに新聞を読むとか、つねに問題意識を持って議会内の議論をしっかり聞いていないと身につかないものです。
周囲から「あの人は頭が良い」とか「切れ者」と言われる人でも、基本的知識がなければ議論できないのが現実です。
ですから私は、議員に最も求められる資質は、常に『勤勉』なのだと思っています。