日別アーカイブ: 2012年7月14日

ごみ焼却灰の一時保管計画

3・11の福島第一原発事故により、原発周辺地域のみならず、東葛地域にも放射性物質が降り注ぎました。
昨年の6月27日に、東京都の一般廃棄物処理施設焼却灰から高濃度の放射能が検出され、その後、東葛各地のごみ焼却灰からはたして8000ベクレル/kgを超える放射能が確認されました。
8月31日には、松戸、柏、流山、我孫子の4市と印西地区環境整備事業組合から県知事あてに緊急要望がなされました。
『8000ベクレル/kgを超える焼却灰の一時保管場所を確保してほしい』という内容でした。
そこで県は、焼却灰が発生する市町村の近隣地域内で、発生量の増加具合から一定面積が確保できる場所で、県が管理責任を果たせる場所という観点から手賀沼終末処理場を選定しました。県の立場からすれば、合理的な選定だったと思います。
一方、勝手に県に選定された地域の人たちにしてみれば、寝耳に水の話ですし、なぜ他の地域の焼却灰を引き受けなければならないのかという至極当然の反対が相次ぎました。この住民の方々の心情も理解できます。
ただ、私は一点だけどうしても誤解を解いておかなければならないと思っています。
それは、住民の方々が「なぜ、他の地域の焼却灰を我々が引き受けなければならないのか?」という思いの中には、自分たちだけが犠牲を強いられているという見方があるのではないかと思うのです。
しかし、それは誤解です。
松戸市には野菊の里浄水場があります。この浄水場は松戸市のみならず船橋、市川、鎌ヶ谷、白井の4市の水も賄っています。そして、浄水場においても放射性物質の含んだ汚泥が生じるのです。つまり、松戸市民も他市の皆さんの放射能の汚泥を引き受けているのです。それは、たまたま江戸川に面していて、たまたま浄水場があったということに他なりません。
また、流山市もまったく同じ事情から北千葉浄水場があり、この水は流山市民だけが飲んでいるのではなく我孫子市を含め11市の水をまかなっていて、やはり他市の分の放射能の汚泥を引き受けています。
したがって、少なくとも手賀沼終末処理場近くの人たちだけが犠牲を強いられているという誤解だけは解いていただきたいと切に願います。
(写真は汚泥保管状況の視察時のものです。実測してみると汚泥そのものは1.8マイクロシーベルト/時ですが、10メートル離れずに0.18程度になりました)