原子力政策は放射性廃棄物問題まで含めると少なくとも10万年は責任を負うのだと言います。
では、社会保障制度についての責任年数はどのくらいでしょうか?
かつて坂口力厚労相が『年金100年安心プラン』を打ち出した時、野党はこぞって批判をしました。
それも「100年なんて大風呂敷」「100年なんて無理」という論調だったのが私にはびっくりでした。
「100年が大風呂敷」で、かつ対案を示さない野党には、「では何年もたせればよいのか?」と逆に聞きたいと思いました。
その後、民主党は税方式という対案を示しましたが、今では一切だんまりを決め込んでいます。
それはそうでしょう。そもそも実現不可能なのですから、出来ることなら高速鉄道事故処理のように地中に埋めてしまいたい気持ちでしょう。
それはそれとして、たとえば賦課方式の年金制度であっても「100年もてば御の字」というのが一般的な見方なのでしょうか?
それで良いのでしょうか?
私はそうは思いません。私はノーです。
やはり本来、社会保障制度もまた未来永劫に継続していかねばならないものと思います。
Wikipediaによれば、年金制度は1889年にドイツで制定されたといいます。
「年金保険は30年以上保険料を払い込んだ70歳以上の高齢者に給付を行うものであり、公費負担が3分の1だった。ドイツで始まった社会保険の仕組みは、その後世界各国で導入されるようになる。」(7月27日現在)と記載されています。
「世界各国で導入」とはどの程度かは分かりませんが、財団法人年金シニアプラン総合研究機構のホームページ(7月27日現在)には、アジア10カ国、北米2カ国、南米3カ国、ヨーロッパ18カ国、オセアニア2カ国の計35カ国の年金制度が紹介されています。
つまり100年余りの間に30カ国ほどに導入されたわけです。
少なくとも日本では、もはやこの制度がなくなったら社会の存立が危ういことになるでしょう。
そう考えてみると、社会制度というものは基本的にすべて未来永劫の継続を前提に成り立っていることが分かります。
ドイツで年金制度が出来てまだたった122年です。
『100年安心プラン』などはまだまだ甘い、せめてあと878年もつくらいの制度を構築しなければと思います。
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