日別アーカイブ: 2011年7月17日

「もんじゅ」でも右往左往

7月16日の日経新聞に『「もんじゅ中止検討」すぐ撤回』という囲み記事がありました。
またしても、発言しては「訂正」し、発言しては「謝罪」をし、発言しては「撤回」しという、この政権では毎度おなじみのパターンが報じられた記事でした。
『右往左往』という言葉が本当に似合っている政権です。
しかし、政府高官の発言というのはきわめて重いものなのです。
もし、これが対外的なものであれば、「撤回」では済まない国際公約になってしまい、著しく国益を損なうことになります。
実際、民主党政権になって、鳩山総理時代からどれほど国益を損ねてきたことかと思います。
それが未だに反省なく続いているのは「人材」がいないということなのでしょうか。
さて、それはそれとして高速増殖炉の失敗は残念ながら認めざるを得ないというのが私の考えです。
現在、どのような検討が行われているのか分かりませんが、仮に研究を継続するとなればそれなりの論拠を示してもらわねばなりません。
税金を投入する以上、単純に良いことだからOKというわけにはいきません。
高速増殖炉に資金投入をすれば、その分他のところに資金投入が出来ないわけですから、機会費用(オポチュニティー・コスト)が発生します。
『もんじゅ』のホームページには、ナトリウム漏えい事故の内容がアップされていて、どういう事故でありどう乗り越えてきたのかが解説されていて評価できます。
あとは、諸外国がすべて中止や断念している中で、わが国だけが高速増殖炉を続ける説得力ある理由説明が必要です。
そして、「もんじゅ」はそもそも1995年の阪神淡路大震災以前の知見で建設されているのですから、安全性についての説明も当然求められます。