日別アーカイブ: 2011年7月8日

液状化の実際

千葉県環境研究センター 地質環境研究室のKさん(理学博士)に液状化についての最新の知見を伺いました。
Kさんからは、すでに何度もレクチャーを受け、実際に千葉市から浦安市の視察に同行していただいております。
そのたびに新たな発見が増え、液状化に対する見方が深くなります。
今回は、実際に液状化している映像を見せていただきました。
これは、3月11日の当日に、かつて千葉県東方沖地震で液状化した稲毛海浜公園のその後の調査をしていたときに、東日本大震災に出くわしたという、あまりにも液状化の専門家らしい体験により撮影できた映像でした。
かつて液状化した場所は、やはり液状化しやすい場所です。
稲毛海浜公園でも、ある一か所に噴砂が起こり、すぐに止みます。数秒後にその一か所が少し長い線状になって噴砂します。
そうこうしているうちに芝生の部分が隆起し出し、隆起した部分としなかった部分の境目からどんどん砂混じりの水が湧きあがってきます。
地震がおさまってからもしばらく砂混じりの水の噴き出しは続き、公園に大きな水たまりができてきます。
こうした映像を撮影できたのも継続的に調査を続けているからです。
私も、地質研究室の千葉県東方沖地震についての詳細な報告書を知っておりますので、これまで研究されている皆さんの労作業には頭の下がる思いでした。
しかし、今回のレクチャーでは、東日本大震災は当然として、これまでの中越、北海道、宮城、鳥取、芸予などなど、地震が起これば常に調査研究を続けてきており、しかもつい最近まで費用は交通費含めすべて自費、自分の休日を使ってデータや資料を集めていたということを初めて知りました。
こうした地道な研究者の努力に支えられて、県内の災害の分析や対策が立てられることを再確認しました。
私たちは、研究者のみなさんのモチベーションの高さやまじめさにしっかりと答えていかねばならないと決意を新たにした次第です。