松戸市は、ようやく『病院整備構想(案)』を出しました。
これまで10年間の議論によって『移転建替え』が松戸市の方針でした。
ところが、昨年の市長選で当選した本郷谷氏は『現地建替え』派でしたので病院移転をストップさせました。
そして、公募市民を交えた『松戸市立病院建替計画検討委員会』を発足させ、議論を振り出しに戻したのです。
その答申が出たのが本年2011年3月28日でした。
答申内容は、本郷谷氏の公約とは違い、『現地建替えは、現実の問題として非常に困難』というものでした。
設計上の自由度は制限され、工期が長く、工事費負担が多大であるばかりでなく、その間に発生する減収はきわめて大きい、長期にわたる工事期間中は患者の療養環境が悪化すると共に、基幹病院としての機能が著しく制限されるという結論でした。
今回、市長が出してきた『病院整備構想(案)』の『構想案を作成するにあたって』の冒頭にこう書かれています。
『この病院構想(案)は、平成23年4月4日に松戸市長に提出された松戸市立病院建替計画検討委員会の答申書を尊重し、新病院整備に向けた複数の案を取りまとめたものである。』
これは嘘です。
なぜなら答申では否定された450床がしっかりと生き残っており、複数案のうちの3つが450床案なのです。
そして、この答申の最も要の部分は『5年を目途に新市立病院の完成の道を探るべきである。』です。
最新の建物ができても医療スタッフがいなくては、それは『病院』ではないのです。
すると、これに合致する案は構想4と構想5しかありません。
構想案は3月11日の東日本大震災後に出されました。
いつ地震が起こってもおかしくない状況下にあります。
市立病院1号館も東松戸病院の6号館も耐震に大きな問題があるのです。
きわめて危険な建物だという認識がなさすぎます。
そこに入院している人、働いている人がいるということをわかっていないのではないかという気がします。
早く結論を出すことが大事だと思うのです。