日銀総裁が交代し、副総裁にも強気の金融政策論者がいて、経済学部を出た者の一人として今後の金融政策、財政政策には期待するところが大です。
昨年の11月13日に興味深い報道がありました。財務省がバングラディシュ中央銀行から通貨(タカと言うそうです)製造を受注したというのです。この記事を見ていろいろなことを思いました。
最初は、「そうか、日本の通貨製造技術はかなりすぐれているのだな」という思い。次に、「バングラディシュは自国で通貨製造が難しいのだな。技術的になのか、経済的になのかはともかくとして。」と言う思いでした。
しかし、よくよく考えて見えるとわが国の通貨製造は江戸時代の徳川家光の時代です。それまでは(中国の)永楽通宝を使っていました。つまりそれまでは外国から通貨を輸入していたわけです。
他国の通貨を輸入してそのまま使っていたとなれば、少なくとも金融の世界では中国経済圏のもとに置かれていたということになります。
しかも、Wikipediaによれば、寛永13年(1636年)銀座設置とありますが、寛永14年のところには、「水戸銭:常陸水戸で鋳造」「仙台銭:陸奥仙台で鋳造」「吉田銭:三河吉田で鋳造」のほかにも「高田銭」「萩銭」「岡山銭」「竹田銭」という通貨が全国各地で鋳造されており、寛永通宝が実際に統一的に全国に流通したのは、さらにさらにしばらく後と思われます。通貨は使われてこそ通貨であって、存在しているだけでは意味がありませんので。
自国で自国の通貨を流通させてこそ独立国、主権国家だという見方をすれば、日本の通貨の歴史は日本の歴史の中では意外と浅いものと言う印象です。
デフレ脱却へ向けて動き出す「新生」日本銀行から、いろいろつまらないことを考えてしまいました。
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