日本維新の会の政策綱領に批判が集まっています。とりわけ憲法観に問題があると言います。
『日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる』この箇所に違和感を覚える人は少なくないと思います。
非常に気になるのは、『何が』こうした憲法観につながっているのかという点です。
戦勝国が敗戦国をさばいた東京裁判なのか、国際法を無視する諸外国の行為なのか、国民のいわゆる平和ボケなのか、その根拠が今一つわからないのです。
石原(当時)都知事が尖閣諸島を買う時も、国が買わないから東京都が買うという言い分は理解できますが、それをわざわざアメリカへ行って言うところに今一つ違和感を覚えました。
「アメリカへ行くから何か恰好のいいことを言ってやろう、そうだ尖閣だ」といった意識がなかったか、勘ぐりたくなってしまいます。
もしかしたらと思うのが、1990年の湾岸戦争です。
8月2日深夜に突如イラクがクウェートに侵攻します。これに対して米国を中心とした多国籍軍がイラク攻撃に踏み切りますが、憲法上の制約で、自衛隊は多国籍軍に参加できませんでした。そこで日本は130億ドルという巨額な資金提供を行いました。ところが、戦争後にクウェートが米紙に出した感謝広告に日本の名がなかったという問題です。
わが国の稚拙な資金提供の仕方を差し引いても、ほとんどの資金は米国になされたものであり、クウェートへ出したものではありません。
その一方で、3・11の時にどの国が真っ先に駆けつけてくれたのか、どの国が支援金を送ってくれたのか、私たちは意外に知りません。実は、経済的に厳しい国々ふくめ140か国を超える国が支援金やボランティアを出してくれています。
それを考えると、日本が『孤立と軽蔑の対象』となっているとは思えませんし、もしそう考えているのだとすれば支援してくれた多くの国にむしろ失礼だと思うのです。
いずれにせよ、何か理由があって「孤立」と「軽蔑」の憲法観が醸成されたのでしょう。それが一体何かをぜひ知りたいと思います。
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