日別アーカイブ: 2013年4月4日

地方債利率と地方分権

今日の読売新聞朝刊に『千葉市債 利率最低』と言う囲み記事がありました。
千葉市が本日売り出す公募債の利率が、0.58%で10年物では過去最低だというのです。
もちろんこれは千葉市民にとっては大変うれしいことです。しかし、その一方で千葉市の財政状況が非常に苦しいこともまた事実です。
このように、千葉市に限らずどこの自治体であれ、その自治体の財政力や財政状況にほとんど関係なく地方債の利率が決まっていくように見えます。そして事実、千葉県債なども売り出すや否やあっという間に売り切れてしまいます。
要するに、自治体の状況に関係なく、必ず国が返済を保証してくれるから地方債は絶対安全だということに他なりません。
本来、自治体に厳密な意味での課税権はありませんので、それほど低利の利率になるはずがなく、国の後ろ盾が無くなれば利率が跳ね上がる自治体が出てきます。
皮肉な言い方になってしまいますが、利率の低さは地方分権が進んでいない証拠でもあります。
さて、道州になるとこの地方債の扱いは非常に困ります。地方債残高の多い道府県とはどこも一緒になりたくないでしょう。
国債のほうの考え方も非常に難しい。それは赤字国債の分担の話にとどまりません。
たとえ建設国債であれ、「なぜわが道州に無いインフラの借金をわが道州が負担しなければならないのか」という主張にどう答えればよいでしょうか。
『地方分権』と『国債・地方債』の問題は、本当に頭の痛い課題です。