日別アーカイブ: 2013年4月8日

災害対策と海上輸送力の確保

4月6日の公明新聞・土曜特集は、河田惠昭関西大学社会安全研究センター長のインタビュー記事でした。
河田教授は、南海トラフ巨大地震についてこう話しています。
『約700市町村に被害が生じるスーパー広域災害では、そのすべての自治体を救援することは難しい。11万人の陸上自衛隊が行う救援活動には限界がある。救援の手が行き届かない地域が自力で頑張るために大切なことが連携だ。』
東日本大震災において、私には非常に気になったのが自衛隊の輸送力でした。『揚陸艦』がないというだけではなく、かなりの程度米軍の力を借りなければなりませんでした。
また、海上輸送に活躍したフェリーについては、いろいろと考えなければならない点があると思いました。
妻の故郷が宮崎県だったので、私はしばしば川崎から日向へのオーシャンフェリーを利用させてもらいました。
私のように計画的に休暇を取れない者には、前もって航空券を予約することができません。遠方への移動手段はフェリーの2等に飛び乗るしかないのです。
そのフェリーが、時代の流れとともにどんどんなくなっています。もう東京から宮崎へいくフェリーも、一度は乗ろうと思っていた宮崎から屋久島へ行くフェリーもいつの間にか無くなっていました。
その一方で、東日本大震災でのフェリーの輸送力は目を見張るものがありました。
たとえば、太平洋フェリーは陸上自衛隊員20181人・車両5605台、都道府県関係者2066人・132台、消防局1506人・274台、警察513人・99台など、合計25888人、車両6406台を輸送しています。
中長距離フェリー15社では、総計66800人、車両17900台です。もしフェリーがなければ救援の手はどれほど滞ったかと思います。
南海トラフ大地震が起こることが想定されている中では、フェリーを存続させておくことも大事な災害対策です。私は、自衛隊の輸送力をさらに向上させることともに、民間フェリーの確保も忘れてはならない課題だと思っています。