日別アーカイブ: 2013年4月15日

水道事業の統合は可能か

数週間前、大阪が水道事業を統合するという何かの記事を見ました。
正直なところ、「よくぞ実現にこぎつけたな」という思いでした。私には、可能なこととは思えなかったからです。
統合すれば、料金の上がるところと下がるところが出てきます。下がる地域は結構でしょうが、料金の上がる地域は当然反対するでしょう。何もしなければ安いままなのに、統合すれば高くなるのですから。
これが実現するとすれば、その条件はただ一つ。水道料金の安いところからの提案であることです。
この条件と関係なく実現するとすれば、橋下市長の圧倒的人気が実現理由なのかなと思いました。
ところが、週刊東洋経済4月20日号に『目玉の政策が袋だたき 陰る橋下氏の政治力』という記事があり、そのなかで『大きな公約の一つであった大阪市水道局と大阪広域水道企業団の統合がほぼ絶望的になった』と報じられています。
やはり、無理な公約だったかと思った次第です。
このように全体としてはコスト減となる。しかしながら、ある地域では大幅に料金が下がるもののある地域では料金が上がるケースでの賛同を得るというのは常に悩ましい問題です。
水道事業に限らず、国民健康保険事業、介護保険事業などありとあらゆる公共サービスにこの課題があります。
正確でわかりやすい情報をどれだけ住民に開示して理解していただくかが行政のなすべき第一歩です。これなくしては、解決の糸口すら見い出せるものではありません。そして、ケースによっては行政が決めない、という選択肢があってもよいのかもしれません。