月別アーカイブ: 2月 2013

地方財政の理解は難しい

今日の公明新聞に木庭健太郎総務部会長の『地方公務員給与の削減』についてのインタビュー記事がありました。
地方財政というのは制度そのものが本当に難しいので、この記事をお読みになった方も理解しにくかったのではないでしょうか?
正直に言って、実は私にもよくわかっていません。
たとえば、地方公務員の給与引き下げを強制ではなく要請にした意味は?と問われて木庭議員はこう答えています。
「既に、定員削減や給与の引き下げなどさまざまな行政改革の努力をしている地方自治体も少なくありません。中には国以上の努力をしている所もあり、さらに全国一律で7.8%切り込むというのは現実的に不可能です。このため(略)強制ではなく要請という形をとりました」
そこで、記者が「給与削減分だけ国から地方に渡される交付税が減らされる、という懸念も地方にありましたが。」と尋ねると、木庭議員は「給与関係経費を地方歳出ベースで8500億円減らしています」と答えています。
このあたりで私にはよくわからなくなります。「要請」と「8500億円削減」の関係性が説明できません。地方財政は本当に難しいと思います。
毎年の地方財政計画を数字で追っていけば、地方財政の傾向はすぐに見て取れます。
まず、投資的経費は平成8年度をピークに激減しています。にもかかわらず公債費は平成15年度以降はほぼ横ばいです。
投資的経費が激減しているのに何故?と言えば、国が交付税を出せないので、地方は臨時財政対策債という借金をさせられているからです。
そして、今問題となっている給与関係経費は、平成18年をピークに減少しています。これも見た目はあまり下がっていないように見えますが、団塊の世代の方の退職手当が大きいのです。この退職手当の影響を除けば給与関係費も相当減少しています。
では、地方の歳出では一体どこが増えているのかというと、もうお分かりの通り一般行政経費です。増えている原因も、減らすことの難しさも明確です。
こういう地方財政のありのままの形を理解しないと議論が進みません。国と地方が喧嘩をしているような印象を与えては、無駄な議論に時間を費やすことになりかねません。
地方財政は本当に難しい、つくづくそう思います。

立川断層帯のトレンチ調査

東京大学地震研究所の立川断層帯トレンチ調査が行われていました。
その調査溝が、2月8日、9日にせっかく一般公開されるというのに日程が取れません。本当に残念です。
8日は朝の予定があるので、どうしても10時発となります。すると武蔵砂川着11時43分です。
午後2時には稲毛の「子どもと親のサポートセンター」に伺いますので、武蔵砂川を11時46分に出なければなりません。
9日は、松戸⇒千葉⇒茂原と夜までびっしり日程が入っています。これでは無理ですね。
立川断層帯は、基本的なイメージとして、南は京王線・聖蹟桜ヶ丘駅の北西、百草園駅の南東、国道20号線のあたりから北西に向かって伸びています。
そして、立川駅のすぐ東側の国道16号線とJR中央線とが交差するあたりを通り、西武拝島線・武蔵砂川駅の400メートルほど東側を通り、JR箱根ヶ崎駅の北側の国道16号線とJR八高線とが交差するあたりを通り、青梅市富岡方面へ達っするとされています。
前回は、島崎先生はじめ日本活断層学会の三浦半島断層群の見学チャンスも逃し、なかなかフィールドに出られない状態が続いています。
昨日は、ソロモン諸島沖でマグニチュード8.0の地震がありました。おそらくスマトラの地震・大津波から東日本大震災・大津波も含めすべてが連動したものなのでしょう。
少なくとも政治家や行政担当者は、そのように『連動』しているという観点に立って、防災・減災ニューディール政策を講じていかなければならないと思います。

公務員給与「国」と「地方」

今朝の日経新聞のコラム『列島追跡』は、ラスパイレス指数をめぐる国と地方の論争を取り上げたものでした。
ラスパイレス指数とは、国家公務員の給与水準を100としたときの地方公務員の給与水準を表す指数です。100より高ければ地方公務員の給与水準は国家公務員よりも『高い』給与水準ということになります。
昨秋、財務省はラスパイレス指数が107だと試算しました。それだけ地方公務員の方が高いのだから給与を下げよというわけです。
ところが、日経新聞のコラムによれば、そんな単純な話ではないというのです。
『実はラスパイレス指数は11年度までは8年連続で100を切っていた。平均すれば地方公務員給与は国より低い状態が続いていた。それが12年度は逆転する見込みだ。震災復興財源という名目で国家公務員の給与を12~13年度限定で7.8%カットしたためだ。』
そこで、知事会は『瞬間風速に過ぎない2年のカットと(地方の)恒久的措置を同じ土俵に乗せるのが間違い』と反発していると報じています。
さて、私はもっと根本のところで前々からおかしいと思っていたことがあります。
そもそもラスパイレス指数とは何ぞや?ということです。
この給与水準を比較する指数には様々な手当てが入っていません。全国各地の自治体には独自の手当てがありますが、その特殊勤務手当は計算外なのです。もし手当の部分を含めれば地方公務員の給与水準は高くなるはずです。
一方、国家公務員の給与の方には各省庁の局長の給与が入っていません。局長の高い給与を計算に入れないのですから国家公務員の給与水準は安く計算されます。
つまり、ラスパイレス指数とは虚構の数字による計算値なのです。したがって、私はかねてよりすべて公表すべきと主張しています。
従来通りのラスパイレス指数と特殊勤務手当をもっと加味したラスパイレス指数と国家公務員の局長給与を加味したラスパイレス指数の3つを公表すればより現実的な比較ができます。そうではありませんか?

新人議員研修の勉強

先月、多くの支持者の方々のお力で大多喜町に新人議員が誕生しました。
早速、新人議員研修を行いますが、私に与えられた担当は「議会活動及び質疑応答」とのことで1時間の講座となります。
新人議員といっても、その方の前職によって当然講座内容は変わってきます。それこそ主婦の方もいれば、自営の方もサラリーマンだった方もいて本当に様々です。
私が考えているのは、1)議会とは何ぞや 2)国と地方の関係 3)数字で町を語ろう という3つの内容です。
1)「議会とは何ぞや」ですが、議会がどのように運営されるかは経験していけばわかることです。それよりも議会のあるべき姿、議会と首長の関係といったことを歴史的にお話した方が良いかと思いました。
2)「国と地方の関係」も押さえておくべきと私は考えます。
当たり前のことですが、歴史的にはまず地域社会の成立があって、その後に国が成立します。
現在は、確かに地方自治法などの法律で都道府県や市町村の事務は規定されていますが、そのような法律が制定される遥か以前から地域社会は延々と運営されていたという歴史があるのです。
ですから、地方自治法に定められた地方自治体の事務内容や、それぞれについての国の関与には明確な区分の理屈がありません。
長い長い歴史の中で、国の妥協があったり、地方の妥協があったりして、事務ごとに関与がバラバラに定まり定着してきたという内容が法律になっているのです。このことは押さえておかないと頓珍漢な発想になってしまうように思います。
3)「数字で町を語ろう」は、新人議員研修ですのでなるべく具体的に大多喜町に限定して学びたいと思います。
偉そうな書き方になってしまいましたが、一日も早く議員として一本立ちをして、地域住民の皆様の文字通り手足となって働くことができるようしっかりとサポートしてまいりたいと思います。

「七十二候」にみる日本語の美しさ

先日、俳句結社『雑草』副主宰の千葉先生から「一度読んでご覧なさい」と、『日本の七十二候を楽しむ』(東邦出版)という書籍を賜りました。
早速開いてみると、思わずため息が出るほど美しい日本語なのです。
この本の最初に、幕末の国学者である橘曙覧(たちばなのあけみ)の歌が出てきます。
『たのしみは朝おきいでて昨日まで無りし花の咲ける見る時』
まず、この段階から頭が下がる思いです。
さて、七十二候というのは、まず1年が春夏秋冬の4つに分かれます。それをそれぞれ6つに分けると二十四節気となります。それをさらに「初候」「次候」「末候」の3つに分けると4×6×3で七十二侯になるというわけです。こういう私の理解は多分間違っているのでしょうが計算はそうなります。
たとえば「春」は「立春」「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」「穀雨」の6つに分かれます。
そして、「立春」の初候は『東風凍を解く(とうふうこおりをとく)』というのです。
なんと美しい言葉かと思います。暖かい風が吹いて氷を解かす。
ちなみに次候はパソコンに漢字がないのでひらがな混じりで書きますが『黄鶯(うぐいす)なく』、末候は『魚氷に上る(うおこおりにあがる)』です。暖かくなって湖や川の氷が解け魚が跳ね上がるというのですね。
あらためて日本語の美しさを認識し、未来永劫に守っていかねばならないと思った次第です。
最初に紹介された橘曙覧の歌は、『独楽吟』の中の一首です。
これは「たのしみは・・・」から始まって「・・・とき」で終わる形式の和歌になっています。
私の心境にピッタリな歌は『たのしみは百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出(い)できぬる時』です。
私の場合は、歌ではなく句ですが、なかなか作れなくて困っています。やっと句ができた時はまさに「たのしみは・・・」の心境になります。これからは美しい日本語を少しでも意識してまいりたいと思います。