日別アーカイブ: 2013年2月4日

公務員給与「国」と「地方」

今朝の日経新聞のコラム『列島追跡』は、ラスパイレス指数をめぐる国と地方の論争を取り上げたものでした。
ラスパイレス指数とは、国家公務員の給与水準を100としたときの地方公務員の給与水準を表す指数です。100より高ければ地方公務員の給与水準は国家公務員よりも『高い』給与水準ということになります。
昨秋、財務省はラスパイレス指数が107だと試算しました。それだけ地方公務員の方が高いのだから給与を下げよというわけです。
ところが、日経新聞のコラムによれば、そんな単純な話ではないというのです。
『実はラスパイレス指数は11年度までは8年連続で100を切っていた。平均すれば地方公務員給与は国より低い状態が続いていた。それが12年度は逆転する見込みだ。震災復興財源という名目で国家公務員の給与を12~13年度限定で7.8%カットしたためだ。』
そこで、知事会は『瞬間風速に過ぎない2年のカットと(地方の)恒久的措置を同じ土俵に乗せるのが間違い』と反発していると報じています。
さて、私はもっと根本のところで前々からおかしいと思っていたことがあります。
そもそもラスパイレス指数とは何ぞや?ということです。
この給与水準を比較する指数には様々な手当てが入っていません。全国各地の自治体には独自の手当てがありますが、その特殊勤務手当は計算外なのです。もし手当の部分を含めれば地方公務員の給与水準は高くなるはずです。
一方、国家公務員の給与の方には各省庁の局長の給与が入っていません。局長の高い給与を計算に入れないのですから国家公務員の給与水準は安く計算されます。
つまり、ラスパイレス指数とは虚構の数字による計算値なのです。したがって、私はかねてよりすべて公表すべきと主張しています。
従来通りのラスパイレス指数と特殊勤務手当をもっと加味したラスパイレス指数と国家公務員の局長給与を加味したラスパイレス指数の3つを公表すればより現実的な比較ができます。そうではありませんか?