日別アーカイブ: 2012年6月6日

金星の太陽面通過

中学校の理科だったか、高校の物理だったか、初めてニュートン力学の初歩を学んだ時の驚きは今でも覚えています。
「重力加速度に時間の二乗をかけると距離になる」というシンプルかつエレガントな数式です。
当時の私には、ニュートン力学のあれこれは実に美しいものに見えました。しかし、やがてそこに綻びが生じます。
太陽の近くを公転する水星の軌道が、ニュートン力学での計算と実際の観測とで微妙にずれるというのです。
そのずれをアインシュタインの有名な一般相対性理論を使って計算するとピタッと合うというのです。
つまり、ニュートン力学は弱い重力の場では成立するものの、太陽のような強い重力の働く場では成立しないことが判明しました。
そんなわけのわからない話にどんどん進んで行って、小学生のころに将来は物理学者になろうと(ぼんやりと)決めていた私は、その夢を断念したのでした。
空間と言うのはスポンジみたいな柔らかなものだそうです。
スポンジの上に鉄の球を置くと凹みます。その近くにもう一つ鉄の球を置くと二つの鉄球は近づいて行ってぶつかります。
この二つの球が寄っていくのが重力だというのです。このスポンジ理論はイメージとしては理解できます。
しかしまあ、そもそも空間がスポンジみたいなものだという発想に至った時、これをどうやって他人に理解してもらうか困ったでしょうね。今でも納得できない人がたくさんいるでしょう。
金星の太陽面通過は見ることができませんでしたが、金環日食ですとか月食ですとか空を見上げるたびに、「これがスポンジなのかあ」と今でも思ったりします。

小水力発電のハードル

市原市の田淵川にある小水力発電の実験施設を視察させていただきました。
やはり、実物を見るのが一番。『百聞不如一見』だと思いました。
株式会社 新工法開発研究所の皆様、大変にありがとうございました。
小水力発電は、発電装置の効率性を高めることやより安全な設置などの技術的なことをクリアーすることもさることながら、実は昔からある水利権の問題が障害になっているとのことでした。
国あげて小水力発電に取り組もうとなっているのですから、水利権のあり方も合わせて検討されなければなりません。
時代時代に合った権利、また地域地域にあった権利でなければなりません。全国津々浦々、対象がどうあれ、何でもかんでも一律というのはそもそも無理があります。
かと言って、水利権はやはりある意味で死活的に重要な権利でもありますので、総合的に勘案しながら、最も正しく価値的な判断をしなければなりません。
そうした問題があるということを具体的に知ることができましたのも、実際に現地を視察した成果かと思いました。
しかし、それにしても市原市とは実に広大な自治体で、今日一日だけで何と200キロ近く車を走らせました。
行けども行けども市原市。今さらながら驚きます。