月別アーカイブ: 1月 2012

議会改革へ第一歩を

各地の市町村議員と話していて驚いたことがあります。
それは、『議会選出の監査委員は議長経験者でないとなれない』という不文律があるということでした。
最初、某町議会議員から伺ったときは、「何ですか?それ!」とびっくりしましたが、そこは千葉県内でも小さな町でしたので、『世の中には遅れた地域』があるんだなあと思ったのでした。
ところが、つい最近になって複数の市や東京に近いところの市でさえも全く同じ慣習があると知って、少なからずショックを受けました。
議長を経験しないと監査委員になれないとするならば、監査委員というポストは、まるで議長後の『あがり』のポストです。
もし、議長経験がなければ行政の仕組みもわからず監査なんてできないという理屈だとすれば、議長経験者にどれほどの行財政知識があるか伺いたいものです。
監査委員になる議長経験者には行財政知識についての試験を実施するよう住民は要求すべきでしょう。
それに本気で、『監査には行財政知識』が必要だというのなら、そもそも議会から選出するのではなく、会計士などの専門家を監査委員にすればよいだけのことです。
議会から選出する意味は、普通の社会人としての感覚や発想でも良いということだと思います。議長経験者のあがりのポストにする意味はどこにもありません。
せめてこうしたところから議会改革の第一歩を踏み出してもらいたいものだと思います。
千葉県も松戸市も議長経験者が監査委員になっていませんでしたので、私はこの事実にこれまでまったく気づきませんでした。
私はこれまでも主張してきたとおり『議員は議会という行政をチェックする場を与えられているのだから、監査は専門家が専門家の目で実施すべきもの』だと思います。

政治を監視するとは

週刊東洋経済1月21日号は『相次ぐ不祥事で判明した企業頼み政策の危うさ』というタイトルで、企業が運営する保育所の誘致を行ってきた横浜市を批判しています。
厳密に読めば、批判というよりも問題点を浮き彫りにしたということなのかもしれませんが、もう一つのタイトルも『これでいいのか 待機児童対策』です。
実際のところ、この記事の読み手も「横浜市はとんでもないことをやっている!」と怒りに震えるようなことはないと思います。
読者は賢く、政策には良い面もあるし悪い面もあるときちんと解釈をしながら読んで、悪い面を是正しながらきちんと保育行政をやらなければだめだろうと心の中でつぶやくのかもしれません。
この記事を読んで、実は私が思い出したのは、まさにこの政策を推進した中田宏元市長の発言でした。その発言をこのブログに書きたいと思ったのです。

『横浜で高齢者福祉の見直しをやりました。(筆者注。公営地下鉄やバスの無料パスを有料にしたことを指す)必要のない人にまで出すのはおかしいと、僕は有料制に改めました。ところが老人クラブ連合会から、ものすごい反発があった。(中略)ところが一方で、待機児童を減らそうと保育園を増やすでしょう。でも賛意の声はまったく上がらない。「お蔭で助かった。ありがとう」と言ってくれる若い夫婦が、少しはいてもよさそうに思うけど、全然いない。感謝されたくて言っているのではないですよ。コミットメントがないということです。』

『政治を監視せよ』とは先哲の有名な言葉ですが、政治を監視するとはどういうことかなのかが改めて問われているように思うのです。
ある政策に対して、コミットメントを出す、意見を述べていく、これこそが政治を監視することなのでしょう。
よく言われるように、私たち日本人は、もうわかっているだろう、こういうことだろう、言わずもがなだろう、と思ってしまいがちです。
私たちが暗黙の了解としている「発言を控えるのが大人」という感覚は、あくまで生活レベルの話であり、政治や制度を変えるには良いものはよい、悪いものは悪い、ダメなものはダメとびしびし意見するしかないと思うのです。

コシノヒロコさんの話

山本柊花句集「一如」・古郡孝之句集「遠浅間」出版記念会に参加させていただきました。
その席で、俳句誌「風の道」の大高霧海主宰(渋谷区教育委員会委員長でもあります)が「毎日新聞の1月11日夕刊にこんな話がありました」とコシノヒロコさんの話をされました。
インタビューで「長唄、三味線も大変な腕前とか。お忙しいのに多趣味ですね。」との質問に対してヒロコさんはこう答えたというのです。
『あら、忙しいからこそできるの。それに趣味だからって中途半端はダメよ。プロのレベルを目指すくらいの気持ちがないと。肝心なのは本業である心棒を、どれだけ強固な枝葉で支えていけるか。私の場合は、洋服が心棒でしょ。それを絵画や音楽という枝葉で支えていく。生半可な趣味では枝が折れ、心棒も腐ります。だから何事も努力が肝心。努力すれば、ものの見方が変わり、やりたいことも見え、人に対しても余裕ができ、人を幸せにすることもできる。(以下略)』
非常に心に残る話でしたので、霧海先生にブログに書かせていただきますが・・・と申し上げました。
風の道の結社の人たちは、皆人柄もよく気配り心配りの行き届いた方々で、とても和やかな集いとなりました。
昨年は本当に大変な年でした。今年こそ幸せな年であることを祈りたいと思います。
この日、私は『飛び立ちて光の粒に初雀』という句を投句しました。

関さんの森のこと

私は森が大好きです。小学生のころは毎日のように東漸寺の山を走り回ったり木登りをしていました。
さて、関さんの森の一角の道路工事が進んでいます。
日本は民主主義の国、自由主義の国ですからいろいろな意見があります。「森の木は一本でも伐ってはダメ」という人も「道路をつなげるためには伐採もやむを得ない」という人もいます。およそ人間社会のことにたった一つが正解ということはないのが普通です。そこで対立する利害を調整するために政治があります。
二ツ木幸谷土地区画整理の中で関さんの森を都市計画道路が通ることになっていましたが、政治はどう解決したのでしょうか。
都市計画道路のままでは道路の位置や幅員に融通が利きませんので、一部を松戸市道にすることによって、コースを変えてできるだけ木を伐らずに済むようにしました。
道路の線形は多少悪くなりますが、森をある程度守りながら道路を通すことができます。
一方、デメリットもあります。土地区画整理事業の中の街路から、松戸市が整備する市道に変えたために市民の税金が使われることになります。
しかし、この道路は国道6号線から新松戸方面、三郷方面へ向かう、松戸市を南北に貫く幹線道路です。決して一部の市民が使うだけの道路ではありませんので、市民全員が負担することにも十分理屈が通ります。
現在は遺跡の発掘調査などをしていますが、いよいよ開通まであと半年ほどとなりました。
これまではただ通過のための自動車やトラックが幸谷、小金清志町、小金上総町などの生活道路や通学路に入り込んで来て危険な思いをしていましたが、ようやくそれらが解消されることになります。
開通へ向けて大変な努力をされてきた関係者の皆さんに心から感謝したいと思います。

桜島の噴火回数

千葉に住んでいるとどうしても火山についての関心が薄れます。県内に火山はありませんし、活断層もありません。
しかしながら、県内に原子力発電所がなかったことから、あまり関心をもってこなかったことが今となっては悔やまれてなりません。
やはり、火山災害のような生活に多大な影響を与える災害については常に注意を払わねばならないと思っています。
さて、桜島です。噴火回数がこのところ異常に多いのです。昨年12月の一か月で125回の爆発です。
今年になっても減少する気配がなく、1日に16回、2日に4回、3日に16回、4日に8回、5日に29回、6日に4回、7日に19回、8日に11回、9日に21回、10日に12回、そして今日は26回の爆発です。
気象庁が噴火警報、噴火警戒レベルの発表を始めたのは平成19年12月1日からでした。
噴火警戒レベルを導入した火山は全国に30ほどありますが、レベルは平常の「1」から避難の「5」まであります。
現在のところ、私たちの生活に影響を及ぼしそうな関東の火山、たとえば那須岳、草津白根山、浅間山、箱根山、富士山などすべて「1」の平常です。
「2」の火口周辺規制となっているのは、三宅島や鹿児島県沖の薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島の4つです。
その上の「3」入山規制が敷かれているのが新燃岳と桜島なのです。
幸い「4」避難準備や「5」に該当する火山はありません。
地震があると火山活動が活発化する事例はかねてより指摘されていますし、浅間山のようにほとんど前兆なしにいきなり噴火する山もありますの注意は必要です。(写真は浅間山です)
火山についてのハザードマップはほぼ出来上がっています。しかし、津波の際もそうであったように、そこに『想定外』という落とし穴がないのか、私はやはり火山についても見直しをすべきなのではないかと思うのです。