月別アーカイブ: 4月 2013

田園地帯の鍔迫り合い

千葉県内には『ヤード団地』と呼ばれる地帯があります。
もちろんヤード自体は、松戸市内はじめどこにでもありますが、『地帯』となると話は別です。
ヤードとは、フェンスで覆って内部が見えないようにしている土地の一角です。
工事現場などでよく見かけるように、埃などの対策、危険な区域なので人が出入りしないようにする、防音などのためにフェンスで覆うことはよくみられます。
しかしその一方で、見えないことから内部で何が行われているかわからないという欠点があります。
稀に有害物質を扱っていたり、盗難車を解体していたりする可能性がありますので、警察は取り締まらねばなりません。
地上からは内部の確認ができませんので、警察ヘリコプターで上空から見張る必要があります。
しかし、『団地』と呼ばれるほど数多くのヤード群があれば、一口に見張ると言っても容易なことではありません。
犯罪と捜査のいたちごっこのような激しい戦いを、ごく普通の田園地帯にもひしひしと感じるのです。

何がこの憲法観につながっているのか?

日本維新の会の政策綱領に批判が集まっています。とりわけ憲法観に問題があると言います。
日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる』この箇所に違和感を覚える人は少なくないと思います。
非常に気になるのは、『何が』こうした憲法観につながっているのかという点です。
戦勝国が敗戦国をさばいた東京裁判なのか、国際法を無視する諸外国の行為なのか、国民のいわゆる平和ボケなのか、その根拠が今一つわからないのです。
石原(当時)都知事が尖閣諸島を買う時も、国が買わないから東京都が買うという言い分は理解できますが、それをわざわざアメリカへ行って言うところに今一つ違和感を覚えました。
「アメリカへ行くから何か恰好のいいことを言ってやろう、そうだ尖閣だ」といった意識がなかったか、勘ぐりたくなってしまいます。
もしかしたらと思うのが、1990年の湾岸戦争です。
8月2日深夜に突如イラクがクウェートに侵攻します。これに対して米国を中心とした多国籍軍がイラク攻撃に踏み切りますが、憲法上の制約で、自衛隊は多国籍軍に参加できませんでした。そこで日本は130億ドルという巨額な資金提供を行いました。ところが、戦争後にクウェートが米紙に出した感謝広告に日本の名がなかったという問題です。
わが国の稚拙な資金提供の仕方を差し引いても、ほとんどの資金は米国になされたものであり、クウェートへ出したものではありません。
その一方で、3・11の時にどの国が真っ先に駆けつけてくれたのか、どの国が支援金を送ってくれたのか、私たちは意外に知りません。実は、経済的に厳しい国々ふくめ140か国を超える国が支援金やボランティアを出してくれています。
それを考えると、日本が『孤立と軽蔑の対象』となっているとは思えませんし、もしそう考えているのだとすれば支援してくれた多くの国にむしろ失礼だと思うのです。
いずれにせよ、何か理由があって「孤立」と「軽蔑」の憲法観が醸成されたのでしょう。それが一体何かをぜひ知りたいと思います。

災害対策と海上輸送力の確保

4月6日の公明新聞・土曜特集は、河田惠昭関西大学社会安全研究センター長のインタビュー記事でした。
河田教授は、南海トラフ巨大地震についてこう話しています。
『約700市町村に被害が生じるスーパー広域災害では、そのすべての自治体を救援することは難しい。11万人の陸上自衛隊が行う救援活動には限界がある。救援の手が行き届かない地域が自力で頑張るために大切なことが連携だ。』
東日本大震災において、私には非常に気になったのが自衛隊の輸送力でした。『揚陸艦』がないというだけではなく、かなりの程度米軍の力を借りなければなりませんでした。
また、海上輸送に活躍したフェリーについては、いろいろと考えなければならない点があると思いました。
妻の故郷が宮崎県だったので、私はしばしば川崎から日向へのオーシャンフェリーを利用させてもらいました。
私のように計画的に休暇を取れない者には、前もって航空券を予約することができません。遠方への移動手段はフェリーの2等に飛び乗るしかないのです。
そのフェリーが、時代の流れとともにどんどんなくなっています。もう東京から宮崎へいくフェリーも、一度は乗ろうと思っていた宮崎から屋久島へ行くフェリーもいつの間にか無くなっていました。
その一方で、東日本大震災でのフェリーの輸送力は目を見張るものがありました。
たとえば、太平洋フェリーは陸上自衛隊員20181人・車両5605台、都道府県関係者2066人・132台、消防局1506人・274台、警察513人・99台など、合計25888人、車両6406台を輸送しています。
中長距離フェリー15社では、総計66800人、車両17900台です。もしフェリーがなければ救援の手はどれほど滞ったかと思います。
南海トラフ大地震が起こることが想定されている中では、フェリーを存続させておくことも大事な災害対策です。私は、自衛隊の輸送力をさらに向上させることともに、民間フェリーの確保も忘れてはならない課題だと思っています。

小児がん対策が前進

今日の公明新聞に『医療の谷間に置かれてきた 小児がん対策が前進』という記事がありました。
がんを大別すると「癌腫」と「肉腫」があります。粘膜にできるか筋肉・骨・血液にできるかという違いがあり、小児がんのほとんどが「肉腫」です。
小児がんは、、症例が少なく専門医が育ちにくいことがかねてより指摘されてきました。そこで、高い医療技術が提供できる拠点病院を指定し、そこに患者を集約しようというわけです。
公明新聞は、全国で15病院が指定されたと報じています。首都圏では東京都にある「国立成育医療研究センター」と「都立小児総合医療センター」、神奈川では「県立こども医療センター」、埼玉では「県立小児医療センター」の4病院です。残念ながら千葉県内の病院は指定されませんでした。
私は、昨年11月28日の議会で小児がん対策を取り上げています。
『小児がんの年間患者数は、2000人から2500人であることから、地域によっては治療経験の少ない医療機関で治療せざるを得ず、必ずしも適切な治療が受けられていないことが指摘されている。(略)県として、小児がんに対してどう取り組んでいくのか。また、県内に「学会の認定施設」の要件を満たす病院はあるのか。』
これに対し坂本副知事は、千葉県での年間死亡者数は数十人であるとし、新たながん対策推進計画に盛り込んで取り組んでいくとの答弁でした。
そして、『「学会の認定施設」の要件を満たす病院は、県内では現時点で、千葉大学医学部付属病院のみ』だとしました。
このたびの厚生労働省の指定に千葉県内の病院はもれましたが、県内にそのレベルの病院がないということではありません。
あくまでも高い医療レベルを維持するために指定病院を絞ったのだということですので、ご理解いただきたいと思います。

地方債利率と地方分権

今日の読売新聞朝刊に『千葉市債 利率最低』と言う囲み記事がありました。
千葉市が本日売り出す公募債の利率が、0.58%で10年物では過去最低だというのです。
もちろんこれは千葉市民にとっては大変うれしいことです。しかし、その一方で千葉市の財政状況が非常に苦しいこともまた事実です。
このように、千葉市に限らずどこの自治体であれ、その自治体の財政力や財政状況にほとんど関係なく地方債の利率が決まっていくように見えます。そして事実、千葉県債なども売り出すや否やあっという間に売り切れてしまいます。
要するに、自治体の状況に関係なく、必ず国が返済を保証してくれるから地方債は絶対安全だということに他なりません。
本来、自治体に厳密な意味での課税権はありませんので、それほど低利の利率になるはずがなく、国の後ろ盾が無くなれば利率が跳ね上がる自治体が出てきます。
皮肉な言い方になってしまいますが、利率の低さは地方分権が進んでいない証拠でもあります。
さて、道州になるとこの地方債の扱いは非常に困ります。地方債残高の多い道府県とはどこも一緒になりたくないでしょう。
国債のほうの考え方も非常に難しい。それは赤字国債の分担の話にとどまりません。
たとえ建設国債であれ、「なぜわが道州に無いインフラの借金をわが道州が負担しなければならないのか」という主張にどう答えればよいでしょうか。
『地方分権』と『国債・地方債』の問題は、本当に頭の痛い課題です。