月別アーカイブ: 1月 2013

安倍総理の良くない癖

1月7日の公明新聞の主張は『道州制』でした。これは言葉のイメージから地方自治体の問題ととらえがちですがそうではありません。
道州制の本質は、総務省を無くし、文部科学省を無くし、文化庁を無くし、厚生労働省を無くし、農林水産省を無くし、林野庁を無くし、水産庁を無くし、経済産業省を無くし、資源エネルギー庁を無くし、特許庁を無くし、中小企業庁を無くし、国土交通省を無くし、観光庁・気象庁を無くし、環境省を無くし・・・と膨大な国の機関を無くして道州に移行させることにあります。
したがって、公明新聞の『主張』には、『有効性を失った中央集権体制を乗り越え、地域の可能性を開花させる「新しい国のカタチ」を探る作業』『国は、外交・防衛、通貨管理、司法など国でなければできない仕事を担う』とあるのです。
したがって、本当に重大な歴史的テーマが政権与党の合意文書に載っているのです。
ところが、今日の朝日新聞は安倍総理が次々と有識者会議を設置したことを伝えています。
そのテーマは『教育』『国家安全保障』『憲法解釈』『歴史認識』です。いずれも非常に大事なテーマなのですが、あえて言えば政権合意とのかかわりのないものばかりです。
一つの内閣がそれほど多くの仕事をなしえないのがこれまでの憲政の歴史であり現実でもあります。
第一次安倍内閣の失敗の大きな要因の一つは、憲法や教育やあれやこれやとあまりに手を広げすぎたことと私は見ています。
現政権の最大のミッションは景気回復です。したがって、それに狙いを定めてまい進してほしいと思うのです。
政権の滑り出しだからこそ慎重運転をお願いしたいのです。

まだ早すぎるのか?本質の議論

ここ数日、一般紙における公明党に関する記事は、ほとんどすべて消費税の『軽減税率』に関するものです。
山口代表の発言も太田国交相の発言も然りです。
そして、それに対する各紙の取り上げ方はといえば、読売新聞は『軽減税率 早期導入へ動き』『公明 自民に決意示す』『週内にも3党協議』、日本農業新聞は『自公で議論本格化』『食品の軽減税率など焦点』と報じています。
一方、朝日新聞は『軽減税率、調整難航も』『公明との溝、鮮明に』、毎日新聞も『軽減税率 調整難航』です。
ところが、どの新聞も報じていないのがインボイスに関する議論です。
実は、消費税の本質は、『商品の値段に税率を上乗せして売買する』ということではなく、事業者の売上から仕入れ額を控除した部分に消費税率をかけてその金額を消費税として納めるという点にあります。
売上から仕入を差し引いたものは、単純に言えばその事業者が生み出した付加価値と言うことができます。
その付加価値に消費税率をかけたものを納税するので、欧州では付加価値税と称しているのです。
この付加価値税は、仮に複数の税率があった場合、税額計算が非常にややっこしいことになります。売上から仕入れを引いて税率をかけるという単純作業は単一の税率であるなら帳簿でさっと計算ができるでしょうが、複数税率ではそういうわけにはいきません。
つまり、複数税率を成り立たせているのは『帳簿』ではなく『インボイス』なのです。私はインボイス導入に踏み切るしかないと思っています。いち早くそうした本質の議論に入るべきだと思うのです。

松戸、柏、小金の三角関係とは

今年は松戸市が誕生して70周年だと言います。大変おめでたいことであり、心からお祝いしたいと思います。
そのうえで、「ちょっぴり異議あり」なのは、私の住む小金町が松戸市に編入されたのが昭和29年だからです。
つまり、小金町から見ると来年2014年が松戸市編入60周年にあたるわけで、来年こそ小金町としてのお祝いがあってもよいと思うからです。
昭和29年当時、松戸市と柏市そして小金町の三者は、実は非常にややっこしい三角関係にありました。
松戸市と柏市は、どちらが小金町を編入するかで大変な争いをしていましたし、小金町も松戸派と柏派とに町民が二分して大騒動を起こしていました。
柏市は、小金町を合併して東葛市になるという目論見でした。そして、柏派が多数を占める町議会では柏との合併を決議します。
ところが、町民は大多数が松戸派だったために大反対運動を展開。結局、千葉県が調停に乗り出します。
その結果、やはり町議会の議決は重いので、「まず柏市と合併して東葛市となる。そのうえでどうするかを再度町民で決める」ということになりました。
その結果、昭和29年9月に柏市と合併して東葛市ができ、その後、東葛市から松戸市へ編入されなおすという経緯をたどりました。
柏市は、小金町が抜けてしまえば東葛市を名乗るのも癪?だと思ったのか、11月には柏市に名称を戻しました。
したがって、2か月間だけ柏市プラス小金町の東葛市が存在していたのです。実にややっこしい三角関係ですね。
私は幼稚園中退で松戸市へ引っ越してきましたが、母方の実家は小金にあります。しかしながら、こうした話を聞いたことは誰からも一度もありませんでした。
松戸市の小学生が学ぶ副教材『伸び行く松戸市』にも書かれていなかったと思います。もしかしたら、書くことのできないような状況があったのかも知れません。
三角関係と言うのは、やはり触れない方が良いということなのでしょう。

平木大作さんと新春街頭演説

1月7日午前、松戸駅東口にて、平木大作さん(参議院通常選挙予定候補)と公明党市議団の皆さんと恒例の新春街頭演説を行いました。
幾人もの方が足を止めてくださり、私たちの訴えに聞き入ってくださいました。感謝、感謝です。
今年の最大の目標は、経済再生、景気回復です。
そのために大型補正もあるでしょう。金融緩和も必要でしょう。
そして何よりも、私たちの気持ちが明るく前向きにならなければなりません。
「きっかけ」というものは非常に大事なものです。
私たちが(私だけか?)立ち上がるときに「ヨッコイショ」と無意識に口走ってしまったりしますが、この掛け声も実はことのほか大事だと思っています。
安倍総理の強気の発言が今のところ、その良い『きっかけ』になっています。今度はその『きっかけ』を裏打ちする整合性の取れた政策を過たず打ち出していただきたいと思います。

黒神地区の人々

毎日新聞の地方版に桜島火山の連載があると日本火山の会のTさんに教えていただきました。
早速読んでみると、なかなかの内容です。
国内の20世紀最大の噴火は、桜島の大正の大噴火です。58人の方が犠牲となりました。
毎日新聞の記事によれば、『全集落の687戸すべてが火山灰に埋没。その後の昭和噴火の溶岩が住民が開墾して移り住んだ新しい集落も埋めた』とあります。
大正の大噴火は1年以上続きました。地図を見ればわかりますが、桜島の東側に「大正溶岩」「昭和溶岩」と記された部分があって、その部分が大隅半島の垂水市とくっついています。
この連載記事でとりわけ印象的だったのは、昭和噴火を24歳の時に経験したという大久保さんの言葉です。
『温州ミカンの苗木100本を植え、収穫した翌年一晩のうちにすべて枯れていたときはつらかったねえ。(略)やっぱり噴火は怖いよ。毎晩床に入るとき、山に向かい「今晩も無事に寝かせしてください」とそっとお願いして、朝起きると「今日も生きててよかった」と感謝する。それでも神社も先祖代々のお墓があって、みんな穏やかなこの集落が好きなのよ』
しかしながら、現実の問題として1946年の昭和噴火をはるかに上回る大正大噴火クラスの噴火は必ず起こります。錦江湾や桜島の地下にあるマグマだまりには着実にマグマが溜まりつつあります。そして、同時に桜島には子どもたちからお年寄りまでの4991人の暮らしがあります。
これを『防災・減災ニューディール』でどのように救っていくか、まさに新政権の防災対策が問われることになります。
東日本大震災の復興復旧、笹子トンネル事故に象徴されるインフラの老朽化、そしてそのうえにこれから想定される各地域の災害対策と課題は尽きることがありません。
人の力、技術の力を決して過信することなく、さりとて自信喪失に陥ることもなく、つねに立ち向かっていく姿勢が大事です。
宮澤賢治のグスコーブドリの生き方をふっと思い出してしまいました。