黒神地区の人々

毎日新聞の地方版に桜島火山の連載があると日本火山の会のTさんに教えていただきました。
早速読んでみると、なかなかの内容です。
国内の20世紀最大の噴火は、桜島の大正の大噴火です。58人の方が犠牲となりました。
毎日新聞の記事によれば、『全集落の687戸すべてが火山灰に埋没。その後の昭和噴火の溶岩が住民が開墾して移り住んだ新しい集落も埋めた』とあります。
大正の大噴火は1年以上続きました。地図を見ればわかりますが、桜島の東側に「大正溶岩」「昭和溶岩」と記された部分があって、その部分が大隅半島の垂水市とくっついています。
この連載記事でとりわけ印象的だったのは、昭和噴火を24歳の時に経験したという大久保さんの言葉です。
『温州ミカンの苗木100本を植え、収穫した翌年一晩のうちにすべて枯れていたときはつらかったねえ。(略)やっぱり噴火は怖いよ。毎晩床に入るとき、山に向かい「今晩も無事に寝かせしてください」とそっとお願いして、朝起きると「今日も生きててよかった」と感謝する。それでも神社も先祖代々のお墓があって、みんな穏やかなこの集落が好きなのよ』
しかしながら、現実の問題として1946年の昭和噴火をはるかに上回る大正大噴火クラスの噴火は必ず起こります。錦江湾や桜島の地下にあるマグマだまりには着実にマグマが溜まりつつあります。そして、同時に桜島には子どもたちからお年寄りまでの4991人の暮らしがあります。
これを『防災・減災ニューディール』でどのように救っていくか、まさに新政権の防災対策が問われることになります。
東日本大震災の復興復旧、笹子トンネル事故に象徴されるインフラの老朽化、そしてそのうえにこれから想定される各地域の災害対策と課題は尽きることがありません。
人の力、技術の力を決して過信することなく、さりとて自信喪失に陥ることもなく、つねに立ち向かっていく姿勢が大事です。
宮澤賢治のグスコーブドリの生き方をふっと思い出してしまいました。


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