月別アーカイブ: 12月 2012

公的機関でも倒産する

2年前の2010年1月25日に、千葉県の第三セクター「かずさアカデミアパーク」は千葉地裁へ民事再生法の適用を申請しました。
同社は千葉県が筆頭株主であり、このことを議論する商工労働企業常任委員会では激しいやり取りがありました。
それ以来、私は公的機関の倒産について多少なりとも注意しています。
2010年はこのあとも、神奈川県の第三セクター「かながわ廃棄物事業団」、福岡市の第三セクター「都市未来ふくおか」、高萩市の第三セクター「高萩市住宅公社」、「茨城県住宅公社」、枚方市の第三セクター「ビルオネ」、「大阪府市町村職員互助会」と続きました。
10月20日付けで東京地裁により破産手続きの開始決定を受けたのは内閣府所管の「社団法人青少年育成国民会議」でした。
2011年は、「群馬県林業公社」、大阪府の「りんくう国際物流」、「釧路振興公社」、「亀岡市住宅公社」、「大鰐町開発公社」、「大鰐地域総合開発」です。
今年も「さいたまソフトウェアセンター」、「大阪りんくうホテル」、神戸市の「海上アクセス」「神戸市住宅公社」、「秋田県市町村職員互助会」、大町市の「あすかの杜」、青森県の「青い森農林振興公社」、「広島県農林振興センター」の8社で、負債総額の累計は約1664億円です。
公的機関だからこそ手を出さざるを得なかった分野もあるでしょうが、責任を取らなくて済むシステムだから手を出したとも言えます。
政党や政治家は、政策に失敗したら落選という形で責任を果たすと言われています。しかし、責任を取るべき人は何年も前に退職してしまっており、自分が担当の時には倒産は避けたいと、ただただ事態を順繰りに先送りしてきた組織が残ります。
長期的な成否をだれが判断するか、どういう形で責任を取るのか、今のシステムでは対応は不能なのです。

気象庁はプロ集団になるべき

火山予知連会長の藤井敏嗣東大名誉教授からお話を伺いました。
私の興味の一つは、気象庁が気象業務法改正へ動いた要因でした。
藤井会長によれば、気象庁が自信を持ったのかもしれないという印象をおっしゃっていました。
しかし、およそ自然現象に規則性があるのかというとなかなか微妙です。

平成19年10月11日、気象庁は気象業務法の一部改正を行うという報道発表をしました。
同法第3条には気象庁長官の任務が規定されています。
従来は、「気象、津波及び高潮の予報及び警報の中枢組織を確立し、及び維持すること」とされていました。
それを「気象、地震動、火山現象、津波及び高潮の予報及び警報の中枢組織を確立し、及び維持すること」と改正しました。
報道発表資料には、わざわざ『地震動の予報とは、地震の最初のわずかな揺れから各地の揺れ(地震動)を予想し発表することであり、地震の発生の予想は含まない』と書いてありました。

ここまででも突っ込みどころが幾つもあります。
まず、地震動については発生予報などできるはずがないので注意書きがありますが、火山の予報はできるかの書きぶりです。
何という思い上がりでしょうか。そもそも噴火の予兆がキャッチできるのでしょうか?
異常事態はキャッチできたとしても、それが噴火に結びつくかどうかわかるはずがありません。
百歩譲ってできるものだとしても、『中枢組織を確立し』とありますが、気象庁に火山の専門家がいるのでしょうか?
いないからこそ気象庁長官の私的諮問機関として火山噴火予知連が必要なのでしょう。
閣僚でもない気象庁長官の、しかも「私的」諮問機関ですから、とてもとても『中枢組織』ではないでしょう。

どうも日本という国は、法律を作って書き込んでしまえば、『一丁上がり』というところがあって、内実がまるで伴っていないのです。
この気象業務法の改正は、まさにその事例に当たります。
このことが嫌というほど確認できたのが、このほどの藤井敏嗣会長からのレクチャーでした。

勘違いが怖い「徳島活断層条例」

徳島県が全国で初めて活断層上での建築規制を条例化したと伝えられています。
これを徹底すると、地域によっては活断層だらけなところもあり、住むところが無くなってしまうといった突っ込みが湧き上がってきます。
徳島県の条例は中央構造線活断層が対象のようですから条例化できたと思います。細かなものを含めてはそれこそ住むところが無くなります。
この条例は、あくまで活断層を意識するということでは意味のあるものだと思いますが、その反面勘違いも起こりうると思います。
たとえば、1995年の阪神淡路大震災では、断層の位置と最も揺れの大きかった場所は一致していません。
六甲山に跳ね返った揺れが地震本来の揺れの波長と重なり合って実際の揺れになりますので、活断層上が最も揺れるとは限らないのです。
すると、活断層から離れたところであっても最も揺れるところの建築規制をすべきというのが正論となります。
ところが、揺れというのは地盤構造ですとか揺れの波長によってどこが揺れるのかなど分かりませんので場所の特定ができないのです。
そういうところまでわかって議論しているのだとは思いますが、活断層から離れているから安心だという見方になってしまうとこの条例は悪影響を及ぼすということになってしまいます。

党とは重いもの

「党とはもっと重いものじゃなかったのか」この先輩議員の言葉をことあるたびに思い出します。
保革伯仲時代(1980年代)に、公明党は自民党から連立政権を呼びかけられたことがあります。
その時に党幹部は自民の要請を断りました。それに対しての先輩の一言です。

今回の総選挙で民主党は大敗しました。野田代表が辞意を表明したのに対して次の人が出てきません。
前原さんも細野さんも代表選出馬をしないと伝えられています。
私は思います。「党とはもっと重いものではないのか」と。
今回の選挙で第三極と言われた人たちは一本化できなかったことを悔やみます。
「一本化できていれば、自公とほとんど変わらない票が出せた」と言います。
私は思います。「党とはもっと重いものではないのか」と。
主義主張がバラバラな党が一本化したところでまとまるはずがありません。
そんなことは民主党の失敗でわかっているはずなのに、目先の選挙を見ているからそういう発言になるのでしょう。
結局のところ、そこには国民のためという発想がないのです。
やはり党とは重いものです。
立党精神(公明党なら「大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」)を共有し、政策を練り上げ、それを実現すべく民意を問うからこそ党なのであって、その原点に忘れては政治は成り立たないと思います。

地域の健康づくりの「鍵」は

衆議院総選挙期間中でしたのでブログの更新ができませんでした。ご容赦ください。今日は投票日ですので、選挙の話題は避けたいと思います。

先日、千葉県松戸健康福祉センター長から運営協議会の議事録の原案が送られてきました。もし修正が必要なら連絡がほしいという文書です。
11月15日に行われた協議会は、委員からの質問は私の1問だけでした。

センター長の説明の中にこういう発言がありました。
『地域職域連携推進協議会について説明いたします。この協議会の目的は、地域と職域において連携し、生涯を通じた健康づくりを継続的に支援するための効果的な保健事業を構築することです。地域職域連携のメリットは地域と職域の情報を合わせて検討することで、地域全体の健康情報が明確になり、退職後も健康支援を提供することができ・・・』
まさにその通りなのです。その通りなのですが、それができるかどうかは全く別問題です。
そこで私は質問したのです。
藤井『国保の検診をやりますと市町村はそのデータを把握していると思いますが、国保ですと年齢が偏って全体が見えてこないと思うのです。そこで職域ということであれば、たとえば「協会けんぽ」であれば99%中小企業だと思いますが、データをいただくということは考えているのでしょうか。
センター長のお答は『それも考えてやっております。データ的に全部把握してやっていくのはなかなか難しいのですが、努力しております。』というものでした。

私も難しいとは思いますが、これができなければ地域職域連携など画餅になってしまいます。
協会けんぽのデータを全てに近い形で入手すること、それを分析することで地域の私たちの健康状態が把握できること、これこそ「地域職域連携推進」の鍵であり、目的であり、すべてであると私は思っています。