月別アーカイブ: 8月 2012

新興政党の行く末

今朝の読売新聞千葉版の一番最後に、ある県議の離党届受理という記事が本当にひっそりと掲載されていました。
その県議は、千葉県議会の「みんなの党」の代表者でしたが、離党して別の地域政党へ移るというのです。
彼の発言を過去の新聞で拾っていくと「行動をためらう人もいる中で、さきがけになる必要があった」(毎日新聞)ということだそうです。それにしても県議会の会派代表者が真っ先に離脱することに違和感は否めません。
「みんなの党」の一時期の勢いは大変なものでした。渡辺代表のお人柄そのものの勢いでした。それが、これほどの短期日のうちに光を失っているように見えます。そして、離党した県議の発言にあるように「行動ためらう人」が仮に多数存在するとなるとますます苦しい状態になるでしょう。
結局のところ、綱領という本当に根っ子のところ、目指すべき理念に基づいた政策が一致していない政党はダメだと思います。
選挙に勝つためにその党のブランドを使うという発想では、仲間割れや脱落が起こることは必至であり、そんな政党の衰退は時間の問題といえます。
これが民主党という政権党であっても例外でないことに私は慄然たる気持ちになります。
現在の選挙制度は、『人』ではなく『党』を選ぶ比例代表制です。にもかかわらず『党』を変わってしまう議員のなんと多いことかと思います。
新興政党の人たちはこのことを真剣に考えてほしいと思います。
そして、「毎年、総理が変わっているようではだめだ」という主張をする議員たちが見受けられますが、「総理」どころか「政党」を変えてしまうような人にそれを言う資格はないと思うのです。
これまで活動してきた政党に対する厳しい批判があります。正すべき欠点は正して行かなければなりません。しかし、私は同時に新興政党に対する甘い期待も排していかなければならないと思っています。

千葉県立病院の決算見込み

平成23年度の決算見込みがまとまり、担当者から「黒です。2年連続です」と伺いました。そこで早速、千葉県のホームページを開いてみましたが、「ファイルが壊れていて修復できない」というメッセージが表示されPDFファイルが開けません。
普通ならやきもきするところですが、23年度決算見込みのPDFファイルを開いてみたところで私の欲しいデータは、まずもって掲載されているはずもありませんのでそれほど残念には思いませんでした。
私は、平成14年まで市立病院を二つも持つ松戸市の議員でしたし、松戸市の監査委員も勤めさせていただきましたので、自分なりの病院事業に対する見方があります。もしかしたら、それは独善的な見方なのかもしれませんが、ともかくも20年間、自治体病院を見てきました。
ですから、誰がどう言おうと自分の目で、自分なりの見方で決算の数字を見てみないことには安心できません。
千葉県のホームページには、たとえば平成22年度決算の総括では『入院、外来患者が増加した。診療報酬改定により入院単価、外来単価が上がった。材料費の抑制に努めた』とあります。
平成23年度は『入院、外来患者が増加した。一般会計負担金交付金が増加した。その一方で医師・看護師を増員したので医業費用は増えた。佐原病院は千葉県病院局設置以来初めて黒字となった』と総括しています。
これではもちろん何の評価もできません。
県立病院は6病院ありますので、それぞれの損益の金額はグラフ化されていますが、もちろんこれを見たところで病院の評価はできません。
自治体病院は、自治体病院であるがゆえに単純に「赤字が悪く黒字は良い」とも言えない難しさがあります。
本日の段階では、病院局全体として非常に良い方向に進んでいて、各病院の皆さんが大変なご苦労されているということだけは十分理解できました。一所懸命に頑張っていらっしゃる医療スタッフの皆さんには本当に頭が下がります。
その一方で、病院事業にはちょっとしたことで躓くとあっという間に悪くなるという恐ろしさもあるのです。これは全国でも珍しい話ではありません。
これからも自分の目で決算の数字を見させていただいて、県立病院の経営の安定と医療サービスの向上ができるよう心していきたいと思います。

昔、機関委任事務。今、臨財債。

地方自治における『治外法権』というものがありました。その名は、「機関委任事務」。
地方自治体の行っている業務であるにもかかわらず、当該地方議会では監視できないのです。なぜなら、それは国に頼まれてやっているから。しかも、ちゃんとやらないと首長の責任も問われるのです。
では、国会が監視しているかというと、おそらく大半の国会議員もそんな業務のことを頭の片隅にもおいていなかっただろうと私は確信しています。
国会の監視下にもなく、地方議会の監視下にもない悪評高い業務がようやく法的に解消されたかと思いきや、今度は『臨時財政対策債』です。
こんなバカげた話がまかり通るのですから、この国は本当に危ういと思います。
地方議員の立場からすれば、首長に臨財債の発行責任を負わせるのは無理があります。
本来は、きちんと国が出すべき金額を出せないからを発行せざるを得ないのであって、首長にしてみれば「好きで発行しているのではない」というほかありません。
では、国会で臨時財政対策債の発行責任はきちんと糺されているのでしょうか。誰も責任を追及されているようには見えません。
つまり、ここに新たな治外法権が誕生したのです。どうなってしまっているのか、まったく情けない話ではあります。
昨日の日経新聞に『銀行融資 自治体頼み』という財政融資資金の繰り上げ償還についての記事が出ていました。
国と地方の関係は、形の上での敵対関係もありますが、基本的には持ちつ持たれつであり、地方は国に頼り切っているように見えます。見ていて何とも表現のしようがない粘着度があります。
しかし、これからの本当に厳しい厳しい財政状況を慮れば、両者はアベルとカインになる可能性は十分にあります。
もちろん国の方がカインだとは思いますが、もしかしたらカインのマークをつける地方が現れないとも限りません。

もっと注目されるべき

私たちは「国内問題に目が向きがち」ということを先日このブログに書きました。
しかし、もっと言うと8月6日に着陸に成功した火星探査機は、間違いなくもっともっと注目されてよいニュースだと思ました。
オリンピックという一大イベントに重なったことは、もったいないというか何とも残念でした。
私が小学生のころ、アポロの月面着陸があり、その後のミュンヘンオリンピックでは塚原光男が「ムーンサルト(月面宙返り)」という鉄棒の下り技を編み出し、見事にオリンピックとコラボさせていました。
2010年に帰還した「はやぶさ」の小惑星イトカワの探査も宇宙へ目を向ける大いなるきっかけになりましたが、やはり熱は冷めやすいことは否めません。日本全体として将来への「夢」とか「希望」についての心がややしぼんでいるのかもしれません。
天文学の世界では『視直径』という言葉があります。
これは実際の大きさではなく、私たちには実際にどのくらいの大きさに見えるかというもので、この数値が大きければ大きいほど大きく見えることになります。
私たち日本人は、自分の国の将来イメージを他の国の人たちと比べてマイナーにとらえすぎていないか?つまり『視直径』を小さく見すぎてやしないか?そんなことを感じています。
最近は、人工の光であまりに夜空が明るく、星を見るのが好きな私はいつも残念に思っています。
たまには夜空を見上げながら、火星で探査機「キュリオシティー」が頑張っているんだなと感じてみるのもよいのかもしれません。
しかし、「CURIOSITY」(珍奇なもの・骨董品)などと名付けるあたり、アメリカ人のネイミングセンスにはついていけませんが、同時に感心もしています。
日本の火星探査機は「のぞみ」でした。「のぞみ」と「骨董品」。日本人はまじめすぎるのか・・・

感染症記事にはアンテナを高く

昨日の新聞各紙で、1段記事でしたが、アメリカで『インフルに140人超感染』というものがありました。
通常の季節性インフルであれば切り抜きはしないのですが、これが豚由来のウイルスだというのでは放っておけません。
豚由来のインフルであれば、可能性の問題ですが、未知のウイルスでパンデミック(爆発的な感染)を起こさないとも限りませんので。
そもそもわが国は、江戸時代から(もっともっと以前からですね)衛生的な国で、ヨーロッパとは格段に違っていたはずです。
衛生的な国で、かつ島国ですから外から未知のウイルスが入ることが少ないという幸せな国でした。
時代が移り、船や航空機という交通手段が発達し、グローバル化が進むとそういう幸せな状態はなかなか保てなくなります。
インカ帝国の滅亡は、スペイン人の暴虐もさることながら、外からの未知のウイルスの侵入であるという説すらあります。
これは被害者的な立場からの論調ですが、当然のことながらもう一方で、加害者的な分析も必要です。
たとえば衛生的な国であるがゆえに、ワクチンの必要性を切実に考えていません。予防接種についての無関心も問題です。
グローバル化により、そんな日本人が米国などへ行くと「日本人は病気を持ち込む」という批判を受けることになります。
世の中は、やはり原因には結果があり、予防接種に対する無知や現在まで不活性化ポリオワクチンを使っていなかったことも淵源は日本が衛生的だったからという逆説的な理由もあるのだと思います。
そういうお国柄だからこそ、私は感染症に対して無関心ではいられません。エイズにせよエボラ出血熱にせよ、はたまた鳥インフルエンザや口蹄疫にせよ、どこそこの国で患者が出た患畜が出たなどと新聞記事が出ると思わず読みいってしまいます。
千葉県は外国に開かれた県です。アンテナを常に高くと思っています。